FC2ブログ

2010.04.18.19.38

"Distinto, diferente" by JUAN DE MARCOS AFRO CUBAN ALL STARS

images
もうもうと感じる熱波と、倦怠感を促す湿度を感じさせるジャケットに魅入られて、ただそれだけで購入してしまったのがブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ・バンド (Buena Vista Social Club Band) のファースト・アルバム『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ (Buena Vista Social Club)』。
その際は、そのCDの中でどんな音楽が奏でられているのかも解らず、ライ・クーダー (Ry Cooder) によるプロジェクトである事も解らずに、購入してしまった。
1997年の事である。

そして、そこから促されるかの様に、本稿の主役であるアフロ・キューバン・オール・スターズ (Afro Cuban All Stars) にも出逢ったのだが、さて。

images
出逢いからすれば、本来ならば、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ・バンド (Buena Vista Social Club Band) の方から先に記事にすべきかもしれない。
でも、個人的な密やかな愉しみの様に出逢った作品が、あれよあれよと大ブームになって、本国キューバ (Republica de Cuba) を飛び越えて、全世界的な熱狂を伴ってしまった。1998年には、カーネギー・ホール (Carnegie Hall) での公演も成功させ、そのステージをクライマックスとしたドキュメンタリーも、ヴィム・ヴェンダース (Wim Wenders) の手によって、1999年に『ブエナ☆ビスタ☆ソシアル☆クラブ (Buena Vista Social Club)』として映画化されてしまった。

それは、悪い事ではない。何故ならば、その一連のムーヴメントの中に、音楽やそれを演奏するミュージシャンへの慈しみや労りや敬いが常に存在しているのだから。

images
でも、その熱狂に違和感を感じて、彼らのアルバムではなくて、同じ年に発表されたアフロ・キューバン・オール・スターズ (Afro Cuban All Stars) のファースト・アルバム『これがキューバ音楽だ! (A Toda Cuba Le Gusta)』を薦めるモノも、いたのも事実である。

だから、ぼくは『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ (Buena Vista Social Club)』よりも凄いの? へぇ?っていう乗りで彼らの『これがキューバ音楽だ! (A Toda Cuba Le Gusta)』を入手したのである。

先ずは、その二者の違いが解らなかった。それもその筈で、参加ミュージシャンの多くが双方に参加している。
外形的な違いで言えば、ライ・クーダー (Ry Cooder) の存在 / 不在でしかない。また、それ以外に大きな隔たりは見出せない。

ライ・クーダー (Ry Cooder) のファンから観れば、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ・バンド (Buena Vista Social Club Band) を聴くべきであるし、キューバ・ミュージック (Cuban Music) の熱心な聴き手からすれば、彼のプロデュース・ワークには疑義を感じるかも知れない。
でも、だからと言って、どちらかが革新でどちらかが保守であるという事でもないし、いずれかが媚び諂っていていずれかが頑に我を通しているという事でもない。

それぞれのバンドの成り立ちを、ちょっと整理してみる。

images
先に触れた映画『ブエナ☆ビスタ☆ソシアル☆クラブ (Buena Vista Social Club)』 [ヴィム・ヴェンダース (Wim Wenders) 監督作品] の中でも語られているエピソードを想い出してみよう。
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ・バンド (Buena Vista Social Club Band) というプロジェクトは当初、アフリカ音楽 (African Music) の演奏者とキューバ音楽 (Cuban Music) の演奏者のコラボレーションとしてスタートしたのである。その推進役がライ・クーダー (Ry Cooder) である。
しかし、アフリカ音楽 (African Music) の演奏者がキューバ (Republica de Cuba) 入りを阻まれてしまう。そこで、急遽、キューバ音楽 (Cuban Music) の演奏者主体の企画に練り直される。
そこから、今、聴く事が出来るブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ・バンド (Buena Vista Social Club Band) が始る。
その一方で、当初のコラボレーション企画の段階からキューバ音楽 (Cuban Music) の演奏者の供給源の役割を担っていたのが、アフロ・キューバン・オール・スターズ (Afro Cuban All Stars) のオーガナイザーであるホアン・デ・マルコ (Juan de Marcos) である。
彼は1980年代から当地の伝統音楽であるソン (Son cubano) の復興を目指し、シエラ・マエストロ (Sierra Maestra) を結成し、その発展型としてアフロ・キューバン・オール・スターズ (Afro Cuban All Stars) を指揮していた。そのバンドには、キューバ音楽 (Cuban Music) の次世代を担う若手ミュージシャンとかつてのキューバ音楽 (Cuban Music) 全盛期を支えた有数のミュージシャンが参加していた。文字通りのオールスターズなのである。なんせ4世代に渡るミュージシャンが参加していたのだから。
つまり、ライ・クーダー (Ry Cooder) はアフロ・キューバン・オール・スターズ (Afro Cuban All Stars) 在籍のメンバーから、あるコンセプトに基づいてブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ・バンド (Buena Vista Social Club Band) に相応しいメンバーをピックアップしたのである。

