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2022.12.06.07.58

なるとまき

拙稿は大昔に綴ったこちらの記事のつづき、の様なモノである。

幼少時、母親や、父方の叔母に連れられていく蕎麦屋 (Soba Restaurant) があった。当時、叔母は化粧品雑貨店 (Cosmetics Store)を経営しており、そこが出店しているマーケット (Market) の隣にその蕎麦屋 (Soba Restaurant) がある。母親はそのマーケット (Market) にその日の食材を買いがてら、叔母の許へと出向く。その際、本当に幼い当時、保育園 (Day Nursery) にもあがる前は、母親に引率されたぼくがいる [独り歩き出来る様になったら、母親とは完全に別行動でその店に行く。理由は後で述べよう]。ぼく達ふたりがそこに到着すれば、時間帯によっては叔母の遅い昼食時間となる。店の留守番を母親が行うのだ。そして、叔母はぼくを連れてその蕎麦屋 (Soba Restaurant) へ行く。彼女の昼食がぼくにとってはおやつの時間となり、その店で喰わしてもらう [その後の顛末、その一端はこちらに綴った]。だから、独り歩き出来る様になるとそれを期待して、空腹を憶えると叔母の許へと向かうのである [彼女の昼食時間と重ならなくとも、なんかしら喰わせてもらった、さもなければ、その代償としての駄賃をくれる]。

その蕎麦屋 (Soba Restaurant) で供される拉麺 (Ramen) がぼくにとっての初めての拉麺 (Ramen) である事もこちらに綴った。
そして、その調理に起用される具材も列挙してある。
すなわち、「叉焼。麺媽。鳴門巻。茹で玉子。焼き海苔。青葱。」である。

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マンガ『銀河鉄道999(Galaxy Express 999)』 [松本零士 (Leiji Matsumoto) 作 19771981週刊少年キング連載] は『アンドロメダの雪女(Yuki-onna Of Andromeda)』に登場した拉麺 (Ramen) [こちらより]。

ところで、この6品目、現在の呼称で綴ってあるのだが、当時は、その名称が流通していなかったモノが幾つかある。
つまり、時代考証 (Background Research) を徹底させれば、上の列挙は誤りと謂う事になってしまうのだ。

叉焼 (Char Siu) は、かつては焼豚 (Roast Pork) と呼んでいた。勿論、その名称は現在でも通用するだろうし、現在流通している名称はかつても流通していた筈だし、一説によればこのふたつは似て非なる (Close But Not The Same) モノだとも謂う。
叉焼麺 (Ramen Soup Topped With Slices Of Roasted Pork) は、その蕎麦屋 (Soba Restaurant) の品書にもあったとおもう [ここで慌てて付け足しておくが、蕎麦屋 (Soba Restaurant) とは謂うモノの定食屋 (Diner) と看做した方が良い様である。] し、マンガ『ワイルド7 (Wild 7)』 [望月三起也 (Mikiya Mochizuki) 作 19691979週刊少年キング連載] の7人の主要登場人物のひとりはチャーシュー (Chaashuu) と謂う。彼はその職務から解放されている際は、中華料理店 (Chinese restaurant) で勤しんでいるからだ。
とは謂うモノの、当時のぼくには叉焼 (Char Siu) と焼豚 (Roast Pork) が同一食材であると謂う認識が既にあったかどうかは極めて怪しい。先のチャーシュー (Chaashuu) ですら、叉焼麺 (Ramen Soup Topped With Slices Of Roasted Pork) からその名を拝借したと謂う認識があったからだ [つまり、その調理が何故、叉焼麺 (Ramen Soup Topped With Slices Of Roasted Pork) と呼称されているのか、その理由が皆目、見当がついていなかったのだ] 。

