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2007.12.11.21.35

でにすでぃーんあんどでいゔぃっど

これから書くのは、三人の『頭文字D』の物語。ノースカロライナ州(State of North Carolina)郊外にある閑静な街ランバートン(Lumberton)の裏社会で開かれた「新人歌手新春シャンソンショウ」。
ではなくて、甘美なそして毒々しい危険な物語。ロイ・オービソンRoy Orbison)の名曲「イン・ドリームス(In Dreams)」にのせて繰り広げられるのは、デイヴィッド・リンチDavid Lynch)監督の映画『ブルーベルベット(Blue Velvet)』からの一幕であります。


と、ちょっと無意味にひっぱってみせたけれども、既に御存知の、要はこのシーンです。

イザベラ・ロッセリーニIsabella Rossellini)扮する場末の歌手ドロシー(Dorothy Vallens)との密通が発覚した主人公ジェフリー(Jeffrey Beaumont)[演:カイル・マクラクランKyle MacLachlan)]が、ドロシー(Dorothy Vallens)の情夫フランク(Frank Booth)[演:デニス・ホッパーDennis Hopper)]に連れてこられたのがここ、ディーン・ストックウェルDean Stockwell)扮するおかまのベン(Ben)が経営する淫売宿でした。
そして、物語の本筋から大きく逸脱して演じられるのが、このいかがわしくて胡散臭い事この上ない、上掲のシーンです。尤も、このロイ・オービソンRoy Orbison)に唄われる「イン・ドリームス(In Dreams)」が流れている間に、主要な登場人物は用意周到に、この淫売宿に集められているのですが。
しかも、デイヴィッド・リンチDavid Lynch)監督作品では、本作品の後、悪夢とも白昼夢ともつかない、甘く切なくそしてどこか気がふれた、気違いぢみたシーンは、かたちを違えて何度も何度も再演されていきます。しかも、この映画『ブルーベルベット(Blue Velvet)』同様に、一見、物語の本筋とは大きく外れているようで実は、重要なアトモスフィア[映画の中の世界観を象徴する?]を決定づけるシーンとなります。

と、いうことよりもここで書いておきたいのは、デニス・ディーン&デイヴィッド[韻律的には、この並びが一番だと思うが如何か?]の、あたかも運命共同体の如き関係性の事です。
このシーンでの主演者となるディーン・ストックウェルDean Stockwell)はかつては名子役とその名を馳せ、『紳士協定Gentleman's Agreement)』ではゴールデングローブ賞Golden Globe Awards)特別子役賞を受賞する程の評価を得たものの「名子役必ずしも名優ならず」というジンクスを証明するかの様な顛落人生真只中。
そのディーンの久しぶりの、文字どおりのほんの一瞬のスポットライトがあたるシーン[しかもそこは淫売宿という設定]を感極まって凝視めているのが、デニス・ホッパーDennis Hopper)。彼もまたハリウッドHollywood)から爪弾きされて辛酸を舐めていました。監督・脚本・主演した『イージー★ライダー(Easy Rider)』ではアメリカン・ニューシネマ(New Hollywood)の旗手としての地位と評価を得たものの、その後の飲酒癖・麻薬禍によって日陰者の途を歩んでいる真っ最中だったのです。
そして、同病あい憐れむ関係のふたりを、本作でのこんな凄まじい設定で、虚実入り交じったディーンとデニスの熱い友情として、映像化してしまったのがデイヴィッド。
彼もまた、『エレファント・マン(The Elephant Man)』で己の歪んだ美意識を素直に正直に映像化したらそれが勘違いされてヒューマニズム映画と絶賛されて人気作家の仲間入りしたかと思ったら、制作者サイドの誤算と不手際で『デューン/砂の惑星(Dune)』が大コケ[歪んだ美意識の表出は相変わらず素晴らしいのですが]。彼もまた、他のふたり同様に、世間を狭くしていたのでありました。

そんな三人が寄り集まって唄ったのがこの「イン・ドリームス(In Dreams)」。曵かれ者の小唄というにはあまりにも甘く切ない曲ですが、この映画が大絶賛の大成功を収めたおかげで、三者はハリウッドHollywood)に凱旋。本来、各々の占めるべき地位をこの作品で、確固たるものにしました。
と、いうか実はこの三人の『頭文字D』の邂逅を彩った「イン・ドリームス(In Dreams)」のシンガ-、ロイ・オービソンRoy Orbison)自身もまた不遇をかこっていた時期だったりしたのですが、本作公開の翌年、ロックの殿堂The Rock and Roll Hall of Fame and Museum)入りを果たしてしまいます。

と、なるとこの「イン・ドリームス(In Dreams)」という曲は、曵かれ者の小唄ならぬ皆殺しの歌なのでしょうか?

次回は「」。
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