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2009.04.26.22.04

これもまた悪い夢の続き 19.


from the movie
"Z.P.G."
directed by
Michael Campus

こんな夢を観た。

蒼空が広がっている。幾筋もの白い雲が流れ、その蒼さに美しい階調をつけている。何の不安もない。陽が刺し、風がそよぎ、鳥々の囀りが聴こえる。
幼い子供、まだ立つ事も叶わない乳児達が、あそこからもここからも現れて、這っている。両親はおろか成人の姿も全く見えず、それどころか、彼らの兄や姉の姿も観えない。歩く事ができる人間という者は、ひとりも観えない。

そして、ぼくもその中の一人だ。

つまり、ぼくもお襁褓もとれない、歯も生え揃っていない、はいはいしか出来ない、赤ん坊の一人なのだ。
これは夢だから、赤ん坊時代の体験を呼び戻しているのか。それとも、なんらかのちからが働いて、赤ん坊になってしまった僕の忌まわしい体験なのか。そこのところはよく解らない。ただ、ぼくという存在は、生後一年も経ったかどうか怪しい、幼い肉体の中にある。

そして、ぼくを含め、総ての赤ん坊は、ある場所を目指していた。何故、そこにいかなければならないのかは解らない。ただ、己の幼い腕と幼い脚が、ある場所めがけて歩んでいるのだ。

どこからともかく、アナウンスが聴こえる。こうやって歩んでいるぼくたちの行動をリポートしている。TVかなんかのマス・メディアの様でもあるのだけれども、その声がどこから聴こえてくるのか、解らない。身体の内部から聴こえる。耳殻が捉えているのは、風の音と雲の蠢きと鳥の囀りだけだ。

ようやく、目的地と思しき場所に辿り着く。それは大きな公会堂の様な佇まいだ。白い柱が陽光に照り映えて眩しい。ぼくたちは、その中へと、敷きつめられた紅い絨毯の導くままに、その建物の中に呑込まれてゆく。

屋内はゆったりとした上りのスロープになっていて、ぼくたちはおもいおもいの場所を目指す。不思議なのは泣く者もむずかる者も粗相をしてしまう者も、誰一人いない事だ。ぼくたちは、寡黙なのである。

それとも、己に課せられた使命の様なもの、それに抗えられないのか。幼いぼくもまた、這いずる事にのみ神経を集中している。

どうやら辿り着くべき場所に到着したらしい。
そこは大きな、とてつもなく大きな空間を要している。大きく広くそして高い。
そこは大きな吹き抜けとなっている。その吹き抜けの空間の周縁部に層を成している、いくつもの階層がある。その階層のひとつにぼくは居る。通常の建築物で言えば、丁度、二三階あたりの高さになるだろうか。
天井を見上げれば、そこは大きな透明のアクアリウムの屋根となっていて、先程まで屋外で感じていた陽射しをそのまま体感出来る。風がないだけ、より強く大きく感じる。

最下層には誰もいない。ただそこは、虹色に輝いているだけだ。

先程から喋り倒しているアナウンスも、この建物内部に入ってから、口調が確実に変わった。わずかながらも、昂奮している。そして、その昂奮に促される様にして、建物内部の様々な調度や機能を解説してくれる。ぼくはその解説を聴きながら、その言葉が指すだろう事物を眼で追っている。

一瞬、静寂が訪れる。

そして、なにか大きな音がする。その大きな音は下から聴こえる。その音の正体を見極めようと、下を覗く。
最下層にある虹色が輝きを増している。否、僅かながら、細かく震動しているのだ。その揺れに誘われて、虹色がきらきらと輝いているのだ。

アナウンスが叫ぶ。今、この一瞬を待っていた様だ。

最下層の虹色が震えながら、輝きながら、こちらに向かってくる。上昇しているのだ。最下層がぐんぐんと最上層めざしてリフトアップされてゆくのだ。

幾重にも重なる虹色の輝きが昇ってゆく。チューブから練り出された、絵の具かなにかの様に、下から上へと押し出されている様だ。
ぼくの居る階層を越えて、上へ上へと。その虹色の輝きはいつまでも果てる事なく、ゆっくりと昇ってゆく。

そして、上からなにかがさらさらときらきらと舞い堕ちる。虹色の輝きを放ちながら。
あぁ、この虹色の輝きは、砂状の小さな粒子で構成されているのだな、そう理解した矢先に、恐怖がぼくを襲った。

崩れる。
虹色の輝きが、虹色の粒子が崩れてくる。
その小さい粒子だけでは、虹色の輝きをその姿勢のまま、維持出来ないだろう。

そして、どぉっという大きな鈍い音を立てながら、堕ちてきた。アナウンスは感極まったか、叫んでいる。

虹色が真っ暗な闇と化して雪崩打つ。


"Mass For The Holy Bomb" aka "Hail The Bomb"
composed by
Leonard Rosenman
for the movie
"Beneath The Planet Of The Apes"
directed by
Ted Post
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