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2009.10.18.15.55

『ユーズド (UZED)』 by ユニヴェル・ゼロ (UNIVERS ZERO)

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印象的なピアノ (Piano) の残響音に導かれてオープニング・ナンバー『予感 (Presage)』が始る。この響きに引き込まれさえすれば、後は彼らの演奏に惑溺出来るのだ。

彼らの存在そのものは早くから知っていた。1980年代 (1980s) 初頭に、R.I.O. [ロック・イン・オポジション (Rock In Opposition)] というムーヴメントというか、その名の元に集結したミュージシャンを命名するその名称だ。そして、その一員が彼らだったのだ。
当時の僕個人の中では、R.I.O. [ロック・イン・オポジション (Rock In Opposition)] はパンク (Punk) ~ポスト・パンク (Post-punk) の動きと並走するものという認識なのだけれども、その出自や音楽的背景はかなり異なる地にいた様だ[次第に両者は音楽的にも歩み寄るのだけれども]。

ベルギー (Kingdom of Belgium) 出身の彼らは、ドラムス (Drums) 担当のダニエル・ドゥニ (Daniel Denis) を中心として結成され、弦楽器 (Chordophone) や木管楽器 (Woodwind Instrument) をフューチャーした特異な編成で、その編成からチェンバー・ロック (Chamber Rock) と定義されていた。
初めて聴いた彼らの作品は『Heresie』 [1979年発表]。重く暗くのしかかる様な、ヘヴィーな音世界は、憶い出した様にレコード・ラックから引き出して愛聴したものだった。メロディアスという表現から対極にあるその世界に向かうと、自己の内面に澱む堆積物を眺めている様な気がした。

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そして、この作品『ユーズド (Uzed)』 [1984年発表] を入手する事になる。
アンドレイ・タルコフスキー (Andrei Arsenyevich Tarkovsky) 作品に象徴的に顕われる水のイメージ(Tarkovsky's Symbolism In Warter) を流用したかの様な、神秘的なジャケット・デザイン。映画『惑星ソラリス (Solaris)』で、記憶にある遥かな故郷に流れる水に腰まで浸かった主人公の科学者クリス・ケルヴィン (Kris Kelvin) [演:ドナタス・バニオニス (Donatas Banionis)] を、ぼくが憶い描いたのは何故だろう。

本作品を初めて聴いた印象は、それまで彼らに抱いていた印象を裏切るものだった。
彼らの重厚な世界観はそのままに、メロディというものが効果的に使用されている。かつての作品と比べると、遥かに聴きやすいのだ[逆に言えば、それを迎合と捉える聴き方もあるかもしれないが]。
だから、彼らを紹介する場合は、この作品から聴く事を薦めるし、この駄文で本作品を採り上げたのも、そういう理由からなのだ。

だからと言って日和っているのではない。作品を聴きすすめるにつれて、次第に彼らの真の意図に、覚醒めることになるだろう。

ものづくし(click in the world!)85.:
『ユーズド (UZED)』 by ユニヴェル・ゼロ (UNIVERS ZERO)


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ユーズド (UZED)』 by ユニヴェル・ゼロ (UNIVERS ZERO)

1. 予感
  Presage [9:48]
2. ドクター・シュヴァルツの奇妙な薬
  L'Etrange Mixture Du Docteur Schwartz [3:52]
3. 天上人
  Celesta (for Chantal) [6:55]
4. パレード
  Parade [6:37]
5. 放射物
  Emmanations [15:43]

All compositions by Daniel Denis
Recorded September - October 1984 by Didier de Roos
at Daylight Recording Studio in Bruxelles, Belgium
Mixed by Univers Zero & Didier de Roos
Photograph by Guy Denis
Graphics by Paula Millet

DANIEL DENIS - Drums, percussion, synthesizer
DIRK DESCHEEMAEKER - Soprano sax, clarinet, bass clarinet
CHRISTIAN GENET - Bass, balafon, bowed guitar, tapes, whistle
ANDRE MERGEN - Cello, alto sax, voice
JEAN-LUC PLOUVIER - Electric and acoustic pianos, synthesizer, piano strings, percussion
MICHEL DELORY (Guitar) and MARC VERBIST (Violin) on "Celesta"

(C) 1988 Daniel Denis
(P) 1988 Cuneiform Records

僕の持っている国内盤CDは、マーキー / ベル・アンティークから"EURO-ROCK MASTERPIECE ON CD No.34"として発売されたもので、坂本理によるライナーノーツが封入されている。
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