fc2ブログ

2011.09.04.08.35

ふたつの意見広告もしくは『北風と太陽』

その二社の意見広告 (Non-commercial Advertising) そのものを、新聞紙紙上で観た訳ではない。たまたま、ぼくがそれぞれの意見広告 (Non-commercial Advertising) が取り上げられていたり、話題になっていたりしているのを、相前後してこの週に観ただけなのだ。
時系列上では、一方は4月11日に掲載され、一方は9月2日に掲載されていて、それぞれが呼応している訳ではない。第一に、業種も異なる訳だから、ひき比べてみる事自体に意味があるのかどうか。
だが、半年も前の震災を受けて、発せられたメッセージとして観た場合、このふたつの意見広告 (Non-commercial Advertising) を並べてみると、いろいろな観方が出来そうなのだ。
危機管理も全く出来ず、視聴者からのクレームに翻弄されて、ただひたすら、無味無臭で、益にも不益にもならない戯言を垂れ流していたACジャパン (AC Japan) のあれらは語る値すらない。その代わりに、この二社の意見広告 (Non-commercial Advertising) は、広告のちからと価値とを理解しているだけではなくて、その逆の怖さも毒も知り尽くしている様な気がするのだ。

その意見広告 (Non-commercial Advertising) とは、ヤマトホールディングス (Yamato Holdings Co., Ltd.) の『宅急便ひとつに、希望をひとつ入れて。』と、宝島社 (Takarajimasha, Inc) の『いい国つくろう、何度でも。』である。

imagesimages
似て非なるというべきなのだろうか。それとも、非なりて似たるというべきなのだろうか。

そして、話題はがらりと変わる。

イソップ寓話 (Aesop's Fables) のひとつに『北風と太陽 (The North Wind And The Sun)』がある。あえて記述する必要はないかもしれないけれども、それはこんな話だ。

あるひのことです。きたかぜとたいようが、じまんばなしをしています。しかし、「ぼくがいちばんだ」「わたしがいちばんだ」というばかりで、ゆずりません。
そこで、じっさいにちからだめしをすることにします。
ふたりのまえをひとりのたびびとがあるいていきます。
「あのたびびとのうわぎをぬがしたほうがかちだ」
さいしょにきたかぜがいどみます。きたかぜはたびびとのうわぎをふきとばそうと、いしょうけんめい、つよくつめたいかぜをふきつけます。
しかし、きたかぜがつよくなればつよくなるほど、たびびとはしっかりとうわぎのまえをあわせます。そして、きたかぜがつめたくなればつめたくなるほど、たびびとはもっともっとうわぎのまえをあわせます。こごえないように、ふきとばされないように、たびびとはひっしです。
あきらめたきたかぜにかわって、こんどはたいようのばんです。たいようはあたたたかいひざしをたびびとにあてていきます。そのあたたかさでたびびとのうわぎのぼたんはいつしかはずされています。
あたたかいひざしはしだいにあついひざしとなります。そうなると、もうたまりません。たびびとはあまりのあつさにがまんできず、うわぎをぬいでしまいます。
こうして、きたかぜとたいようのちからくらべはおわりました。

以上が、イソップ寓話 (Aesop's Fables) 『北風と太陽 (The North Wind And The Sun)』である。あまりにも有名な寓話 (Fables) で、様々なヴァリリアントがある。ぼく自身も幼い頃から、様々なかたちで観たり聴いたり読んだりしてきた。それらを憶い出しながら、書き出してみたのが上の『北風と太陽 (The North Wind And The Sun)』である。だから、オリジナルのイソップ寓話 (Aesop's Fables) のものとは相当な隔たりがあるかもしれない。
それはさておき、この寓話からなにを導き出せるのであろうか。この寓話 (Fables) は単純な様で、実はその根は深い。如何様にも解釈出来るし、如何様な教訓も導き出せる。
金大中 (Kim Dae Jung) ~盧武鉉 (Roh Moo-hyun) 政権の対北朝鮮政策である太陽政策 (Sunshine Policy) の由来が、この寓話 (Fables) にあるのもそのひとつだ。

さて、今回の二社の意見広告も、どこかこの『北風と太陽 (The North Wind And The Sun)』に通じている様な気がしてならない。
だが、いずれが北風 (The North Wind) で、いずれが太陽 (The Sun) である、と言いたいのでない。
むしろ、両者ともに、北風 (The North Wind) 的な側面と太陽 (The Sun) 的な側面を有している様なきがしてならないのだ。
顧客に対しては太陽 (The Sun) としてふるまいつつも、同業他社に対しては北風 (The North Wind) そのものなのだ。
国内向けには強く冷たい風を浴びせかけてはいるが、同盟国に対しては、トモダチ作戦 (Operation Tomodachi) 以外にもさらなる支援策があってしかるべきだろうと、熱波にも似た無言の圧力をかけているのかもしれない。

広告自体、顧客のみに向けられたものではなくて、顧客以外のモノモノへも様々なメッセージを発信している訳だけれども、意見広告 (Non-commercial Advertising) ともなれば尚更だ。
それぞれの主張は、あやまりもなくその読者に伝わっているのだろうか。それとも、誤解も含めた上での、つよい自信のある主張なのだろうか。

出来れば、それらの反響を知りたいのだ。
発信者である企業自らが集約して、公表したりしないのだろうか。
勿論、第三者機関がそれらの意見広告 (Non-commercial Advertising) に寄せられた見解をとりまとめて、その結果を公表してもいい。ACジャパン (AC Japan) だって、それくらいの事は出来るだろう。

ぼくが知りたいのは顧客からの反応ではない。被災者や被災企業や同業他社や広告代理店や国や自治体や、各国のヒトビトまでも含めた、ありとあらゆる見解を知りたいのだ。

附記:
今回の記事は、『ほぼ日刊イトイ新聞』に『クロネコヤマトのDNA』が連載されている事に端を発しています。この連載期間中に、『今日のダーリン』で、糸井重里 (Shigesato Itoi) が『北風と太陽 (The North Wind And The Sun)』に言及してもいました(その文章は既に読む事は出来ません)。
なので、この記事を書くきっかけを与えてくれた『ほぼ日刊イトイ新聞』と糸井重里 (Shigesato Itoi) に謝辞を捧げます [ホントは宝島社 (Takarajimasha, Inc) とも広告論戦わしてもらいところなんだけど]。
ありがとうございました。
関連記事

theme : マーケティング - genre : ビジネス

out of the order | comments : 0 | trackbacks : 0 | pagetop

<<previous entry | <home> | next entry>>

comments for this entry

only can see the webmaster :

tackbacks for this entry

trackback url

https://tai4oyo.blog.fc2.com/tb.php/709-634e023e

for fc2 blog users

trackback url for fc2 blog users is here