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2010.01.24.21.02

"BLACK SEA" by XTC

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XTCエックス・ティー・シー)を聴くことは、迷路 (Maze) の中を歩むのに似ている。
なにもそれは、彼らの『ワンダーランド (Wonderland)』のPVの中で、少女が迷路 (Maze) にも似た庭園を奔り惑っているからではない。それに第一、この曲は『ママー (Mummer)』 [1983年発表作品] に収録されている。本作品ではないのだ。

ここでいう迷路 (Maze) とはポップ・ミュージック (Pop Music) の事である。いみじくも彼らの初期の代表作に『ディス・イズ・ポップ (This Is Pop?)』があるのだけれども。それを聴きながら読んでくれても、構わない。本作ではなくて『ホワイト・ミュージック (White Music)』 [1978年発表作品] に収録されているのだけれども。

ポピュラー・ミュージック (Popular Music) ではない。それはクラシック・ミュージック (Classical Music) に対する概念であるし、その一方で、"売れた"音楽の事であるから。つまり、"売れた"ポップ・ミュージック (Pop Music) があるのは勿論だけれども、"売れない"ポップ・ミュージック (Pop Music) も当然の様にあるのだ。

出口へと辿り着く正しい路は、恐らく、あるのだろう。でも、しかし、どうしても、過った路を選んでしまうし、いつのまにか袋小路 (Cul-De-Sac) へと入り込んでしまう。
しかし、その一方で、いつまでも辿り着く宛のないこの混乱と眩惑と消耗と徒労が、いつしか快感へと変わる瞬間がある。
もしかしたらぼく達は、正解を得るのを目的としていたのではなくて、この快感の瞬間へ到達する事こそ、願っていたのではないだろうか。
そう、まるで、マラソン・ランナー (Marathon Runner) がゴールに到達するよりも、ランナーズ・ハイ (Runners High) を得る事を願うかの様な。

だから、独りでこの迷路 (Maze) を歩めばこそだが、集団で歩めば、その選ぶ路も違えば、その望む快感も違う。
では、一体どうなると言うのか。
スカイラーキング (Skylarking)』 [1986年発表作品] で、XTCエックス・ティー・シー)をトッド・ラングレン (Todd Rundgren) がプロデュースしたときを想い出そう。
誰の眼からも相思相愛 (In love With Each Other) と思えた筈の最高のカップリングであった彼らの共同作業が、最悪の消耗戦 (Attrition Warfare) となってしまった事を。しかし、にも関わらずに、否、それだからこそ、彼ら [つまり、XTCエックス・ティー・シー)にとってもトッド・ラングレン (Todd Rundgren) にとっても] の最高傑作のひとつになってしまったのだから。

でも、ぼく個人として、正装に身を包んだかの様な『スカイラーキング (Skylarking)』 [1986年発表作品] よりも、同時期にデュークス・オヴ・ストラトスフィア (The Dukes Of Stratosphear) 名義で発表した作品群 [現在では『アン・アンソロジー (Chips From The Chocolate Fireball)』としてコンプリートされている] の方が彼ららしいと思えるし、個人的にも大好きだったりする。
その作品では、彼らの趣味のひとつである60年代ガレージ・パンク (1960s Garage Punk) =サイケデリック・ロック (Psychedelic Rock) のテイストが満載の、チューリップ・ハットにトンボ・メガネのペイズリー (Paisley) な彼らを見出す事が出来る。それになによりも、あらゆるところにバラ撒けられた元ネタ捜しも愉しいのです。

それとも、ぼくの趣味が偏っているのだろうか。そもそも彼らを知ったのは『ゴー 2 (Go 2)』 [1978年発表作品] 発表の頃で、本編よりも初回限定で封入されていた実験色の濃い『GO +』の方を気に入ったのだから [『GO +』収録曲は今では『Explode Together: The Dub Experiments 1978-1980』で聴く事が出来る]。

第一、XTCエックス・ティー・シー)の代表作と言えば、すったもんだのその『スカイラーキング (Skylarking)』 [1986年発表作品] か『イングリッシュ・セツルメント (English Settlement)』 [1982年発表作品] というのが"相場"だけれども、そのどちらでもなくて『ブラック・シー (Black Sea)』 [1980年発表作品] というトコロからして、間違っているのかもしれない。
きみはXTCエックス・ティー・シー)のファンなのかと問われれば、「へぇ」とまだるっこしい回答をせざるを得ないかもしれない。
と、いうのはスタジオに引き蘢って、錬金術 (Alchemy) よろしくポップ・ミュージック (Pop Music) の抽出に錬磨する彼らよりも、『トランジスター・ブラスト~ザ・BBC.セッション (Transistor Blast: The Best Of The BBC Sessions)』で聴かれる様なはじけるギター・バンド然とした彼らが好きだからだ。
しかも、さっき書いた様に、彼らの本道よりも、いくつもある変名プロジェクトの方に魅力を感じてしまっているのだ。

