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2009.10.06.19.12

ふがくさんじゅうろっけいがいふうかいせい

晴天に恵まれれば、富士山 (Mt. Fuji) を一望する事も出来る土地に産まれ育った。
その富士山 (Mt. Fuji) を富士山 (Mt. Fuji) として認識したのは、いつの事だろうか。

僕が幼い頃に棲んでいた地域は、雑然とした商工住宅地で、まぁ、下町 (Shitamachi) と言えば下町 (Shitamachi) だ。
だから、単純に青空の方向を見据えてみても、そこは電柱 (Utility Pole) や煙突 (Chimney) やアドバルーン (Advertising Balloon) が観えるばかりで富士山 (Mt. Fuji) は観えない。
かといって、近所にある山とは名ばかりの丘陵の頂上に辿り着いたときも、日曜日に家族総出で出かけた百貨店の屋上に昇ったときも、富士山 (Mt. Fuji) は観えない。
と、いうか、観ない。興味がないからだ。
そこらから眺めるのは、己らが棲んでいるちっぽけなアパートや、街を東西に疾り抜ける新幹線 (0 Series Shinkansen) や、そしてこの街を破壊しに海原や地底から出現してくる怪獣ども (Kaiju) の幻だったのだ。

そして、ある時、僕は富士山 (Mt. Fuji) を観た。

images
それは、保育園の教室の片隅にあった絵本か図鑑の様なものだったと想う。
そこには、見開からた本全体を、紅く燃え立つ様な巨大な山が描かれていた。
葛飾北斎 (Katsushika Hokusai) の手になる『富嶽三十六景 (36 Views Of Mount Fuji)』の中のひとつ、『赤富士 (Red Mt.Fuji)』こと『凱風快晴 (Mount Fuji in Clear Weather aka Red Fuji)』である。

あぁ、あの巨きな山を富士山 (Mt. Fuji) と呼ぶのだ、そして、あの山はここに描かれている様に、紅く燃え上がるのだ。と、なにかの呪縛にかけられたかの様に、僕のこころにそれは刻まれた。

そして、そこに描かれている様な相貌をした富士山 (Mt. Fuji) は、未だに観た事がない。

次回は「」。
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