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2010.05.18.20.40

げてぃすばーぐえんぜつ

ゲティスバーグ演説 (The Gettysburg Address) というのは、かの有名な「人民の人民による人民のための政治 (Government Of The People, By The People, For The People)」という一節が、第16代アメリカ合衆国大統領 (The 16th President Of The United States) エイブラハム・リンカーン (Abraham Lincoln) の口から放たれたものを指す。

どのくらい有名かというと、ぼく自身の体験で言えば、今から数十年前、小学校の高学年には、まぁ、誰でも知っていた。しかも、知っていたのみならず、学級委員児童会役員の選挙の際には、候補者のひとりかふたりかの口からは、必ず発せられたのだ。
「クラスのクラスによるクラスのための~」とか「生徒の生徒による生徒のための~」とか。

そして、「女子の女子による女子のための掃除」と叫んで、箒や雑巾を投げ捨てて、敵前逃亡 (Desertion) を図るのだ。エイブラハム・リンカーン (Abraham Lincoln) の発言の真意とは遥かに遠い、この言説は、その直後に、担任からの大目玉という形をとって、クラスの女子に報復される。
「せんせぇ~、また男子、お掃除しないんですよぉ~」

序でに書いておくと。
学級委員四年生以上の各クラスに設けられ、定員は一クラスに男子二名女子二名選出。任期は学期毎、約三ヶ月間。
児童会役員は、正副書記の三名で、任期は半年。六年生の各クラスから候補者が選ばれて、その中から選挙権のある四年生六年生によって投票されて多数票を得た者がその職に就く。
確かこんな感じ。学級委員に関しては誤りはないと思うけれども、児童会役員に関しては、よく覚えていない。選挙の数が少ない上に、例えば四年生のぼくにとっては、六年生のお兄さんやお姉さんがどんな人物なのか全然知らないから、当然に選挙に無関心な無党派 (Independent Voter) になってしまう。
しかも、ぼく達は、積極的にそおゆう役職に就こうというものは皆無に等しく、学級委員児童会役員候補者になりたいという意思があれば、誰でもなれたし、それに実際は、殆どのモノが興味がないか、積極的にやりたくないモノ達だった。
だから、結局は、学級委員児童会役員候補者は他薦で選ばれて、成績がよいこやスポーツの得意なこやクラスで人気なお調子者が、イヤイヤながらも仕方なく職に就くのであった。
少なくとも、丸尾君の様な、常日頃から、役職に野心的な級友には遭遇した事はなかった。

そしてその様なこ達の口から発せられるのが先のゲティスバーグ演説 (The Gettysburg Address) のパロディなのである。

さてそれにはもうひとつふたつの理由があるのだが、その前に。
ここで歴史を振り返ってみる事とする。

images
ゲティスバーグ演説 (The Gettysburg Address) がなされたのは、186311月19日ペンシルベニア州 (Commonwealth Of Pennsylvania) ゲティスバーグ (Gettysburg) において。ここは約半年前に、南北戦争 (The Civil War) の激戦地 [ゲティスバーグの戦い (Battle Of Gettysburg)] となった場所である。演説がなされたのは、その戦死者を哀悼するゲティスバーグ国立戦没者墓地 (Gettysburg National Cemetery) の奉献式においてなのである。
しかも南北戦争 (The Civil War)、あえて言い換えれば、南部=アメリカ連合国 (CSA : Confederate States Of America) の独立戦争は、未だ継続中なのである。
だから、エイブラハム・リンカーン (Abraham Lincoln) はアメリカ国民 (American Citizen) という語句を使えずに、より抽象的な表現である人民 (People) と言わねばならなかった

では、振り返り終わったところで、話題をぼく達の方に振り向ける事にする。
先ずは、この演説の主たるエイブラハム・リンカーン (Abraham Lincoln) が、立志伝中の人物である、という事だ。
彼の伝記は、何年生かは忘れたけれども、学年誌で連載されていた筈だから、彼の人生は誰でも知っている。ぼく達が野口英世 (HIdeyo Noguchi) やヘレン・ケラー (Helen Keller) を知っている様に。
彼は、丸太小屋 (The Log Cabin) で産まれて、苦学の末に、政治家となり、後には米国大統領 (President Of The United States) となって、奴隷制 (Slavery) を撤廃したのだ。つまり、ヒトはそれをこう呼ぶのだ。彼こそアメリカン・ドリーム (American Dream) だ、と。

