this night wounds time, Af1s

2023.06.09.08.11

Af1s

まぁ、よかったな。
人様に自慢できるもんができて。
これで、まぁ、いっちょまえてぇつもりかい。

まぁ、いいんだけどよ。
おれにはそんなものようはないんだし、第一におまえ自体にはなっから興味なんてないんだし。
あるとすりゃよ、おめぇのそれに相当するもんが、このおれにもあるんだろうなってことさ。

いや、べつにいいんだ。
おためごかしなんか。おべんちゃらする必要もねぇ。
おまえにとってのそれがおまえにとってそうであるように、おれにとってもそれ相応のもんがある、それだけのことさ。

問題は、ぢゃあそれがおれにとってなんになるってぇことさ。

それはおまえにとって相応のもんだろ。そしてそれがいまのおまえの自慢なんだろ。
いや、けちつけるきはないんだ。おまえがそれに得心していようが納得していようがなんてこたぁな。
もしかしたら、おまえはそれ、その程度でいやおうもなく我慢しているかもしれないが、だからといって、そんなこと自体は、おれには無関係なんだ。
オメェにとっては最重要課題なんだろうけどさ。

ようするに、手許にいくばくかのかねがある。
そのかねがいくらだかはとう必要はない。
おまえはそれでしばらくはあそんでくらしていけるだろう。まぁ、かりのはなしさ。
だけれども、おれにとってはすずめのなみだにもなりゃしない、そんなことは十分、ありえるよな。
それとおなじことさ。ぢゃあ、こっからさき、とりあえず今夜一晩どうしようって拘泥するだろうし逡巡するだろう、おまえであろうと、おれであろうと。かんがえることはおそらく一緒さ。しかもその契機となる手許のかねも一緒。でも、かんがえるべき方向はけっしておなじじゃあない。だした結論がとどのつまり、よいごしのぜにはもたねぇ、だとしてもな。

ああ、大事なところだからねんをおしてやろう。
そのぎゃくの場合だって当然あるんだ。なぜって、いまのおまえにはそいつがあるじゃあないか。
よかったよな。

いってることは単純なんだ。
あるものがあってそいつをどう評価するかってこと、ただそれだけなんだ。
と、同時に、そいつにたいして、そんな評価をくだすことは一体どういうことなのだ、そういうことさ。

いまのおまえにはそれはかけがえのないもの、そうだろう。
だけれども、おれにはかけがえのないもの、それがあるのかないのか、かりにあったとしたら、じゃあいったい、どうするのか、どうしたいのかってことなのさ。

[the text inspired from the song "Af1s” from the album "Warlord” by Yung Lean with Ecco2k]