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2010.06.20.20.25

"BASS ON TOP" by PAUL CHAMBERS

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マイルス・デイヴィス (Miles Davis)・クインテットと呼ばれるユニットはふたつあって、ジョン・コルトレーン (John Coltrane : ts)、レッド・ガーランド (Red Garland : p)、ポール・チェンバース (Paul Chambers : b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ (Philly Joe Jones : dr) による第一期 [1955年~1960年] と、ウェイン・ショーター (Wayne Shorter : ts)、ハービー・ハンコック (Herbie Hancock : p)、ロン・カーター (Ron Carter : b)、トニー・ウィリアムス (Tony Williams : dr) による第二期 [1964年~1968年] である。
余談だけれども、後にV.S.O.P. : Very Special Onetime Performanceとして再結集する後者のサウンドの要はウェイン・ショーター (Wayne Shorter : ts) でもハービー・ハンコック (Herbie Hancock : p) でもなくてトニー・ウィリアムス (Tony Williams : dr) だと思っている。
その理由は今回は書かないけれども、それと同じ様な理由で、前者の要はポール・チェンバース (Paul Chambers : b) だと思っているのだ、実は。
ちなみに第二期のベーシストであるロン・カーター (Ron Carter : b) に関しては、こちらで述べられている論調を肯定したくなるのだが、果たして...。


彼を支持する理由は単純に、『ザ・サウンド・オブ・マイルス・デイヴィス (The Sound Of Miles Davis)』 [この作品に関しては既にこちらで紹介してある] という映像作品を観た結果からスタートした印象論にすぎないのかもしれないけれども、マイルス・デイヴィス (Miles Davis)・クインテット以外の彼、ポール・チェンバース (Paul Chambers : b) の参加作品を聴き続けるに従って、それはよりぼくの中では強固なものとなったのも事実である。

彼が活躍した当時は、ハード・バップ (Hard Bop) 全盛期で、その名作の殆どに参加している。と、いうと大袈裟だから言い直すと、名作の殆どには彼、もしくは彼の従兄弟のダグ・ワトキンス (Doug Watkins : b) が参加している [って、あまり言い換えした意味がない?]。
逆に言えば、ハード・バップ (Hard Bop) な作品を聴きたくなったのならば、参加ミュージシャンにダグ・ワトキンス (Doug Watkins : b) かポール・チェンバース (Paul Chambers : b) のクレジットがあるものを捜せばよい。そうすれば、まず間違いはないだろう。

ちなみに、ダグ・ワトキンス (Doug Watkins : b) は、オリジナル・ジャズ・メッセンジャーズ (Original Jazz Messengers) の参加から始って、そのオリジナル・ジャズ・メッセンジャーズ (Original Jazz Messengers) のごたごたから袂を分ったホレス・シルヴァー (Horace Silver : p) と行動を共にする。しかし、残念ながら1962年に自動車事故で亡くなってしまった。享年28歳。この不慮の事故がなければ、もう少し多くの名作に参加出来たと思えば、悔やまれて仕方がない。

話を今回の主役に戻す。

そんな売れっ子セッション・ミュージシャンだから、そのご褒美かどうか知らないけれども、ベーシストという地味なポジションにも関わらず、彼はいくつかのリーダー作を発表している。作品によっては、お気楽なセッション・アルバムの域を出ていないものもあるのだけれども [この辺がご褒美という語弊のある形容句が登場する所以なのだ]、そんなお気楽セッションでも、彼の豊富な人脈から有数の名プレイヤーが参加しているから、簡単に無視する訳にもいかない。

そおゆう意味では、今回採り上げる『ベース・オン・トップ (Bass on Top)』 [1957ブルーノート (Blue Note Records)] は、別格なのだ。ホーンを廃した4リズム [ケニー・バレル (Kenny Burrell : g)、ハンク・ジョーンズ (Hank Jones :piano)、アート・テイラー (Art Taylor :dr) そしてポール・チェンバース (Paul Chambers : b)] で制作されたそれは、ポール・チェンバース (Paul Chambers : b) にとっての代表作という以上に、ハード・バップ (Hard Bop) の代表作としても、評価が高い。
個人的には、ハード・バップ (Hard Bop) の枠を乗り越えている様な気もするし、彼にとっての様式としてのハード・バップ (Hard Bop) の代表作は『ゴー (Go)』 [1959ヴィージェイ (Vee-Jay Records)] ぢゃあないかと思うのだけれども。
その高い評価の理由は、いろいろとあるのだけれども、第一に、彼の作品群の中でも、最もきっちりとプロデュースされた作品である、この点に尽きるのではないか。
メロディー担当の楽器の不在によって、自ずと緊張感も産まれるし、本来ボトムを支えるべきベースの音にも注目がいく。
そして、好き嫌いの分れる彼のアルコ・プレイ (Arco Play) も、きっちりと鳴るべき場所で鳴っている。
と、言うのも、作品によってはプロダクションのせいか、"鋸弾き"にしか聴こえない場合もあるのだから。『イエスタデイズ (Yesterdays)』冒頭で聴く事の出来る、彼のアルコ・プレイ (Arco Play) は、ぐぅんと聴くモノの耳を捕らえるだろうし、ここで彼の音に乗っかる事が出来れば、本作を楽しめるだろう。