あるコンセプトとは、なにか?
それをこの記事の中で総ては語り尽くせないのだけれども、あえて書けば、喪われてしまったものを再び捜し出そうという試みに他ならない。
スペインの植民地時代に得た宗主国の文化から始って、独立と同時に合衆国の影響下にあった時代に育んだものが、キューバ革命 (Revolucion cubana) によって否定されてしまう。
その余波を受けたヒトビトの中に、アフロ・キューバン・オール・スターズ (Afro Cuban All Stars) に所属していた名ミュージシャン達である。彼らは皆、老いていた。
そんな彼らに再びスポットをあてる試みが、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ・バンド (Buena Vista Social Club Band) なのである。

だから、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ・バンド (Buena Vista Social Club Band) を聴けば、喪われてしまったモノへの懐古と郷愁があるし、その結果、この作品が産まれるまで辿った歴史も観えてくるし、それになによりそこにドラマを発見出来る。
ちいさい視点で観れば、ライ・クーダー (Ry Cooder) がここに辿り着いた旅路でもあるし、この作品に参加した個々のミュージシャンの人生でもある。その一方で、巨きな視野で観れば、ある国の音楽の歴史でもあるし、音楽と社会もしくは政治との軋轢の物語をも見出せるかもしれない。
それ故に、世界中の音楽ファンに熱狂をもたらしたとも言える。

では一方のアフロ・キューバン・オール・スターズ (Afro Cuban All Stars) はどうなのか?
ぼくは、日常が観えると思う。
キューバ (Republica de Cuba) の街々を歩けば、喧噪の中に、この音楽が鳴り響いている様な気がするのだ。それは、愛の詩でもあるし、恋の唄でもあるだろう。
等身大のキューバの音楽 (Cuban Music) がそのまま、地球の真裏で聴けるのだ。

ディスティント・ディフェレンテ (Distinto Diferente)』は、1999年発表の彼らのセカンド・アルバムである。本作発表後、鬼籍に入ったミュージシャンも多くいる。

ものづくし(click in the world!)91. :
"Distinto, diferente"
by JUAN DE MARCOS AFRO CUBAN ALL STARS



images

"Distinto Diferente" by JUAN DE MARCOS AFRO CUBAN ALL STARS

1. Distinto, diferente
Son
Juan de Marcos Gonzalez / Lazaro Villa
Soneros
Pedrito Calvo, Fernando Alvarez, Felix Baloy, Teresita Garcia Caturla
Solo
Barbarito Torres laoud

2. Tumba palo cocuye
Son montuno
Arsenio Rodriguez
Sonero
Raul Planas
Solos
Guajiro Mirabal trompeta
Juan de Marcos tres
Guillermo "Rubalcava" Gonzalez piano
Jesus "Aguaje" Ramos trombon
Miguel "Anga" Diaz conga

3. Tributo al Nino Rivera El guapacha & JamaiCuba
Guapacha
Andres hchevarria & Esther Cruz (Arr. Por Demetrio Muniz)
Sonero
Ignacio "Masacote" Carrillo
Solos
Juan de Marcos tres
Oriando "Maracas" Valle flauta

4. Reconciliacion
Timba-son
Juan de Marcos Gonzalez / Lazaro Villa
Soners
Pedrito Calvo, Leo Vera, Ibrahim Ferrer, Dennys Martinez, Teresita Garcia Caturla
Solos
Guajiro Mirabal trompeta

5. Variaciones sobre un tema desconocido
Danzon
Juan de Marcos Gonzalez
Solos
Jesus "Aguaje" Ramos trombon
Ruben Gonzalez piano
Policarpo "Polo" Tamayo, Oriando "Maracas" Valle flautas

6. Al vaiven de mi carreta
Guajira
Nico Saquito
Sonero
Ibrahim Ferrer
Solos
Joaquin Oliveros flauta
David Alfaro piano
Barbarito Torres laoud

7. Gandinga, mondongo y sandunga
Afrocuban jazz
Frank Emilio Flynn
Solos
David Alfaro piano
Jesus "Aguaje" Ramos trombon
Julito Padron trompeta
Amadito Valdes timbales

8. Huellas del pasado
Son
Francisco Repilado
Sonero
Manuel "Puntillita" Licea
Solo
Guajiro Mirabal trompeta

9. Warariansa
Canto Abakua
Trad. Arr. por
Juan de Marcos Gonzalez & Gregorio "Goyo" Hernandez
Cantante
Gregorio "Goyo" Hernandez
Coro
Grupo Raices Profundas dirigido por Gregorio "Goyo" Hernandez
Orquesta Abakua
Tropicana Afro Ensemble dirigido por Angel Terry

10. Homanaje a Martha Valdes
Boleros
Martha Valdes
Cantantes
Omara Portuondo
Lino Borges
Solos
Braulio "Babin" Hernandez saxo tenor

produced by Juan de Marcos Gonzalez

A World Circuit / Ahora Production
Nonesuch Records, a Warner Music Company
(P) (C) 1999 A World Circuit. Exclusively licensed to Nonesuch Records.


