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2012.04.15.10.40

"COLOSSAL YOUTH" by YOUNG MARBLE GIANTS

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あるヒトにとっては、痩せた音にしか、枯れた音にしか、響かないかもしれない。そして、また、別のあるヒトにとってはデモ・テープ (Demo) もしくはそれ以前の存在でしかなく、ここから如何に優れたアレンジを与えるべきかと悩ませるモノかもしれない。
しかし、一音の無駄な音もない代わりに、一音の過剰な音も必要もない、完成された作品なのだ。
しかも、よおく耳をひそめてみれば、その痩せた音も枯れた音も、豊穣に饒舌に鳴り響いているのに、気づくのに違いない。

音楽の歴史で観てみると、この作品からウィークエンド (Weekend) というバンドが産まれネオ・アコースティック・ムーヴメント (Neo Acoustic) の魁になり、そのウィークエンド (Weekend) が発展的に解消されてワーキング・ウィーク (Working Week) が産まれ、もうひとつのムーヴメントである、アシッド・ジャズ・ムーヴメント (Acid Jazz) を牽引していく事になる。
そこには、アリソン・スタットン (Alison Statton) とサイモン・ブース [サイモン・エマーソン] (Simon Booth aka Simon Emmerson) というそれぞれのキー・パーソンがいて、彼らを中心とした人的な交流の結果が産み出したものでもある。
だが、それだけを注視してしまうと、この駄文の主役であるヤング・マーブル・ジャイアンツ (Young Marble Giants) というバンド / ユニットの存在を見誤る事になる。
ヤング・マーブル・ジャイアンツ (Young Marble Giants) を原点であるとか原石であるとかと断言するのは容易いし、と同時に、正しい視点のひとつでもあるのだけれども、それだけで終わってしまえば、もっと大事ななにかを喪ってしまうのに違いないのだ。

それは、彼らの音楽にはその佇まいとは全く異なるモノがある、という箏なのである。

暴力的でもあり、攻撃的でもある。
だがそれは、繊細さの裏返しではない。
むしろ、喉元に匕首を突きつけられたままの己にむかって、その兇器の持ち主が天使の笑顔を魅せる様なモノなのだ。そして、その笑顔はその瞬間の時にしか魅せてくれないし、絶体絶命のその当事者だけしか拝めないモノなのだ。何故ならば、次の瞬間に、己は忌まわの際にあってそこにのたうちまわっているのだし、匕首を携えたその人物は一切の関心を屍体には払わないからだ。

凄まじい変な比喩を書いてしまった。
でも、そおゆう事なのである。

例えば誰にも解る様に"暴力的"や"攻撃的"を次の様に記すべきなのかも知れない。
本作品が登場したのは英国にパンク・ムーヴメント (Punk) が吹き荒れたその後の事である。1979年発表だ。
パンク・ムーヴメント (Punk) の中に潜む精神性をそのまま引き継いだかたちで、当時顕われた数多くの作品と同様に、この作品は制作された。
それは、それ以前に溢れ還っていた音楽の否定であり、己の音楽は己で孕み世に送り出すという事だ。つまり、総てに対してノー (No!) ということばを叩き付けると同時に、その発言に対してきちんと責任を取ってゆくのである。一言に換言すれば、ドゥ・イット・ユアセルフ (Do It Yourself Ethic) になる。

この作品も勿論、これまでの商業主義的なモノから一線を引いた場所で産まれ育まれたし、第一に、本作品を発売 / 販売したのは、その精神の発露でもあるインディペンデント・レーベル (Independent Label)、ラフ・トレード (Rough Trade) だ。
そして、彼らを支持したのは同世代のヒトビト、つまり、身をもってパンク・ムーヴメント (Punk) を体現しているモノ達であり、彼らがそのまま中核となって、一番最初に書いた様な、ネオ・アコースティック・ムーヴメント (Neo Acoustic) も形成されていく。
[5大パンク・バンド (The Top Five Punk Acts) のひとつに数えられるザ・ジャム (The Jam) に当時在籍していたポール・ウェラー (Paul Weller) の、その後の行動は、その解りやすい具体例のひとつだ。]

だから、非暴力主義 (Nonviolence) が実は最大な暴力的脅威になりえてしまうとか、沈黙が最も雄弁に物語る (Speech Is Silver, Silence Is Golden) とか、総てを否定すれば総てを肯定するとか、そんな言説と同じ地平にある様に、彼らの音楽を語る事は実に、容易いのだ。
しかも、現実に起こった事象を観れば、それらを裏付ける様に、彼らの音楽からその総ては産まれてきたのである。
だが、その様に語るのは、ウィークエンド (Weekend) からワーキング・ウィーク (Working Week) への派生の歴史を語る事や、それぞれのキー・パーソンとしてアリソン・スタットン (Alison Statton) やサイモン・ブース [サイモン・エマーソン] (Simon Booth aka Simon Emmerson) を語る事とさして変わりはない。単純に、実際に顕現した事象の中にあるかもしれない精神性や内面の問題を強調したのに過ぎないのだ。