さて、本稿冒頭で第一期 [1955年~1960年] マイルス・デイヴィス (Miles Davis)・クインテットの要がポール・チェンバース (Paul Chambers : b) であると書いたけれども、その後をちょっと追ってみよう。
マイルス・デイヴィス (Miles Davis)・クインテットを1960年に脱退したジョン・コルトレーン (John Coltrane : ts) の諸作にも参加する一方で、残ったマイルス・デイヴィス (Miles Davis)・クインテットのメンバーも随時脱退して行く中で、最期まで遺ったのがポール・チェンバース (Paul Chambers : b) だった。
おぉ凄い!! おぉやっぱり!! と想う一方で、ある時から鎖が断ち切れたかの様に、ジョン・コルトレーン (John Coltrane : ts) 作品にもマイルス・デイヴィス (Miles Davis) 作品にも、その名を見出せなくなってしまう。
ジョン・コルトレーン (John Coltrane : ts) にとってはジミー・ギャリソン (Jimmy Garrison : b) が、マイルス・デイヴィス (Miles Davis) にはロン・カーター (Ron Carter : b) が取って代わった。
多くの識者は、両者それぞれに新しい音楽の地平に立ったからとする。
フリー (Free Jazz) とモード (Mode Jazz) だ。

音楽理論とかに不案内なぼくから観れば、ハード・バップ (Hard Bop) が楷書 (Regular Script) ならば、フリー (Free Jazz) は草書 (Cursive Script) でモード (Mode Jazz) は行書 (Semi-cursive Script) の様にも思えるのだが、草書 (Cursive Script) や行書 (Semi-cursive Script) と楷書 (Regular Script) の間には凄まじい断絶があるのかもしれない。

いずれにしろ、ポール・チェンバース (Paul Chambers : b) は1969年に肺結核 (Tuberculosis) で亡くなっているのだが。
享年34歳

ものづくし(click in the world!)93. :
"BASS ON TOP" by PAUL CHAMBERS


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"BASS ON TOP" by PAUL CHAMBERS

KENNY BURRELL, guitar;
HANK JONES, piano;
PAUL CHAMBERS, bass;
ART TAYLOR, drums.

1 YESTERDAYS (Kern - Harbach) 5:50
2 YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO (Cole Porter) 7:15
3 CHASIN' THE BIRD (Charlie Parker) 5:45
4 DEAR OLD STOCKHOLM (Traditional) 6:40
5 THE THEME (Miles Davis) 6:10
6 CONFESSIN' (Daugherty - Reynolds - Neiburg) 4:15
7 CHAMBER MATES (Chambers - Burrell) 5:00

Produced by ALFRED LION
Cover Design by HAROLD FEINSTEIN
Photo by FRANCIS WOLFF
Recording by RUDY VAN GELDER
Recorded on July 14, 1957
Digital Transfer by RON McMASTER
TOTAL TIME : 40:15

Original Liner Notes by ROBIN LEVIN
Liner Notes When Digital Transfered by MICHAEL CUSCUNA

The classic Blue Note albums which span the mid 1950's to late 1960's were recorded directly on to two track analog tape. No multitrack recording was used and consequently no mixing was required. Therefore, this CD was made by transferring the one step analog master to digital.

BLUE NOTE is a registered trademark of Capital Records, Inc.
(C) (P) 1987 Manhattan Records, a division of Capital Records, Inc.
manufactured for Manhattan Records by Capital Records, Inc.
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yes, that's right.
> Original Liner Notes by ROBIN LEVIN

2010.11.02.15.15. |from たいとしはる feat. =OyO=| URL

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Original Liner Notes by ROBIN LEVIN

2010.11.02.15.08. |from pandora beads| URL

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