fc2ブログ

2011.01.11.19.36

だてなおと

昨年末から新年早々、伊達直人 (Naoto Date) の"善行"が、ちいさなニュースとなって報じられている。

昨年のクリスマスの日に、前橋市 (Maebashi City) にある群馬県中央児童相談所に10個のランドセル (Randoseru) が届けられる [詳細はこちら]。
年が明けた5日には、小田原市 (Odawara City) の小田原児童相談所に、6個のランドセル (Randoseru) が届けられる [詳細はこちら]。
そして翌7日には、長野市 (Nagano City)長野県中央児童相談所に6個のランドセル (Randoseru) が [詳細はこちら]、南城市 (Nanjo City) の島添の丘に3個のランドセル (Randoseru) が、静岡市 (Shizuoka City)静岡ホームには現金10万円が、届けられる [詳細はこちら]。
8日には、岐阜市 (Gifu City)日本児童育成園に5個のランドセル (Randoseru) が届けられる [詳細はこちら] ...。
と、日を追う毎に、新しい場所から新しい"善行"が報じられている。

以上の、"善行"は、長野市 (Nagano City) の場合を除いて、その贈り主が伊達直人 (Naoto Date) を名乗っている事。そして、長野市 (Nagano City) の場合も「同じ志の方がいらして共感します」というメッセージがあったから、その人物ももう一人の伊達直人 (Naoto Date) と解しても問題ないだろう。

そして、それらのニュースの見出しにはどれも、伊達直人 (Naoto Date) という文字は顕われずに、タイガーマスク (Tiger Mask) の行為として記載されている。

勿論、伊達直人 (Naoto Date) はタイガーマスク (Tiger Mask) だし、タイガーマスク (Tiger Mask) は伊達直人 (Naoto Date) だ。

マンガ『タイガーマスク (Tiger Mask)』 [NTV19691971年放映] と、それを原作とするテレビ・アニメ『タイガーマスク (Tiger Mask)』 [原作:梶原一騎 (Ikki Kajiwara) 作画:辻なおき (Naoki Tsuji) 19681971ぼくら週刊ぼくらマガジン週刊少年マガジン連載] を観れば、それは明らかなのである。
マンガに関してもアニメに関しても、続編なりリメイク作品なりが存在する様だが未見だし、そこには伊達直人 (Naoto Date) 本人が登場する訳でもないので、ここでは言及しない。

佐山聡 (Satoru Sayama) こそ真のタイガーマスク (Tiger Mask) である。彼以降に登場したタイガーマスク (Tiger Mask) はタイガーマスク (Tiger Mask) ではない、という様な定型のボケも、ここではしない [つーか、プロレス・ファンでもないんで、ボケたくてもボケられないんだけど]。

マンガ作品もアニメ作品も、作品の後期になると独自の展開をしていくのだけれども、ぼくがここで書いておきたい事は、共通の初期設定であるし、両者共に同じドラマの展開を繰り広げていた時代のエピソードだ。だから、これ以降、あえて両作品を分けずに混同して、書き進めて行く事にする。

孤児院ちびっこハウス (Chibikko House) で育てられた伊達直人 (Naoto Date) は、ある日孤児院を脱走。プロレスラー養成機関虎の穴 (Tiger's Cave Wrestling Co., Ltd [cf. ep. 004]) にスカウトされる。
虎の穴 (Tiger's Cave Wrestling Co., Ltd [cf. ep. 004]) を優秀な成績で卒業した伊達直人 (Naoto Date) は、タイガーマスク (Tiger Mask) を名乗り、米プロレス界にデヴュー。黄色い悪魔 (The Yellow Devil [cf. ep. 001]) の異名を誇る程の、超一級の悪役レスラー (Heel) として畏れられる様になった。
米国での勢いと評価をそのままに、タイガーマスク (Tiger Mask) は"来日"、日本プロレス界にデヴューする。
そして、本名である伊達直人 (Naoto Date) として数十年振りにちびっこハウス (Chibikko House) に顕われるや、その窮状を知って、援助を申し出る。多額の寄付金をちびっこハウス (Chibikko House) に進呈するものの、そのカネは本来は、虎の穴 (Tiger's Cave Wrestling Co., Ltd [cf. ep. 004]) に収めるべきモノであった。
以来、タイガーマスク (Tiger Mask) は、裏切り者として虎の穴 (Tiger's Cave Wrestling Co., Ltd [cf. ep. 004]) の刺客に、その命を狙われ続けるのであった...。

