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2012.03.18.11.46

"Eggs and Ashes : Music from the Wim Vandekeybus Ultima Vez performances" by X-Legged Sally

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不意打ちを喰らわすかの様に突然、眼の前に顕われたと思った瞬間に、己の使命をさっさと切り上げて、何処とも知れぬところへと去ってしまった。
そんな気が、つい、してしまう。

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このベルギー (Koninkrijk Belgie) 出身のバンド、X-レッグド・サリー (X-Legged Sally) を知ったのは、彼らのセカンド・アルバム『キルド・バイ・チャリティー (Killed By Charity)』である。彼らを知るモノは、殆どがそうであろう。1994年の事だ。そして、その時に彼らを知った殆どのモノがそうである様に、ジャケットに貼られた1枚のステッカーの文字に吸い込まれる様にして、その作品を手に入れたのである。
『PRoDuCeD By BiLL LASWEL』 [原文ママ] そのステッカーには、そう書かれていた。

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毀誉褒貶激しいビル・ラズウェル (Bill Laswell) というアーティストの、しかもその激しい一因の最たるものである、プロデュース作品なのである(上記掲載画像は、そのステッカー部分)。
ある意味で、伸ばしたその掌を再度引き込まさせるモノでもあると同時に、一度、引き込んでしまったその掌に、躊躇いがちにさらに再度伸ばさせるモノ。ぼくにとってのビル・ラズウェル (Bill Laswell) のプロデュース作品とは、そおゆう位置づけにある。
具体的な例を示せば、パブリック・イメージ・リミテッド (Public Image Ltd.) の『アルバム (Compact Disc)』 [1986年発表] だ。あれをビル・ラズウェル (Bill Laswell) の作品として観る事が出来れば、爽快感溢れる会心作ではあるのだけれども、ジョン・ライドン (John Lydon) ≒パブリック・イメージ・リミテッド (Public Image Ltd.) の作品として観れば、大きな疑問符がいくつも沸いてしまうモノなのだ。
ある意味で、主役たるアーティスト / バンド以上に、己自身のアーティスティヴィリティやクリエィティヴィリティを発揮してしまうヒトなのである、ビル・ラズウェル (Bill Laswell) という人物は。だから、収録すべき楽曲群や、それを創り上げるアーティスト / バンド自身に、強烈な個性がなければ、それらはビル・ラズウェル (Bill Laswell) という個性に乗っ取られてしまいかねない。だから、逆に観れば、彼の素材に徹する事の出来る無個性なアーティスト / バンドの方が、彼の手綱に身を任す事が出来て、最良の作品を完成させる事が出来るかもしれないのだ。

と、いう逡巡を経て、ぼくは『キルド・バイ・チャリティー (Killed By Charity)』を購入してしまったのである。
聴いた事も観た事もないバンドだから、逆に、当時のビル・ラズウェル (Bill Laswell) がやりたい事や試したい事が遺憾なく発揮されているかもしれない。本来ならば主役であるべき筈のバンドに対して、相当に、無責任で偏見に満ちた視点があった、のである。

ところが、これが凄まじく恰好良かったのだ。
ジャズ (Jazz) でもあるし、ファンク (Funk) でもあるし、ロック (Rock) でもある。シリアスであると同時に絶え間ないユーモアも溢れている。しかも、それらを支える音色が、鋭い程に尖っていて、ぼく自身の快感原則のことごとくを裏切らないのだ。
もしも、ぼくの今、書きつつあるこの駄文で彼らに興味を持つ方がいるのならば、先ずは彼らのセカンド・アルバムである『キルド・バイ・チャリティー (Killed By Charity)』から聴き始めるべきだ [と、勢い込んで書いたものの現時点では入手困難な模様。残念である]。
彼らの代表作と言えば、この作品になってしまうに違いなく、そしてそれと同時に、ある種のジャンルでは、1990年代を代表する作品になるに違いない。

ところで、今、ぼくはここで"ある種のジャンル"と思わず口ごもってしまったけれども、それがナニであるのかを具体的に指示するのは、難しい。
"ジャズ (Jazz) でもあるし、ファンク (Funk) でもあるし、ロック (Rock) でもある"と、その前に記した様に、ナニでもあると同時に、ナニでもない。
編成でいえば、4リズム・セクションに三管編成だ。つまり、ドラムス (Drums)、ベース (Bass)、ギター (Guitar)、キーボード (Keyboards) に加える事のサックス (Saxes)、トランペット (Trumpet)、クラリネット (Clarinet) である。
この編成で出来る、ありとあらゆる可能性の中で、自信をもって恰好良いと断言出来るモノだけを呈示しているのだ。
その潔さが、この作品の総てである様に思える。

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とは言うもののの、幾らそのバンドの代表作であり、シーンを形成する傑作であったとしても、 (Wild Boar) を模したオブジェをフィーチャーしたこのジャケット [ヴィジュアル・コンセプトはリーダーでクラリネット (Clarinet) 担当のピーター・ヴェルマーシュ (Peter Vermeersch) による] では、このブログのこの連載で取り上げる訳にはいかないのだ。

だから、その次作である『エッグス・アンド・アッシュズ (Eggs and Ashes : Music from the Wim Vandekeybus Ultima Vez performances)』 [こちらも1994年発表作品] を紹介するのである。