ぢゃあ、どうすればいいのか、あなたはぼくに問うかもしれない。
ぼくが答えられるのは、たったの一言。息を潜めて音楽に向かうしかない。それだけだ。

メロディやリズムやアレンジやヴォーカルの向こうにあるモノを捜すしかないのだ。もしもその様な聴き方をすれば、例えば聴こえてくるのは、コード・チェンジの際に触れる指と弦との摩擦音や、思わずフラットしてしまった歌唱や、リズム・ボックスの均一の音響から微妙にずれて響くベース音や、そしてそんな音ばかりが鳴り響くスタジオの孤独なのかも知れない。
それらは一聴、幼さや拙さや不味さと響くかもしれない。
だが、きっとそれだけではないモノがある。
少なくとも、そこから総てが始っている。
それだけは否定のしようがない。

[そおゆう意味では、ヤング・マーブル・ジャイアンツ (Young Marble Giants) から分派したもうひとつの系、ザ・ジスト (The Gist) について、語るべきなのだろうか。少なくとも、ヤング・マーブル・ジャイアンツ (Young Marble Giants) からアリソン・スタットン (Alison Statton) を引き算したその解が、ザ・ジスト (The Gist) であるとは、ぼくは考えていない。]

ものづくし(click in the world!)115. :
"COLOSSAL YOUTH" by YOUNG MARBLE GIANTS


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"COLOSSAL YOUTH" by YOUNG MARBLE GIANTS

1. Searching For Mr Right
2. Include Me Out
3. The Taxi
4. Eating Noddemix
5. Constantly Changing
6. N.I.T.A.
7. Colossal Youth
8. Music For Evenings
9. The Man Amplifier
10. Choci Loni
11. Wurlitzer Jukebox
12. Salad days
13. Credit In The Straight World
14. Brand - New - Life
15. Wind In The Rigging
16. This Way
17. Posed By Models
18. The Clock
19. Clicktalk
20. Zebra Trucks
21. Sporting Life
Bonus tracks
22. Final Day
23. Radio Silents
24. Cakewalking
25. Ode To Booker T.

Colossal statue of a youth c.590 b.c. marble 3'05 m
Pit east of Temple of Poseidon, Sounion
Athens, National Museum
Young marble giants greeted the sailor from Cape Sounion as he entered the home stretch to Athens. Two basic intuitions of Greek art - tensed vitality and geometric structuring - are as yet disunited : the sculptor partly carves, partly maps an abstract concept of human form on to the rectangular block.
Richter, Kouroi figs. 33-9.

Young Marble Giants :
Alison Statton - voice, Philip Moxham - bass, Stuart Moxham - guitar & organ

All titles written and composed by Stuart Moxham,
except Eating Noddemix by Alison Statton and Philip Moxham, Choci Loni, This Way, Posed By Models, The Clock, Clicktalk, Zebra Trucks and Sporting Life by Stuart Moxham and Philip Moxham and Salad days, lyrics by Alison Statton.

Recorded by Dave Anderson at Foel Studios, England
Produced and arranged by Young Marble Giants and Dave Anderson

Liner Notes by Stuart Moxham, for Y.M.G. London 11/12/93.

(C) Crepuscule, 1994 - copyright control except 25. published by Crepuscule.
Thanks to Ian McNay, John Henderson, Geoff Travis, Ken Brake, Paul Stevens and Cindy.

Naive side on Include Me Out by Dave Dearnaley
Cover photo by Patrick Graham

(P) & (C) 1994. Les Disques du Crepuscule - All rights reserved

LES DISQUES DU CREPUSCULE TWI 984-2

Discography
1979 - "Is The War Over" - various Artists compilation LP
including "Ode To Booker T." and "Searching For Mr Right"
(Z Block)

1979 - "Colossal Youth" - LP
1979 - "Final Day", "Radio Silents", "Cakewalking", - three-track single
1979 - "Test Card" - EP
1990 - "Colossal Youth" - CD- including "Colossal Youth" - LP / "Test Card" - EP
(Rough Trade)

1994 - "Colossal Youth" - CD
including "Colossal Youth" - LP / "Test Card" - EP / "Final Day" - "Radio Silents" - "Cakewalking" / "Ode To Booker T."
(Les Disques du Crepuscule)

About "Colossal Youth"
""Colossal Youth" acts as a commentary, a remote and assured mirror to the contemporary hysteria for the safe, the predictable, the emotionless."
Dave McCullough, Sounds, 22/03/80

"The Trio's songs lilt in a private sector like jiminy cricket in rock's watchpocket. "
John Pareles, Voice, 26/11/80

"The pop equivalent of a zen painter's landscape - a few casual strokes and all the rest implied."
Graham Lock, N.M.E, 05/04/80
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