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2010.11.21.22.22

『エレクトリック・レディランド (ELECTRIC LADYLAND)』 by ジミ・ヘンドリックス (The Jimi Hendrix Experience) disc one

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先ずはアルバム・カヴァーの話から。

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現行のCDのアルバム・カヴァーは、ライヴ・プレイ中のジミ・ヘンドリックス (Jimi Hendrix) の表情をアップで捉えたもので、真っ黒い背景に、赤と黄の二色に浮かび上がる恍惚とした表情は、CDのファーマットでは素晴らしく映える。
多分、これはCG処理したものでもレタッチ (Photo Retouch) の効果でもなくて、実際のライヴ・シークエンスでのライティングによるものだと思う。
だがしかし、これはこれでかっこいいのだけれども、本作品がLPとして販売されていた時代を知るモノとしては、やっぱり、物足りなさを感じるものでもある。

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ぼくが洋楽を聴き始めてばかりの頃、ジミ・ヘンドリックス (Jimi Hendrix) のLPは、"米盤オリジナル・ジャケットを起用"と銘打って、ジミヘンドリクス・エクスペリエンス (The Jimi Hendrix Experience) のメンバー三人のショットが大きくフィーチャーされたものだった。
当時、発売されていたジミ・ヘンドリックス (Jimi Hendrix) 関連の他の作品はどれも、"英盤オリジナル・ジャケットを起用"としていたから、少し奇異に感じた。

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なんでも、ジミ・ヘンドリックス (Jimi Hendrix) 自身が英盤ヴァージョンを嫌っていて、米盤ヴァージョンがオリジナルだというのが、その趣旨らしい。
と、同時に別のところでは、英盤ヴァージョンはセンサーシップの関係で、米盤では起用出来なかったのが、その理由だという説明もあった。
事の真意はともかくとして、最初に発売された日本盤は、英米どちらでもなくて、ジミ・ヘンドリックス (Jimi Hendrix) のバスト・アップがフィーチャーされたものだったと聴く。残念ながら、ぼくはこの現物を観た事はない。
序でに書いておくと、米盤は発売当時、本来ならばLP二枚組のこの作品を一枚ずつに切り離したものも販売されたそうなのだが、そちらのヴァージョンのデザインも未見なのである。

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結局のところ、ぼく自身はと言えば、日本盤LPで英盤ヴァージョンを起用したものと現行CDを所有している。前者は、ジミ・ヘンドリックス (Jimi Hendrix) の関連作品が廉価版LPで再発された際に、購入したと記憶している。恐らく再発を機に、総ての作品のジャケットを英盤ヴァージョンに統一したのだろう。

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だから、ぼくにとっては、19名の女性がオール・ヌードで居並ぶ英盤ヴァージョンが最も馴染みがある [だから、上掲のイラストもそれに倣った]。
っていうか、妙に生々しいのだ。この暗闇に浮かび上がる19名の女性のはだかは。現在の美意識に従って観たら、美しくも素晴らしくもないし、だからと言って作品発表当時の美の最先端に位置しているかというと決してそうでもないだろう。なんかその辺に自生している雑草を引っこ抜いて来て、ぼろっと並べてみた、そんな感じがする [と、書くとこの女性達にはとっても失礼なのか...]。
まぁ、ザ・タイマーズ (The Timers)) の『不死身のタイマーズ』も、このヴァージョンのパロディだし [ヘルメットにサングラスの覆面姿の女性が、もしそのマスクを外したら、忌野清志郎似のZerryが現れるんぢゃあないかという妄想を抱かせるという点では、そのパロディはアル・クーパー (Al Kooper) の『倒錯の世界 (Act Like Nothing's Wrong)』にも及ぶのではないかという気もする]。

ところで、アルバム・カヴァーの話から書き始めた流れでいくと、収録曲順に関しても言及しなければならない。
ぼくの持っているLPと現行CDでは、収録曲順が違う。これは、調べてみると、オリジナルのLPが発売された当時の英盤と米盤の時からおこっている事の様だ。
単純に言うと、英盤のA面B面C面D面という順番が、米盤ではA面C面D面B面という順番に置き換わっている。
何故、そうなったかというと、憶測の域を出ないのだけれども、米では先程指摘した様に、本来の二枚組を一枚づつの単体LPとしても発売したからではないだろうか。

この作品には、二部作とも言える楽曲が複数存在する。
ヴードゥー・チャイル (Voodoo Chile)』と『ヴードゥー・チャイル [2] (Voodoo Chile [slight return])』。『静かな雨、静かな夢 (Still Raining, Still Dreaming)』と『雨の日に夢去りぬ (Rainy day, Dream away)』。
この四曲がLPで言う各面に分散されて配置された結果、本作品は有機的な [と同時に非常に危うい] 構成を得て、作品としてのトータリティを得ている。
コンセプト・アルバムと言う程の構築性や堅牢性はないのだけれども、それぞれの結びつきを意識して聴けば、収録曲順が変わると、作品全体の印象がガラリと変わる。