エッグス・アンド・アッシュズ (Eggs and Ashes : Music from the Wim Vandekeybus Ultima Vez performances)』は、ヴィム・ヴァンデケイビュス (Wim Vandekeybus) 主宰のウルティマ・ヴェス (Ultima Vez) の、みっつの公演に提供した楽曲群から成っている。
その公演がどんなモノだったのかはジャケットに掲載された数葉の写真だけでは伺い知る事も出来ないし、それ以前に、みっつの公演に提供された計9曲は、アルバムとしてのトータリティーを考慮した結果なのだろう、ランダムに配置されている。
つまり、少なくともアルバムにおいては、ウルティマ・ヴェス (Ultima Vez) の為のサウンド・トラックである前に、バンドとしてのオリジナル作品としての自己主張が先に立っているのだ。

と、いうのも、アルバムとしての発表順では [というのも、みっつの公演の発表年が1991年と1993年と1994年だからだ、純粋に収録の時系列に並べれば、こちらの方が旧い楽曲群となる] 前作にあたる『キルド・バイ・チャリティー (Killed By Charity)』のサウンドや楽曲群を期待して向かえば、立ち所にそれが裏切られるからだ。
単純に言えば、『キルド・バイ・チャリティー (Killed By Charity)』では試みなかったコトの総てをここで試みている様に聴こえる。音楽性とその所属するジャンルを観るだけでも、"ジャズ (Jazz) でもあるし、ファンク (Funk) でもあるし、ロック (Rock) でもある"事、ではない音楽を聴く事が出来るのだ。
ある意味で、バンドが内包している総てを曝け出そうとしている様にも聴こえるし、バンドの可能性を総て追求したとも聴こえるし、敢て言えば、ビル・ラズウェル (Bill Laswell) 仕切りの『キルド・バイ・チャリティー (Killed By Charity)』は我々の極一部分でしかないのだと、主張しているとも言える。
それだけ、1994年の彼らは充実していたのだろう。

ものづくし(click in the world!)114. :
Eggs and Ashes : Music from the Wim Vandekeybus Ultima Vez performances
by X-Legged Sally


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"Eggs and Ashes : Music from the Wim Vandekeybus Ultima Vez performances" by X-Legged Sally

"Und der Kapellmeister muss umfallen wenn er fertig ist.
Nur dann kann man was Gottliches geben."
Immer das Selbe gelogen ('91)
2. Laut und leise 3' 39"
5. Turkish Bath 7' 06"
6. Immer Carlo 1' 46
8. Two Volcanoes 4' 37"
color picture from the movie "La Mentira", Wim Vandekeybus
b/w picture Octavio Iturbe


"Tarzan, king of the jungle is white, Miss America is white, miss world is white, when you go yo heaven you walk on a milky white way."
Muhammad Ali in "Muhammad Ali the greatest" a movie by William Klein.
Her body doesn't fit her soul ('93)
3. Midwave 9'47"
7. Sparadrap 7'15"
color picture from the movie "ELBA AND FEDERICO", Wim Vandekeybus
b/w picture Danny Willems

"You know out of the thousands of picture who've already cleaned my ears,
I would really have to say that you do it the best."
Mountains made of barking ('94)
1. Lulu 2' 40"
4. Hate Song 4'27"
9. Mask 17' 24"
color picture Wim Vandekeybus
b/w picture Octavio Iturbe

Immer das Selbe gelogen ('91)
Her body doesn't fit her soul ('93)
Mountains made of barking ('94)

1. Lulu 2' 40"
2. Laut und leise 3' 39"
3. Midwave 9' 47"
4. Hate Song 4' 27"
5. Turkish Bath 7' 06"
6. Immer Carlo 1' 46"
7. Sparadrap 7' 15"
8. Two Volcanoes 4' 37"
9. Mask 17' 24"

X-Legged Sally is
Danny Van Hoeck - drums,
Pierre Vervloesem - electric guitar,
Paul Belgrado - bass,
Peter Vermeersch - tenor sax, clarinet,
Michel Mast - tenor & bariton sax,
Bart Maris - trumpet,
Peter Vandenberghe - keyboards,

Additional musicians
Pieter Lamotte - trombone (1, 5, 9)
Jean-Luc Plouvier - keyboards (3)
Bruno Deneuter - bass (5)
Eric Sleichim - alto sax(5)
Michel Delory - electric guitar (5)
Jan Weuts - trumpet (1, 2, 5, 6, 8)
George Van Dam - violin (6)
Mauro Pawlowski - vocal (1)
Carlo Verano - vocal (2, 6)

Compositions by Peter Vermeersch, except
1. (Vermeersch - unknown),
4. (Vermeersch - Vervloesem - Van Hoeck),
5. (Myers - Vermeersch).

Recorded and mixed by Christian Martin at Team for Action, Audio Corporation and Kitsch Studios (all in Brussels, Belgium). Additional engineer on "Midwave" : Thomas Gauder and Denis Heremans on "Hate Song". Editinig at ・Ping. Mastered at Foon, Lier (Belgium).

Published by Addison De Wit・SUB ROSA.
Management Addison De Wit
Graphic design by reflex design
cover pictures by Wim Vandekeybus

THE CATALOGUE SR'77 A DIVISION OF SUB ROSA RECORDS
(C) 1994 SUB ROSA

PUBLISHED BY SUB ROSA CANTUS
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