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2012.10.09.20.56

ぶらっくこーひー

コーヒーは、ブラックで呑む。

なんか極当たり前の呑み方の様な気がするし、ミルクやシュガーを入れて呑む方が、むしろ例外の様な気がする。

だから、時折、ぼくよりも遥かに年配の方と同道して喫茶店で一息ついた時に、彼らの呑み方に吃驚とさせられてしまうのだ。
と、言うのは、彼らはこれでもかとばかりにミルクを入れ、シュガーを入れて、呑むのである。
でも逆に、彼らから観れば、ぼくの様な呑み方の方が、尋常ならざるモノに映るらしい。

そんなぼくだってコーヒーを呑み始めた頃は、ミルクも入れるし、シュガーも入れた。
尤もその頃のぼくは小学校にあがったいないかの頃だったけれども。

呑んだら眠れなくなるよ、この一言で、ぼくの両親、特に母親の方は、あまり呑ませたがらなかった。
だから、コーヒーを呑めるのは、父親も母親も不在の、親戚の許での事だったと想う。

ちいさなカップにコーヒーが満たされている。
それに、角砂糖をつまんで、すこしづつ水面に浸してゆく。もしくは、あらかじめ攪拌して出来た、カップの中の渦にすこしづつミルクを入れる。
そんな瞬間が好きだった。
色も味覚も異なるふたつのモノが融解して、ひとつのモノに融合する。
そんな状況を、ぼくはコーヒーで堪能していたのだ。

だから、コーヒーを呑むモノとしてではなくて、観るモノとして存在するうちは、ぼくにとっては、コーヒーをブラックで呑むのは外道でしかなかった。

それが、いつのまにか逆転してしまう。
それは果たしていつの日の事なのだろうか。

同級生がバイトしている喫茶店での事だろうか。そこでは、角砂糖の代わりにざらめが置かれていた。そして、その同級生が、ざらめはコーヒーに入れるよりも、そのまま齧った方が美味しいと教えてくれたのだ。
だから、ぼくは未だに、テーブルにざらめが置かれている喫茶店では、それを二三粒頬張っては、齧っている。
あまり品のいいモノではない。同席した人物によっては、あからさまな嫌悪感を浮かべるモノもある。またその一方で、試しにぼくの真似をして、ざらめを口にいれた人物が、その後、それが習慣化したと聴いた時はない。
ぼくだけの個人的な悪習なのだ。

そして、ざらめを頬張って糖分を摂取している為に、この頃から、コーヒーをブラックで呑み始める様になった様な気がする。
そう言えば、同席者が女性の場合は、呑み物の他に、ケーキやなんやらがテーブルに並ぶから、それの影響もあるだろう。
甘いモノが既に別に用意されてあるから、甘いコーヒーは、トゥー・マッチなのだ。

そんな風にして、この習慣が固定したのだろう。

images
ペギー・リー (Peggy Lee) に『ブラック・コーヒー (Black Coffee)』という歌がある。その懐かしくも、倦怠感に満ちた歌唱は、コーヒーをブラックで呑む状況が、どの様なものか、とても妄想を逞しくしてくれる。
だが、残念な事に、その曲を表題とした彼女のアルバム『ブラック・コーヒー (Black Coffee)』のヴィジュアルは、逞しくさせられた妄想を、悉く、裏切る様な代物なのだ。
こんな洒落た雰囲気で呑む様なコーヒーは、決してブラックである筈はない。

ぢゃあ、どんな光景や雰囲気が、ブラック・コーヒー (Black Coffee)に相応しいのか。
その答の代わりに、ぼくの日常のある一端を記しておこう。

身体もこころもぼろぼろになって辿り着く深夜のファミレスで、コーヒーが呑み放題なのを良い事に、少なくとも三杯は呑んでしまう [それは同伴者が居ようと居まいとなんら変わらない]。
最初の一杯には、ミルクもシュガーも目一杯いれた甘ったるいコーヒーを呑み、次の二杯目はミルクだけをいれて呑む。
そうして、ようやくになにもいれないコーヒーを三杯目にして、ありつくのだ。
三杯目を呑み干した頃には、恐らく、注文した食事が運ばれてくるのに、違いない。

今のぼくにとっての、コーヒーのある日常とは、そんな様なモノなのである。

次回は「」。
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