Los musicos

Trompetas
Yanko Pisaco 1, 2, 3, 4, 5, 7, 8
Daniel "El Gordo" Ramos 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8
Alejandro Pichardo 1, 7, 8
Guajiro Mirabal 2, 3, 4
Yaure Muniz 2, 3, 4, 6
Julito Padron 7

Trombones
Alberto "Molote" Martinez 1, 4, 5, 6, 7, 8
Jesus "Aguaje" Ramos 1, 2, 4, 5, 6, 7, 8

Saxo Baritono
Javier Zalba 1, 4
Carlos "Musiquita" Duran 8

Saxo Tenor
Braulio "Babin" Hernandez 10

Flautas
Oriando "Maracas" Valle 3, 5
Policarpo "Polo" Tamayo 5
Joaquin Oliveros 6

Piano
David Alfaro 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 10
Guillermo "Rubalcava" Gonzalez 2
Ruben Gonzalez 5
Frank Emilio Flynn 7

Bajos
Ricardo Munoz 1, 3, 4, 6, 8
Orlando "Cachaito" Lopez 2, 5, 7, 9, 10

Timbales
Amadito Valdes 1, 5, 7, 8, 10
Victoriano "Filiberto" Sanchez 3, 4, 6

Bongos
Carlos Gonzalez 1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 10

Congas
Miguel "Anga" Diaz 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8
Angel Terry 10

Guiro
Enrique Lazaga 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 10

Maracas
Alejandro Pichardo 2, 6, 10

Claves
Lazaro Villa 8

Tres
Juan de Marcos 1, 2, 3, 6, 7, 8, 9

Laoud
Barbarito Torres 1, 4, 6

Guitarra
Juan de Marcos 4, 6

Violines
Jesus Ordonez 5, 10
Julian Corrales 5, 10
Pablito Mesa 5, 10
Oman Pedreria 5, 10

Violas
Jose Maron 5, 10
Roberto Herrera 5, 10

Violoncello
Juan Vendera 5, 10

Soneros
Pedrito Calvo 1, 4
Fernando Alvarez 1
Felix Baloy 1
Teresita Garcia Caturla 1, 4
Raul Planas 2
Ignacio "Masacote" Carrillo 3
Leo Vera 4
Ibrahim Ferrer 4, 6
Dennys Martinez 4
Manuel "Puntillita" Licea 8
Gregorio "Goyo" Hernandez 9
Omara Portuondo 10
Lino Borges 10

Coros
Juan de Marcos 1, 2, 3, 4, 6, 8
Dennys Martinez 1, 2, 3, 4, 5, 6, 8
Lazaro Villa 1, 2, 3, 4, 5, 6, 8
Demetrio Munitz 5

Todos los arreglos por Juan de Marcos Gonzalez, excepto (7) por Juan de Marcos y "Anga" Diaz, (9) por Juan de Marcos y "Goyo" Hernandez y (3) por Demetrio Muniz.

Oriando "Maracas" Valle aparece en este album como cortesia de Ahi-Nama Music.
Barbarito Torres aparece en esta album como cortesia de Havana Caliente Records.

Producido por Juan de Marcos Gonzalez
Productor ejecutivo Nick Gold
Grabado y mezclado por Jerry Boys

Grabado en Egrem Studios, Havana, March 1999
Asistente de Grabaciones Alain Martinez de la Torre

Mezclado en Livingston Recording Studios, London
Assistente de mezclas Nick Coplowe

Masterizado en Livingston Recording Studios
Masterizado por Tom Leader

Diseno por Kathryn Samson
Photografias por Christina Piza y Eniac Martinez
Traducido por Francesca Clarke

Administracion Sasa Music

CDに封入された全40頁のブックレットには、英語とスペイン語によるクレジットと歌詞が掲載されている [本稿では後者のみを掲載した]。

また、『ハバナにて1999年8月 (Havana, August 1999 / La Havana, Agosto del '99)』付けのフアン・デ・マルコス・ゴンサレス (Juan de Marcos Gonzalez)によるライナーノーツが掲載されている。
その文末には次の様にある。
Dedicated to the memory of Caridad Cuervo, Eddy Gaitan and Laito Sureda.
A la memoria de Caridad Cuervo, Eddy Gaitan y Laito Sureda, Ibbae , que Dios los tenga en la Gloria.
関連記事

theme : おすすめ音楽♪ - genre : 音楽

adventures of t. g. chaung | comments : 0 | trackbacks : 0 | pagetop

<<previous entry | <home> | next entry>>

comments for this entry

only can see the webmaster :

tackbacks for this entry

trackback url

https://tai4oyo.blog.fc2.com/tb.php/489-5776bf75

for fc2 blog users

trackback url for fc2 blog users is here