麺媽 (Menma) は当時、支那竹 (Chinese Bamboo) と呼んでいた。それがいつ、現在流通している名称へと変更されたのかは、よく解らない。解らないが想像するに、1968年に桃屋 (Momoya Co, Ltd.) から味付メンマ (Ajitsuki Menma : Seasoning Menma) が発売されて以降ではないだろうか。ある日の夕餉、その小瓶が食卓にある。母親曰く、TVのCMでみた、三河屋 (MIkawa-ya) さんで売っていた、と。三河屋 (MIkawa-ya) とは伯母の店舗の向かいにある乾物屋 (Grocer) であり、その店主夫妻と彼女は親しくしていたし、当時のぼくも可愛がってもらっていた。
麺媽 (Menma) ってなあに。そうおもいながら一口喰うと、それは支那竹 (Chinese Bamboo) と同じ食感がある。そうしてぼくは、そのふたつの名称がひとつの食材を指すモノだと理解したのである。
支那竹 (Chinese Bamboo) が麺媽 (Menma) に呼称変更を余儀なくされたのは、中華民国 (The Republic Of China) からの要請であるからと謂う。
同じ様な事例は、特殊浴場 (Bathhouse Offering Special Services) にもある。かつてトルコ風呂 (The Turkish Bath) と呼ばれたその施設、経営状態はトルコ共和国 (The Republic Of Turkiye) からの要請によってある日、ソープランド (Soapland) へと変更されたのだ。トルコ共和国 (The Republic Of Turkiye) にとって、その呼称は違和感があり、見方によっては蔑称に等しい効果や印象を及ぼすのであろうと謂う事はなんとなく推察がつく。と、謂う事はそれと同等の効果、印象が中華民国 (The Republic Of China) にとって及ぼしているのだろう、と謂う事になる。果たして、その様な理解で良いのだろうか。

鳴門巻 (Narutomaki) と謂う呼称は当時、ぼくは知らなかった。周囲の大人達からまったく別の名称を教えられ、その名称でなんの問題もなかったのである。だけれども、保育園児 (The Student Of A Day Nursery) となったぼくが当時の同級生に得々と語ったその名称が、真っ向から批判されてしまうのである。"あかちゃん語"、そんなよびかたをするのはちっちゃなこだけだ、と [大人からみれば充分に"ちっちゃな"存在である保育園児 (The Student Of A Day Nursery) 達が、自身よりさらに"ちっちゃな"幼児達と自身を差別化し、それをもって自己の優位を誇示している]。
ぼくは凄まじくきずついたのである。そんな非難を浴びたのはその時の1回だけだ。しかも、運よくその後、その発言が尾を引く事はなかった。それをもっていぢめにあう事もなければ、その語句がぼくの渾名として定着する事もなかったのである [その後、たった1度の失言や失態が後々にまで影響を及ぼし、その当事者の別称として流通してしまう事は幾度となく、まのあたりにしたし、ぼく自身はそれをもって他者を貶めて自身の優位を保持しようともした]。
尤も、周囲は恐らく、その1時をもってして看過してしまったのだろうが、一方のぼくには未だに、遺恨となっているのだ。
だから、その名称、当時の鳴門巻 (Narutomaki) の名称はここには綴らない。大袈裟に謂えば、ぼくの心的外傷 (Psychological Trauma)、そのひとつなのだ。
ネットで検索しても登場はしないが、当時のぼくの同級生が"あかちゃん語"と発した事をおもえば、少なくともぼく達世代でぼく達の周辺 [それが町内なのか市内なのかそれとももっと広汎なのかは解らないけれども] では流通していたのだろうし、ぼくだけが使用していた語句ではないとおもう。

次回は「」。

附記:
鳴門巻 (Narutomaki) は拉麺 (Ramen) の具材の他に、御田 (Oden) の具材でもある。マンガ『おそ松くん (Osomatsu-kun)』 [赤塚不二夫 (Fujio Akatsuka) 作 19621969週刊少年サンデー連載] の登場人物、チビ太 (Chibita) の好物である。彼の掌にしている御田串 (Skewered Oden) の最下端にあるのが、それだ。
だけれども、ぼくは御田 (Oden) の鳴門巻 (Narutomaki) は喰った記憶がないのだ。
と、謂うのは、御田 (Oden) の中にある鳴門巻 (Narutomaki) に遭遇出来るのは、駄菓子屋 (Small-time Candy Store) でのそれ、だけなのである [自宅で供される御田 (Oden) は味付けも具材も違う。こちらを参照の事]。
駄菓子屋 (Small-time Candy Store) での御田 (Oden) は、自身の乏しい小遣いの中で喰う事になる。畢竟、食いたいモノ、喰いでがあるモノを選ぶだろうし、しかも、鳴門巻 (Narutomaki) がぼくにとってその様な地位にはない。その結果、と謂う訳なのである。
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