この初期設定だけでも、冒頭に紹介した"善行"の行為者が、伊達直人 (Naoto Date) を名乗る理由であると、解釈する事は不可能ではない。
でも、それだけではダメなのだ。

何故ならば、伊達直人 (Naoto Date) は、伊達直人 (Naoto Date) と名乗って、ちびっこハウス (Chibikko House) の窮状を救ったからなのだ。勿論、彼がタイガーマスク (Tiger Mask) である事は秘匿され続けるし、そのカネを稼いだ方法も、そのカネが別の目的の為に支払わなければならない事も隠され続ける。
でも、それだけでは"善行"を行った行為者の意図の半分も、理解していない事になる。
彼らが伊達直人 (Naoto Date) を名乗るのは、物語の中に次の様なエピソードがあるからだ。

虎の穴 (Tiger's Cave Wrestling Co., Ltd [cf. ep. 004]) の刺客との対決、日本プロレス界での活躍によってジャイアント馬場 (Giant Baba) やアントニオ猪木 (Antonio Inoki) らとの間に培われつつある友情、そしてなによりも自身を応援してくれるちびっこハウス (Chibikko House) の子供達によって、タイガーマスク (Tiger Mask) は悪役レスラー (Heel) から正統派レスラー (Face) へと変わりつつあった。
折しも、日本プロレス (JWA : Japan Pro Wrestling Aliance) 主催の第10回ワールド大リーグ戦タイガーマスク (Tiger Mask) も参戦。その巡業中の旅先で、ひとりの盲目の少女と伊達直人 (Naoto Date) は出逢う。そこで、改めて、彼は、ちびっこハウス (Chibikko House) の救済だけでは不徹底な事、さらにはその先にある大きな目的を見出してしまう。
しかし、その為には、現在の己のファイトマネーだけでは遥かに足りないのだ。
そんな時に、虎の穴 (Tiger's Cave Wrestling Co., Ltd [cf. ep. 004]) は、タイガーマスク (Tiger Mask) に向けて、覆面ワールド・リーグ戦 (The League Of Masked Wrestlers [cf. ep. 024]) という罠を仕掛ける。その勝者には、優勝賞金10万ドルが支払われるというのだ。
タイガーマスク (Tiger Mask) は、その賞金目当てに、第10回ワールド大リーグ戦を離脱。カネの亡者という悪評とともに、ジャイアント馬場 (Giant Baba) やアントニオ猪木 (Antonio Inoki) らの期待と信頼を裏切り、多くのファンの失望をも買う。だが、タイガーマスク (Tiger Mask) は、その賞金の遣い途を決して公表する事なく、戦いに臨むのだった。

覆面ワールド・リーグ戦 (The League Of Masked Wrestlers [cf. ep. 024]) での連戦の果てに、最終決戦として、ザ・グレート・ゼブラ (The Great Zebra) と名乗る謎の覆面レスラーの乱入によって、タッグマッチ戦 (Tag Match) "ザ・ライオンマン (The Lionman) & ザ・エジプト・ミイラ (The Egyptian Mummy) 組 vs ザ・グレート・ゼブラ (The Great Zebra) & タイガーマスク (Tiger Mask) 組"が行われる。
そのタッグマッチ戦 (Tag Match) の死闘が終焉した際に、匿名の必要性、善行や美名の影に隠されるべきものが存在する事を、ザ・グレート・ゼブラ (The Great Zebra) から、タイガーマスク (Tiger Mask) へと語られるのである。
そして、それを実際に実行する為に、ザ・グレート・ゼブラ (The Great Zebra) は己の正体を、タイガーマスク (Tiger Mask) 以外のナニモノにも明かす事なく、覆面ワールド・リーグ戦 (The League Of Masked Wrestlers [cf. ep. 024]) の覇者であるのにも関わらず、マット界から永久に消え去るのである。

つまり、冒頭に紹介した"善行"の行為者の脳裏には、ザ・グレート・ゼブラ (The Great Zebra) がそこで語った内容が、きっと脳裏に焼きついているのに違いないのだ。

