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2009.03.29.22.30

暗い日曜日(Szomorú vasárnap / Sombre Dimanche / Gloomy Sunday)


"Szomorú vasárnap"
sung by Erika Marozsán
from the movie "Gloomy Sunday - Ein Lied von Liebe und Tod"
directed by Rolf Schubel

暗い日曜日(Szomorú vasárnap / Sombre Dimanche / Gloomy Sunday)』という曲が、どういう曲なのか、それを如実に物語るのが、上に掲載したシーン。
この曲が産まれた時代とその要請を背景にして創られた映画『暗い日曜日(Gloomy Sunday - Ein Lied von Liebe und Tod)』[ロルフ・シューベル(Rolf Schubel)監督作品]からのものである。

勿論、エリカ・マロジャーン( Erika Marozsán)が唄うこのシーンはフィクションだけれども、このフィクションの基である、この曲が図らずも背負ってしまった宿命に関しては、様々な場所で語られている[ネット上では『1933年、自殺の聖歌『暗い日曜日』の謎(Szomorú vasárnap / Sombre Dimanche / Gloomy Sunday)』等。]

かくいう僕も、音楽を主体的に聴き始めた矢先に、この曲に祀ろう逸話を聴いた。
曰く「この曲を聴くとヒトが死ぬ」と。

そんな逸話を聴いた当時は、口裂け女だとか人面犬だとかトイレの花子さんだとかが街中の闇を自由に徘徊していた時代だから、半信半疑で[というよりも眉唾で]そのご高説を拝聴してやったものだった。


"Sombre Dimanche" by Damia

戦前のフランス(1930s And 1940s Life In France)でダミア(Damia)という女性シンガーが唄ったその曲は『暗い日曜日(Szomorú vasárnap / Sombre Dimanche / Gloomy Sunday)』。その曲をラジオでオンエアする度に、自殺件数が増えて逝く。だから、この曲はたちまち放送禁止となって、それは今でも解除されない。恐らく、公前で唄う事自体が禁止されている筈だ。

「...だって、その証拠に一番楽しい日曜日が暗いのよ?」

と、その歌の物語を結んだ娘の顔は真剣だったけれども、その結びの一言で、僕はへらへらと笑い出しそうになった。何故ならば、明るく楽しい日曜日なんて、とっくの昔におさらばしていたのだ、僕の方は[それをきちんとここで書き連ねるのも面倒なので、一例としてこれをどうぞ]。
それはともかく。吹き出してしまいそうになりながらも僕は、幸福で純粋な彼女の未来をこころのなかで祝福してやったのだ。


"Szomorú vasárnap" by Rezső Seress

ハンガリー(Magyar Köztársaság)出身のこの曲は、作詞:ヤーヴォル・ラースロー(László Jávor)・作曲:シェレッシュ・レジェー(Rezső Seress)のふたりによるもの。そして、ハンガリー(Magyar Köztársaság)からフランス(France)へと渡り、件のダミア(Damia)によって仏語で唄われ、より公汎な人気を獲得すると同時に、その都市伝説(légende urbaine)が肥大して逝く。

さて、純粋に[!?]この曲に対峙してみよう。

先ず耳に響くのは、その独特のメロディである。
美しくて、儚くて、そして、何故か痛みが奔る。こころの奥底にしまっておきたいモノを刺激する快楽にも聴こえるし、己に都合よく忘却の彼方へ隠してしまったモノを白日の下に曝される恐怖にも聴こえる。つまり、己の良心に訴えるのだ。
これがよいのでしょう、と。そして。それでよいのか、と。
その痛ましいメロディにこころを揺さぶられ続けると、ふわっと曲調が変わる。癒しとも呼んでもいいし、許しともよんでいい。その新たなフレーズの出現によって、聴くモノの緊張感が、一挙に解放される。
しかし、それは甘美な誘惑でもあるし、儚い夢でもある。

以上が、僕の印象である。
この曲を語る多くのモノが、そこで唄われている歌詞に着目しているのだけれども、それ以上に、このメロディは"危険"だと、僕は思う。

"エディット・ピアフ(Edith Piaf)ならば電話帳を読んでも感動的だろう"の謂いで、誰が唄ってもこの曲の都市伝説(légende urbaine)を顕現出来るのではない。その逆だ。
この曲が選ぶのである。演奏や編曲や唄い手を、厳しく選ぶのである。
さらに言えば、唄い手のもって産まれた声質をも、選ぶのではないか。
そういう意味で、このメロディは"危険"なのだ。

つまり、"おまえは歌うな"と。

逆説を弄すれば、この曲を唄って、ヒト独りにシを選ばせる事が出来るのならば、その歌手はホンモノなのである。

だからこそ、数多くのアーティストがこの曲を取り上げるのだ。
試みに、この下に、この曲をネット上で聴ける作品/アーティストをいくつか掲載しました。


"Gloomy Sunday" by Artie Shaw Feat. Pauline Byrne On Vocal


"Gloomy Sunday" by Iva Bittova and Brian Dee


"Gloomy Sunday" by MC Sniper


"Gloomy Sunday" by Elvis Costello And The Attractions


"暗い日曜日" by Ohnishi Yukari


"Gloomy Sunday" by Kronos Quartet


"Gloomy Sunday" by Sarah McLachlan


"Gloomy Sunday" by Sarah Brightman


"Gloomy Sunday" by Serge Gainsbourg


"Gloomy Sunday" by Charlie Barnet & his Orchestra


"Gloomy Sunday" by Heather Nova


"Gloomy Sunday" by Marc And The Mambas


"暗い日曜日" by Miwa Akihiro


"Gloomy Sunday" by Lydia Lunch


"Gloomy Sunday" by Ray Charles


"Gloomy Sunday" by Diamanda Galas


"Gloomy Sunday" by Bjork


"Gloomy Sunday" by Billie Holiday


"Gloomy Sunday" by Portishead

では、来月の"暗い日曜日(Szomorú vasárnap / Sombre Dimanche / Gloomy Sunday)"にまた、お逢い致しましょう。
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