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2010.04.27.18.02

むじんとうれこーど

無人島レコード
英語で書き表せば『Desert Island Discs』。
もしも、あなたが絶海の孤島にたった独りで暮すとしたら、あなたはどのレコードをその無人島 (Desert Island) に持参しますか?

Desert Island Discs』とは、英国放送協会 (The British Broadcasting Corporation, BBC) のBBC ラジオ 4 (BBC Radio 4) で放送されていて、番組放送開始の時期は1942年まで遡れるという由緒正しくも、超人気の長寿番組。
スタイルは一貫して、番組に招かれたゲストが、先に挙げた極限状況に持参するに相応しいレコードを8作品ピックアップし、それを紹介していく、というもの。

本邦ではこれに範を採り、無人島 (Desert Island) に持参するのに相応しい、たった一枚のレコードを挙げさせるという『無人島レコード』という書物がシリーズ化 [1巻2巻]して発売されている。

お気楽と言えば、お気楽。
芸がないと言えば、芸がない。

と、はいうものの、音楽ファンにとっては、楽しくて楽しくて仕様がない企画であるにも関わらずに、もし万一、己自身が番組に出演したり執筆を依頼されたりして、己自身の『無人島レコード (Desert Island Discs)』を語るとしたら、恐ろしくて恐ろしくて仕様がない企画でもある。

なぜかって?
いいかい。
音楽ファンにとって、音楽を語る、それ自体が、己自身を語る事だ。
そして、無人島にもってゆくレコードを語るというのは、極限状況にある己を語る事。すなわち、己のホントウの姿を語る事になってしまうのだ。

と、書くと、大袈裟に思えるかもしれないし、実際に大袈裟に書いている訳だけれども、単純に『無人島レコード (Desert Island Discs)』を字義どうりに解釈すれば、「それがなければ生きていけない」とも「それさえあれば生き延びられる」ともなるのだ。
番組に招かれるゲストや執筆者が、己の音楽遍歴や音楽感に誇りを持っていれば尚更の事。
さらに言えば、その彼らがなんらかの形で音楽を生業の糧にしていれば、なお"尚更"の事であろう。
なお"尚更"の人物達は、音楽家の場合もあるし、音楽評論家の場合もあるし、レーベル・オーナーの場合もあるし、レコード店主の場合もあるし、レコード・コレクター (Record Collectors) の場合も、あるだろう。

そして、この企画に触れるぼく達は、それ故に、彼らが採り上げる『無人島レコード (Desert Island Discs)』そのものよりも、何故、彼らがそのレコードをあえて、無人島に持っていこうとするのか、という理由に興味が沸くのだ [模範解答例 (?)として、モリッシー ( Morrissey) の語り口はここで聴けるし、山本精一 (Seiichi Yamamoto) の文章はここで読める]。

と、ここまで書いて来てふと思ったのだけれども、こんな風な「もしも、あなたが絶海の孤島にたった独りで暮すとしたら、あなたはどのレコードをその無人島 (Desert Island) に持参しますか?」という質問を、レコード=音楽ソフト以外のものに、差し替えが可能なのだろうか? そんな疑問も沸く。

書物や映像ソフトは、辛うじて可能なのかもしれない。
だからといって、一点ものの絵画や彫刻作品は成立するだろうか?
またその一方で、音楽ソフト以上に、コレクター (The Colledtor) 癖を刺激する、切手 (Stamp Collecting) やコイン (Coin Collecting) では成立するだろうか?
少なくとも、再生可能な複製芸術に限られる様な気がするのだけれども。

それと同時に、音楽が情報化やデータ化されて、流通している現在では、『無人島レコード (Desert Island Discs)』は、一昔前の音楽ソフトの形態を採っていないと、成立しないんぢゃあないだろうか?
そんな、哀しい疑問も沸いてしまうのである。

images
上記掲載画像は、the 原爆オナニーズ (The Genbaku Onanies) の『デザート・アイランド・ディスク (Desert Island Disc)』 [1991年発表]。

次回は「」。
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