欧米のセレブ達がこぞって行うチャリティーやボランティアの殆どが、記名の行為であるのに対し、何故か、我が国では行為者は己の素性を秘匿する。
行為者の名を明かそうと隠そうと、総ての"善行"は"美談"へと昇華される筈なのに、それは必ずしも徹底されているものでもない。
時には自己欺瞞と誹られ、時には自己満足と疎んじられる場合もあるのだ。
だが、どちらが良くてどちらが悪いという事は、ここで問題にする必要はない。
洋の東西の違い、という考えも頭に浮かぶが、映画『街の灯 (City Lights)』 [チャーリー・チャップリン (Charles Chaplin) 監督作品 1931年制作] で、主人公が盲目の女性の為に、奮闘努力するのは、無記名で秘匿された行為だ。
ここで『街の灯 (City Lights)』 [チャーリー・チャップリン (Charles Chaplin) 監督作品 1931年制作] と伊達直人 (Naoto Date) =タイガーマスク (Tiger Mask) の物語の類似性を指摘する必要も特にない。敢て言えば、前者はボクシング (Boxing)で、後者はプロレス (Pro Wrestling) なんだけど。

ただ、ザ・グレート・ゼブラ (The Great Zebra) の教えのままに、物語の中の伊達直人 (Naoto Date) =タイガーマスク (Tiger Mask) は行動した。
そして、年末から年明けにかけて登場した伊達直人 (Naoto Date) を名乗るモノ達も、ザ・グレート・ゼブラ (The Great Zebra) の教えに従って、行動したに違いないのだ。

彼の言葉が何故、それ程までに伊達直人 (Naoto Date) =タイガーマスク (Tiger Mask) を動かし、そして今日に至ってもその影響力が存在するのかと言えば....。

images
おっと。ここで彼の正体を明かす訳にはいかないだろう。
もしもここで彼の名を告げれば、彼の真意をひとつも理解していない事になる。

次回は「」。
関連記事

theme : ふと感じること - genre :

i know it and take it | comments : 4 | trackbacks : 0 | pagetop

<<previous entry | <home> | next entry>>

comments for this entry


>丸義さん

結局のところ、行う方々の立ち位置がきちんと自覚出来ているかいないかみたいですね。その行為がおなじものであっても、それが及ぼす効果は、皆、それぞれの様です。
尤も、それを受け止める側の意識は、終始、一貫している様なのですが。
『児童養護施設へのご厚意にかかわるお礼とお願い』として、全養協から以下の様なメッセージが発表されています。

http://www.zenyokyo.gr.jp/whatsnew/110113.html

2011.01.18.10.30. |from たいとしはる feat. =OyO=| URL


>と、言う様な情報操作や情報偽装を装う程の、
>ちからは現政権は持ちえていないと思います
>[って大胆な発言してますけど]。

そうですよね!(と言えば現政権に失礼かも…苦笑
電波系ブログに影響されたアホな自分を戒めてます。
今回の「事件」、色んな事を考えさせられました。

2011.01.18.06.18. |from 丸義| URL [edit]


>丸義さん

コメントありがとうございます。

> 一見「美談」ですが、このニュースを垂れ流して国民の目を何かから逸らせようとしてるのではないかと・・・

と、言う様な情報操作や情報偽装を装う程の、ちからは現政権は持ちえていないと思います [って大胆な発言してますけど]。

基本的に、年末年始のネタ切れ時に、記事にしやすいネタだったんだと思います。
年末時には、匿名の人物からのお裾分けみたいな"美談"は、毎年の様にあるものです。その匿名氏が、世代的に共感を得やすい人物の名前だったという事です。
新聞等の紙媒体では、その人物自身のエピソードとその作品の影響力を語ればいいし、電波媒体ではさらに、その人物のエピソードが語られている番組エンディング・テーマを流せばいい。
要は、編集氏やディレクター氏が、報道記事を作成しやすかったのです。

そんな彼らに背中を押されて、全国各地にいる善意の匿名氏が行動した、と、思います。

> この日記を読んでたら、「プロレス・スーパースター列伝」を久々に読みたくなりました。
むしろ、梶原一騎再評価のきっかけになるかもしれませんね、今回の"事件"は。

2011.01.15.00.00. |from たいとしはる feat. =OyO=| URL


一見「美談」ですが、このニュースを垂れ流して国民の目を何かから逸らせようとしてるのではないかと・・・
そう思ってしまう私は毒されてるかもしれません。
大きな騒ぎ(ニュース)があった時に限って、妙な法案が通ったりしてるので。

この日記を読んでたら、「プロレス・スーパースター列伝」を久々に読みたくなりました。

2011.01.14.21.01. |from 丸義| URL [edit]

only can see the webmaster :

tackbacks for this entry

trackback url

https://tai4oyo.blog.fc2.com/tb.php/599-38f4c608

for fc2 blog users

trackback url for fc2 blog users is here