そしてもうひとつ。
なんのCMだったかは想い出せない。想い出せないけれども、そのCMではエイブラハム・リンカーン (Abraham Lincoln) のこの演説を聴く事が出来た。本人のモノだと言う。しかし、1863年当時は音声を記録し保存するレコーディング機材という代物は存在しない時代だ [世界初のレコード (Phonograph) は1877年のトーマス・エジソン (Thomas Edison) を待たなければならない] 。
にも関わらずに、それを聴く事が出来るという。その音声は、科学的に解析して合成されたエイブラハム・リンカーン (Abraham Lincoln) の声だというのだ。
それを素直に受け止められたのは、当時、夢中で読んでいたジュブナイルの、科学的捜査の入門書のおかげだ。そこには復顔法 (Sculptural Reconstruction) からモンタージュ写真 (Photomontage) から声紋分析 (Sound Spectrogram) から、ありとあらゆる技術を駆使して、みえない犯人像を炙り出す、その方法が述べられていたのだ。
ぢゃあ、ホンモノの頭蓋骨が遺っていれば問題ないし、米国大統領 (President Of The United States) の彼だから肖像写真は大量に遺されている。それらを許にリアルなエイブラハム・リンカーン (Abraham Lincoln) の復顔法 (Sculptural Reconstruction) 模型をものすれば、後は、膨大な声紋分析 (Sound Spectrogram) のデータを精査して、その声を合成出来るのだろう。
と、安易な推理をしてみたりする。

これらが、ぼく達にとってのエイブラハム・リンカーン (Abraham Lincoln) なのである。決してこのリンカーン (USS Abraham Lincoln, CVN-72) でもこのリンカーン (Variety Show Lincoln) でもない。

と、往時を懐かしんでいたら、ふと、気になる事を発見した。
こんなに親しんでいるエイブラハム・リンカーン (Abraham Lincoln) なのにも関わらずに、彼をフィーチャーした創作物、特に映画を観た記憶がない。
リンカーン記念館 (Lincoln Memorial) にある、大きな彫像は、エイブラハム・リンカーン (Abraham Lincoln) という人物の肖像に留まらず、もっとおおきな、例えばアメリカ合衆国 (United States Of America)、さらにもっともっとおおきなものを、顕わすものとして引用されている [ネタバレになるから書かないけど、ティム・バートン (Tim Burton) 監督は『猿の惑星 / Planet Of The Apes』でそれを最も悪意ある描き方をしていたね]。
にも関わらずに、彼の映画は観た事はない。
ないのではない。あるにはある。
と、いうかIMDBで検索すれば、これまで彼を演じて来た俳優の一覧とともに、かなりの数のエイブラハム・リンカーン (Abraham Lincoln) がリスト・アップされてくる [こちらをクリックしてみて下さい]。
中には、その作品の時代背景を語る為にすぎない登場の仕方もあるだろうし、また彼の悲劇的な死の瞬間 (Lincoln Assassination) をメインに据えたものもあるのだろう。
1939年には、ヘンリー・フォンダ (Henry Fonda) がタイトル・ロールを演じた『若き日のリンカーン (Young Mr. Lincoln)』 [ジョン・フォード (John Ford) 監督作品] というものもある。

だが、ぼく達は、おそらくそれらを観ていない。

ぼく達に馴染みのあるものと言えば、エイブラハム・リンカーン (Abraham Lincoln) に起因する [と、断言するのはあまりに大雑把だけれども] 南北戦争 (The Civil War) とそれに翻弄されるヒトビトの姿を描いたものばかりだ。
北軍 (Union) 側にはマーチ家の四姉妹 (The March Sisters) を描いた『若草物語 (Little Women)』 [マーヴィン・ルロイ (Mervyn LeRoy) 監督作品] があり、南軍 (CSA : Confederate States Of America) 側にはスカーレット・オハラ (Scarlett O'Hara) を中心にした四人の男女の物語『風と共に去りぬ (Gone With The Wind)』 [ビクター・フレミング (Victor Fleming) 監督作品] がある。

ふと、かつてのポーラ テレビ小説連続テレビ小説で描かれて来た、歴史の波に翻弄されつつも、その時代時代を逞しく乗り越えて来た女性達を想い出してしまう。
もしかしたら、そんな日本の女性達が生き抜いて来た明治~大正~昭和の時代に相当するのが、国民がふたつの勢力に二分されて争った、南北戦争 (The Civil War) なのかもしれない。

では、南北戦争 (The Civil War) はおんなのドラマなのか、と問えば、次の様に答える。
勿論、戦争に行く手を阻まれてばかりいる三人のアウトローを描いた『続・夕陽のガンマン (The Good The Bad And The Ugly)』 [セルジオ・レオーネ (Sergio Leone) 監督作品] があるではないか、と。

ちなみに、スティーヴン・スピルバーグ (Steven Spielberg) 監督が、映像化を狙っているのが、エイブラハム・リンカーン (Abraham Lincoln) の生涯。何度もその俎上にあがりながらも頓挫しているという。
来年こそ公開かという声もあがっているが、果たして?

次回は「」。
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