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2007.09.16.14.26

セプテンバー・ソング(September Song)

残暑真只中の8月末にも関わらず、既にここで「秋がくる」と宣言してはみたものの、今週末の連休も相変わらず暑い暑い。それでも、青空を振仰いでみれば、幾層にも積み上げられた入道雲は姿を消して、夥しい数の鰯雲が群れ成して泳いでいます。ヒートアイランドとか地球温暖化とか積み上げられた気象の問題なんかなんのその、既に季節は秋でございます。


と、言う訳で秋を感じさせる名曲「セプテンバー・ソングSeptember Song)」をお聴き下さい。数あるカヴァー・ヴァージョンの中から、多分、僕自身が意識的にこの楽曲に立ち向かった最初のヴァージョン(それまではラヂオやテレヴィで流れているのをそのまんま受け流していた筈なんで)の、イアン・マカロックIan McCulloch)によるカヴァーです。


セプテンバー・ソングSeptember Song)」は作詞:マックスウェル・アンダーソンMaxwell Anderson)、作曲:クルト・ワイルKurt Weill)によるもので、本来はミュージカル『ニッカボッカ・ホリディ(Knickerbocker Holiday)』の挿入歌として創造された曲。映画『旅愁September Affair)』のテーマソングとしてもフィーチャーされました。映画での曲が流れるシーンはもちろん、そのミュージカルの初演映像なんかは発見出来なかったので、ここはこの曲をスタンダード化させた張本人、フランク・シナトラFrank Sinatra)によるヴァージョンをお聴き下さい。
ここで、先のイアン・マカロックIan McCulloch)・ヴァージョンを再聴してみれば、その世界観やアレンジ手法が、フランク・シナトラFrank Sinatra)・ヴァージョンに怖ろしい程、摺りよっている事が解ります。ダメじゃん、と頭ごなしに"ビッグ"マック[つまりは大口マック=へらず口のマック、ブレヒトワイルBertolt Brecht = Kurt Weill)の『三文オペラ(The Threepenny Opera)』に出てくるのは、匕首マック(Mack The Knife)]ことイアン・マカロックIan McCulloch)を叱りつけたい欲求にかられますが、元々は当時の所属バンド、エコー&ザ・バニーメンEcho And The Bunnymen)を離れての余技としてのソロ・シングルだから、まぁ、ここでは、多めにみておいてやりましょう。

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それよりも、"ビッグ"マックことイアン・マカロックIan McCulloch)のシングルとほぼ同時期発表された、 ハル・ウィルナーHal Willner)によるクルト・ワイルKurt Weill)・カヴァー企画盤『Lost in the Stars: The Music of Kurt Weill』での、ルー・リードLou Reed)・ヴァージョンに、僕達は打ちのめされたものです。彼特有のスポークン・ワードSpoken Word)な唄法で、あの特異な情感に陥らせるメロディーをなし崩し的に排除して、軽快なロックンロールとして甦らせました。暗くネガティヴな情景を軽やかに描くその手法は、彼の「 ワイルド・サイドを歩け(Walk On The Wild Side)」を彷佛とさせます。


ルー・リードLou Reed)の『Lost in the Stars: The Music of Kurt Weill』ヴァージョンは残念ながらお聴かせ出来ませんが、その後に制作された『Lost in the Stars: The Music of Kurt Weill』の映像版『9月のクルト・ヴァイル(September Songs : The Music of Kurt Weill)』でも、ルー・リードLou Reed)は再度、この楽曲を取り上げています。アルバム・ヴァージョンよりは若干、楽曲本来のオリジナルな情感に重きを移した様ですが、それでも、彼独特の世界観は揺るぎありません(個人的にはアルバム・ヴァージョンの方が好きです)。


と、いうのは、「セプテンバー・ソングSeptember Song)」といいながらも歌詞は、9月から始って10月11月と、この一年の残り少ない月日を人生の終演(終焉)部に準えて、恋人への愛惜を切々と(悶々と?)歌い上げるメランコリー(Melancholia)な楽曲。歌詞を読み、このメロディーにその身を浸してしまえば、凄まじくその磁場は大きいのではないでしょうか? ある意味、独自の解釈、独自のアレンジ、独自の歌唱を拒む曲なのかもしれません。
と、言うのは、ここで、かのジョン・レノン(John Lennon)のデモ・トラックを聴いたからです。歌詞は恐らく仮詞でメロディーを紡ぎ出している内に、ひょいと「セプテンバー・ソングSeptember Song)」のメロディーが顔を覗かせてしまう。創っている本人は苦笑ものだけれども、ここでこういうふうに聴いている我々としては、「セプテンバー・ソングSeptember Song)」のメロディの力強さを再認識させられます。


そういう意味では、スイス出身のインダストリアル・ロック(Industrial Rock)・バンド、ザ・ヤング・ゴッズ(The Young Gods)によるこのアプローチは評価すべきものかもしれません。メロディに拮抗するかの様に挿入される幾つかのノイズ的なサウンド・アプローチもそうですが、ここで聴ける唄法は、叙情性を極力排除した、ヒロイックな力強さや雄々しさを感じられます。このヴァージョンを発表した翌年、バンド本来のアプローチで制作された「Skin Flowers」と対比して、このヴァージョンを聴いてみると興味深いと思います。彼らはこの曲を含めクルト・ワイルKurt Weill)のカヴァーアルバム『Play Kurt Weill』を1991年に発表しています。


では、最後にコールマン・ホーキンスColeman Hawkins)の1964年の演奏をお聴き下さい。あのメロディ・ラインは殆ど、顔を覗かせすらしないアレンジですが、実はこのアプローチがいちばん気に入っていたりします。コールマン・ホーキンスColeman Hawkins)がアップになると映り込んでくるベーシスト、ジミー・ウッディ(Jimmy Woode)の表情がたまりません。
画面には顔を覗かせなていないんですが、ドラムスを担当している、ジョー・ジョーンズPapa Jo Jones)って凄くかっこいいドラマーなんですよぉ~という話は、あらためて別の場所でしましょう。
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