2007.08.07.21.09
漢字では守宮と当てられるその生物は、 動物界 脊索動物門 脊椎動物亜門 爬虫綱 有鱗目 トカゲ亜目 ヤモリ下目 ヤモリ科(Animalia Chordata Vertebrata Reptilia Squamata Sauria Gekkota Gekkonidae)に属する...という生物に関する詳しい情報はこちらを御覧下さい。
例えば、水木しげるの『悪魔くん~千年王国』シリーズに登場するヤモリビトとか、石ノ森章太郎原作のTV番組『仮面ライダー』に登場するショッカー怪人 ヤモゲラスとか、切り口はいっぱいあるこの生物だけれども、今回はマウリッツ・コルネリス・エッシャー( M.C. Escher)の作品に登場するヤモリ(Gecko)を紹介してお茶を濁してしまいましょう。

机上に広げられたノートに描かれた紋様がいつしか生を受けて、机上におかれたオブジェのそこかしこを這い回り、また、元の様に、ノートに描かれた紋様に還って行く。
作品名は『爬虫類(Reptilien)』と、そっけないけれども、ここに描かれている全身を鱗に覆われている生物が、ヤモリ(Gecko)と命名されているのは、やはり彼に特徴的な、吸盤があるとされる扁たい指先やつぶらな瞳が、きちんと表現されているからであろう。
本来ならば、机上の様々なオブジェ(三角定規やら鉢植えのサボテンやら革表紙の装幀やら)の意味するものを解読し、図像学(Iconography)に耽りたい欲求にかられてしまうけれども、そんな中途半端な知識欲は、正12面体の頂きで、文字どおり、鼻息も荒く、己が生を謳歌している、この作品の主人公を観ただけで、どこかに吹き飛んでしまう。
何故、ここに正12面体があるのか、そのヒントはここにあります、ドイツ語(Deutsche Sprache)だけど。
夢は夢から産まれて、また、夢に還る。
しかし、その夢の存在そのものを消し去る事は出来ない。
次回は「り」。
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