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2021.10.15.07.57

Sweater Weather

ほう。
もうそんな季節か。
そうだよなぁ。日中はともかく、朝晩はそのくらいが丁度いいよなぁ。

なぁんて会話は、去年もおまえとしたよな。
おぼえてない? まぁ、そうだろうな。いうがわのこっちだってにたようなものさ。

毎年毎年やってくる。
それは太陽と地球の関係で、しかも地軸というやつの都合でそうなっている。
それはだれでもしっている。
だけれども、だれもそんなことはおくびにもださない。かりにだしたところで、きらわれるのがおちってもんよ。無粋なやつ、てな。

何故って、そんな言葉がとびだすのは、理科や科学の智識とはべつのところにあるからだ。
端的にいやあ、ときの経過、季節のうつりかわり、そんなものへの感傷だ。
しかも、それだけでおさまるものでもないんだ。

これからやってくるものへの感情、それは警戒もあるだろうし、期待もある。
そして、それよりも、こっちのほうがおおきいだろう。
すぎこしものへのいつくしみ、惜別のことばさ。
ようやく、おわった、とうげはこえた、そんな安息なのさ。

だから、おれたちでさえ(そうさ、こんなおれたちでさえさ)こんな挨拶もどきをかわしてしまうのも、いちばんおおきい理由はねぎらいなんだ。

と同時に吐露したくなるのが、これから先への不安さ。
そしてそれを共有することなんだ。
同病あいあわれむとでもいうのかなぁ。

だってそうじゃあないか。

おろかなことにおれたちのだれも、これが、こんな状態がこのままつづくとはだれもおもってやしまい。
なんせ、太陽と地球の関係、地軸の都合でおこるのだから。

ははは。そうさ。ほかのだれよりもおれがいちばん、無粋なのさ。
ちげえねぇ。

[the text inspired from the song "Sweater Weather” from the album "I Love You.” by The Neighbourhood]


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