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2010.05.09.13.18

これもまた悪い夢の続き 24.


Trailer for the movie "How To Steal A Million " directed by William Wyler

こんな夢を観た。

ひょんな事から、あるオフィスに忍び込む事になった。
盗みを働こうというのではない。もちろん、産業スパイといった気取ったものでもない。
単純にぼく達は、そのオフィスが関わっている業務に興味を持っただけに過ぎないのだ。

今、ぼく達と言った。そう、ぼく達。つまり、ぼくと彼女。
その彼女が、コトの発起人だったのだ。

いつもはそのオフィスはひっきりなしにヒトが出入りしている。内部のスタッフは勿論のこと、外部からの取引先やら業務提携者やら企画の持ち込みやらで。
深夜勤務は勿論の事。泊まり込みの作業を行うモノもざらなのだ。
そんなところに、ぼく達の様な不審者が潜り込める訳ではない。

しかし、その日だけは、完全にそのオフィスの扉が閉まる。なんでも、開業祝いで、どこぞの会場を借り切って、パーティを開くと言う。そこにはオフィス内部のスタッフばかりではない、お得意様やら関係取引先やらも招待されるだろう。

と、いう訳で、ぼく達ふたりは、この広いスペースに二人っきり。

どこで彼女が手に入れたのかしれないけれども、IDカードが二人分。どうやら、臨時のアルバイトに支給されるものの様だ。
夜が始る前の危うい時間、ぼく達はオフィスが入居しているビルの、正面玄関から堂々と入っていく。しばらくすると、その正面入口も閉鎖されるだろう。

もう、大丈夫。そろそろビルの守衛達が、最初の巡回に廻り始める頃合いだ。その頃には、どこかのホテルあたりで開かれているパーティもたけなわだ。

IDカードをかざして解錠し、オフィスに忍び込む。灯りは、点した方がいだろう。その方がかえって怪しまれない。入口まじかにおかれた、ソファの上に無造作に、荷物と上着を投げかけて、さぁ、侵入開始だ。

白手袋二組を取り出して、そのひとつを彼女に渡したら、笑われた。
何故、笑う。念の為、指紋は残さない方が得策だろう。

ソファのおかれた空間の向かいには、ちいさなテーブルがひとつ。「受付」と書かれたパネルと電話がおかれ、その横には内線表がある。

そこを一瞥して、まっしろい廊下を歩いていくと、右側には、会議室と貼り出された扉が並ぶ。いち、にぃ、さん、しぃ。扉と扉の間隔がまちまちなのは、その広さが違うだろう。

よっつめの扉を通り過ぎると廊下は左へと開かれている。
さぁ、ここからが本番だ。

眼の前に、平然と並べられたデスクが広がる。ひとつのシマは、10のデスクで構成されていて、そのシマがさらに5つ。
部屋全体は淡いクリーム色で統一されていて、シマの向こう側にある書棚も総て同じ色だ。

ぼく達は、ちょっと混乱していたと思う。このオフィスの多岐に渡る業務内容から、もっと雑然としてものをイメージしていた。
サンプルやら進行途中の書類やらが、あたり一面を覆っている様な。それとも、個々のデスクが間仕切られていて、ひとりひとりのスタッフの、小宇宙が形成されている様な、そんな空間を想像していたのだ。

しかし、実際のそのオフィスは、完全に統一されていた。敢て言えば、デスクの上には、一切の過剰なものがない。
入居したばかりのオフィスですらもあり得ない程の、ミニマルな空間が広がっていたのだ。

と、呆然としていると、後ろから物音がする。
ハっと想う間もなく、その音の主に発見されてしまう。
「いやぁ、申し訳ない。ちょっとオしちゃったんだ」
「よく入れたね。守衛さんにとっちめられなかった?」

上気した顔をした男女数名が、矢継ぎ早にぼく達に、答えようのない質問を投げかける。

彼らはどうやらパーティを早や抜けしてきたスタッフ達の様で、ぼく達を新参者のアルバイトかなんかと勘違いしているらしい。

それから数時間後、パーティのオミヤゲと称したナニかを握らされて、ぼく達は駅へと向かう。彼らの深夜業務を手伝わされて、躯は程よい疲労感に包まれている。
女性達が数人、タクシーに駆け込むのが観える。
ふと、頭をあげると、ライトアップされて東京タワーが輝いていた。

もしかしたら、彼女に騙されていたのかもしれない。はなっから、ぼく達ふたり、臨時のアルバイトとして手配されていたのでないか、と。


The Last Sequence from the movie "Ladri di biciclette" directed by Vittorio De Sica
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