個人的な印象論で言えば、英盤では総花的にジミ・ヘンドリックス (Jimi Hendrix) の音楽性の豊かさを呈示した後に、どんどん、その深層部に降りて行く様な気がする。敢て言えば、彼の音楽を解剖し、肉体の表面から透けて観える骨格や筋肉や内蔵を次から次へと取り出して行く様な。
一方の米盤ではその様な印象はない。ジミ・ヘンドリックス (Jimi Hendrix) を案内者とする音楽の地獄巡りの様な印象を持つ。深い深い世界へと連れて行ってくれるのだけれども、最期には、アルバムを聴き始めた場所へと連れ帰ってくれる印象があるのだ。
この差異はうまく説明出来ないのだけれども、それぞれの最終曲を比べてみてもらえば、少しでも理解してくれるかもしれない。
非常にヘヴィーでダウナーな『月夜の潮路 (Moon, turn the tides...gently, gently away)』で幕切れとなるのと、軽やかなポップ・チューンの体裁を借りた『ヴードゥー・チャイル [2] (Voodoo Chile [slight return])』でフィナーレを迎える、その差異だ。

以下、次回disc twoへと続く。

ものづくし(click in the world!)98. :
『エレクトリック・レディランド (ELECTRIC LADYLAND)』
by ジミ・ヘンドリックス (The Jimi Hendrix Experience)


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エレクトリック・レディランド (Electric Ladyland)』 by ジミ・ヘンドリックス (The Jimi Hendrix Experience)

Side A: 20' 50" (1~4)
1. 愛の神々
 And the Gods made love (J. Hendrix)
2. エレクトリック・レディランド
 Have you ever been to Electric Ladyland (J. Hendrix)
3. クロス・タウン・トラフィック
 Cross town traffic (J. Hendrix)
4. ヴードゥー・チャイル
 Voodoo Chile (J. Hendrix)

Side B:
1. 静かな雨、静かな夢 4' 23"
 Still Raining, Still Dreaming (J. Hendrix)
2. 焼け落ちた家 4' 32"
 House burning down (J. Hendrix)
3. ウォッチ・タワー 3' 58"
 All along the Watchtower (B. Dylan)
4. ヴードゥー・チャイル(2) 5' 10"
 Voodoo Chile (slight return) (J. Hendrix)

Side C:
1. リトル・ミス・ストレンジ 2' 48"
 Little Miss Strange (N. Redding)
2. 長く暑い夏の夜 3' 25"
 Long Hot Summer Night (J. Hendrix)
3. カム・オン 4' 07"
 Come on (E. King)
4. ジプシー・アイズ 3' 42
 Gypsy eyes (J. Hendrix)
5. 真夜中のランプ 3' 38"
 The Burning of the Midnight Lamp (J. Hendrix)

Side D: 18' 20" (1~3)
1. 雨の日に夢去りぬ
 Rainy day, Dream away (J. Hendrix)
2. 1983
 1983 (J. Hendrix)
3. 月夜の潮路
 Moon, turn the tides...gently, gently away (J. Hendrix)

Produced and directed by Jimi Hendrix
Photographs by David Montgomery.
Photographs of Mitch Mitchell and Noel Redding : Donald Silverstein
Cover by David King

以上が、ぼくが所有している日本盤LPでのクレジットである。ジョージ吾妻 (George Azuma) による解説が掲載されている。

以下、その後に入手した日本盤CDに掲載されているクレジットを補足しておく。解説は北井康仁が執筆している。
また、CDの収録順は"変更"されていて、CD盤ではA面C面D面B面の順で収録されている。

HELP FROM OUR FRIENDS AND PASSENGERS INCLUDES:

on Rainy day and Still Raining
Organ ... Mike Finnigan
Horn ... Freddie Smith
Congas ... Larry Faucette
Drums ... Buddy Miles

on 1983
Flute ... Chris Wood

on Voodoo Chile
Organ .... Stevie Winwood
Bass ... Jack Casady

on Long Hot Summer Night
Piano ... Al Kooper

We dedicate this album to acoustic and electric woman and man alike, and to the girl at or from or with the button store, and Arizona, and Bil of some English town in England, and well, EVERYBODY.

PRODUCED AND DIRECTED BY JIMI HENDRIX

All compositions written and arranged by Jimi Hendrix, with the exceptions of Little Miss Strange, by Noel Redding. All along the Watchtower, by Bob Dylan (arranged by Jimi Hendrix), and Come On (Part 1), by Earl King / All compositions published by Bella Godiva Music with the exceptions of Little Miss Strange, Joint Music; Burning of the Midnight Lamp, Yameta Co., Ltd; and All along the Watchtower, Dwarf Music / Recorded at The Record Plant. NewYork / Engineers; Gary Kellgren and Eddie Kramer / Back cover photo; Karl Ferris / Black-and white photos; Linda Eastman / Art Direction; Ed Thrasher / Liner Photography in part by David Sygall

LETTER TO THE ROOM FULL OF MIRRORS by JIMI HENDRIX
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