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2011.01.23.18.15

これもまた悪い夢の続き 26.

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The Poster for the movie "L'Albero degli zoccoli / The Tree Of Wooden Clogs" directed by Ermanno Olmi

こんな夢を観た。

そもそもが変なメンバー構成だった。

収賄の嫌疑がかけられている議員に、有名なウェブ・サイトの編集者。来春の連続ドラマにレギュラー出演が決まった女子幼稚園児とその祖母、祖母とは言ってもぼくとそんなに年齢差はない。それと既に出来上がっている、三人のサラリーマン風情。恐らくひとりが上司で、こいつが相当、呑んだくれていて他のふたりに抱えられている様に歩く。
その一行に、ぼくと店を閉めたばかりのマスターが加わっている。

年の瀬のパーティーも果てた深夜に、この一団が歩く。街はクリスマス特有の華やかさと喧噪が溢れかえっているから、その中に混じればぼく達もそんなに違和感もないだろう。
泥酔の三人組がきちんと歩いてくれさえすればそれでいい。と、いうかそもそも我々が連れ立って歩く謂れなんか、とっくにないのだ。三々五々、散るべきところに散ってしまって、還るべきところへと還ってしまえばいい。それで、誰も文句は言わないだろう。
例えこの中のひとりが翌朝、礫死体で発見されても、構いやしない。ぼく達はたまたまその夜を同じ宴席で過した、ただそれだけの関係なのだ。

そんなぼく達を引率しているのは、何故か意気投合した議員とまだ若い祖母だった。
何れ容疑が固まる。何れ逮捕状が出る。何れ収監される。そんな、ありそうなありえなさそうなギャグを飛ばしながら、ぢゃあ今のうちに、差し入れの品物を選んでおきましょう、きっと警察はわたしが面会に来ても逢わせてもらえないわ、今夜のうちに手配してあなたの事務所に置いておきましょう。
気持ちよく酔っぱらったふたりは、留置場の拘留期間に、愉しく暖かくすごせる品物をショッピングしたいと言うのだ。

もちろん、そんな話は酔った酔狂でしかないのは、誰もが知っている。よぉく考えれば、今夜の醜態に尾鰭がついて、孫のデヴューに差し障りが出来るかもしれないのだ。
マスターにすれば、いつまでも開けておくわけにはいかない店を閉めるいい口実が出来たとばかりに、ふたりのそんなよた話に乗ったまでだ。
ぢゃあ、ここにいる皆さんで選んだらどうでしょう、こんな深夜でもやっているいい店に案内しますよ。
その台詞が小一時間前だった。その声を期に、殆どの常連は店を引き上げて、それぞれのシマである別の店に向かったが、マスターの発言に素直に従ってしまった人物達がいる。
そんな理由で、こうしてぼく達は徘徊している。

マスターが案内した店でなにがあったのかはよく憶えていない。
この界隈にあるビル群の中でも一際巨きなビルの中に吸い込まれて、最上階からワンフロアづつ降りて行った。各フロアでは馬鹿げた騒ぎも起きただろうし、下らないいざこざも起きたかもしれない。店員に迷惑をかけ、他の酔客と揉め事を起こし、クリスマスの恋人達に嫌な想いをさせたかもしれない。
ただ、未来の大女優だけはもの静かに振る舞っていた。

その間、ぼくはずうっとウェヴ・サイトの編集者に話かけられていた。
今夜はなんで取材道具を置いて来たんだろうから始って、この街で起きた事、あの通りで仕掛けた事、この店でやりたい事を始終、まくしたてていた。
きみは知らないと思うけど。
実はあれはぼくなんだ。
このふたつが彼の口から始終出て来ていた。ぼくは彼が満足出来る様に、その度に頷いたり頸を振ったりしてやっていた。

こうして、ようやくぼく達はビルの一階にある出口から吐き出された。
空は蒼く、冬の太陽が昇っていた。眩しい。そしてその眩しさに誘われる様に、ぼく達は、全くの赤の他人の様に、それぞれの帰途に着いた。

議員には迎えの黒塗りのクルマが秘書とともに出迎えていたし、祖母と孫は午過ぎのある葬儀に出席するという。三人組は既に駅へと向かって奔ってゆく。

大まかに自由業と括られる、マスターと編集者とぼくだけが遺った。

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"The Episode In Helsinki" from the movie "Night On Earth" directed by Jim Jarmusch
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