と、ここまで書いて読みなおしたら、無性に言い訳がましい文章になってしまった。でも、仕様がない。

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最後に申し訳程度に書いておくと、1980年発表時、本作は、アルバム・タイトルとバンド名が書かれたモス・グリーンの外装で覆われて発売されたが、現在では潜水服 (Standard Diving Dress) 着用のメンバーのものになっている。
そして、スティーヴ・リリーホワイト (Steve Lillywhite) とヒュー・パジャム (Hugh Padgham) の初期の代表作である事も、申し添えておく。

ものづくし(click in the world!)88. :
"BLACK SEA" by XTC


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Black Sea』 by XTC

1. RESPECTABLE STREET 3' 37"
2. GENERALS AND MAJORS * 4' 04"
3. LIVING THROUGH ANOTHER CUBA 4' 45"
4. LOVE AT FIRST SIGHT * 3' 06"
5. ROCKET FROM A BOTTLE 3' 30"
6. NO LANGUAGE IN OUR LUNGS 4' 52"
7. SMOKELESS ZONE *+# 3' 53"
8. DON'T LOSE YOUR TEMPER +# 2' 37"
9. THE SOMNAMBULIST +# 4' 37"
10. TOWERS OF LONDON 5' 24"
11. PAPER AND IRON (NOTES AND COINS) 4' 14"
12. BURNING WITH OPTIMISM'S FLAME 4' 15"
13. SGT. ROCK (IS GOING TO HELP ME) 3' 56
14. TRAVELS IN NIHILON 6' 56"

ALL TRACKS COMPOSED BY: A.PARTRIDGE
EXCEPT * C. MOULDING.

+ FROM "GENERALS AND MAJORS" doublepack single (VS 365)
# INDICATES NOT ON LP. RELEASED AS B SIDES

PRODUCED BY: STEVE LILLYWHITE
(except "The Somnambulist" produced by ANDY PARTRIDGE)
ENGINEERED BY: HUGH PADGHAM
(except "The Somnambulist" engineered by LAURENCE BURRAGE)
PUBLISHED BY: VIRGIN MUSIC (PUBLISHERS) LTD.

(P) 1980 Virgin Records Ltd
(C) 1987 Virgin Records Ltd

ぼくが所有しているCD盤は、CDという新しいメディアが流通し始めた際に販売されたヴァージョン。だから、上にあるとおりの最低限のインフォメーションしかない 。
入手した当初は、ボーナス・トラックとしてアルバム未収録曲が三曲もある上に、アナログ盤でのA面B面の結合部に収録されているので、作品としての収まりがとても良い。丁寧な仕事をしているなぁ~と、それでも当時は感心したものだった [LP盤でのラスト・ナンバーが終わって作品全体の余韻に浸る間もないうちに、金魚の糞の様な追加収録曲が鳴り出すのは、どう考えても噴飯モノでしょう]。
と、いうわけで以下、DIscogsに掲載されているものからクレジット・データ的なモノを拾い出してみた [こちらも参照願います]。

Artwork By [Sleeve Backdrop] - Ken White
Drums, Synthesizer [Snyper Drum], Voice [Free Form] - Terry Chambers
Engineer - Hugh Padgham
Guitar, Synthesizer, Piano, Vocals - Dave Gregory
Photography - Ralph Hall
Producer - Steve Lillywhite
Vocals, Bass [Epiphone Newport] - Colin Moulding
Voice, Guitar, Synthesizer, Performer [Noises] - Andy Partridge
Written-By - Partridge (tracks: 1, 3, 5, 6, 8 to 14) , Moulding* (tracks: 2, 4 & 7)

-Colin Moulding 'Sings his songs and plays his Epiphone Newport'.
-Dave Gregory 'The odd vox humana or two'.
-Andy Partridge '[Plays] His own voice, a guitar he thinks he owns, a synth he's not sure who owns and other noises that could have been anybody's'."

This album was recorded at the Townhouse Studios, London, England, summer 1980.

track 2 - Vocals [Add] - Dave Gregory
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