2009.03.24.21.00
さて、これもまた、僕が未就学児童だった頃の事である。
父が勤めていた、小さな建設会社の本社の近くには、これまた小さな駐車場があって、そこはその建設会社専用のものだった。駐車場といっても、コンクリート(Concrete)で固めてあるだけの空地であって、僕の記憶が正しければ、僕が産まれたばかりの頃は単に砂利を敷き詰めてあるばかりだった。
それでもいつのまにやら、コンクリート(Concrete)で塗り固められたのは、その駐車場のちっぽけな所有者にも、僅かながらの利益がもたらし始めたのか、それとも、敷き詰められた砂利の駐車場では、業態柄、不具合だったのか、それとも、単にそうゆう時代(Japanese Post-war Economic Miracle)だったのか。
いずれにしても、幼い当時の僕にとっては、あまり関係のない理由だったと想う。
ところで、その駐車場とは名ばかりの空地の脇に、木造モルタル造りの、これまた小さな二階建てのアパートが建っていた。僕達親子は、その一隅に棲んでいたのである。
己の"家"を飛び出して、その二階建てのアパートと駐車場が面している、細い路を辿ってしばらく行くと、右手に飲食店が数軒、軒を並べている。一杯呑み屋に串揚げ屋におでん屋...。父達が屯し、くだを巻くところであると同時に、「お父さんを迎えに来た」という口実で僕が、ご相伴に預かる場所でもある。
そして、その向かいにはマーケットがある。そのマーケットを駆け抜けると広い大通りに出るのだけれども、今日はそこから先へと行けないだろう。
今、家から細い路を辿って呑み屋さんに背を向けて、マーケットに向かうと、右手手前から順に、八百屋、乾物屋、洋服屋があってケーキ屋がある。その反対側の左手前から順に、肉屋、魚屋、化粧品雑貨屋、そして反対側と同じ洋服屋がある。洋服屋はマーケットの通りを跨ぐ様に一店舗が占めているのだけれども、そこにはあまり用はない。その手前にある、小さな化粧品雑貨屋が、僕が目指す場所だ。
何故ならば、その小さな店は伯母が任されているからなのである。ちなみに、その伯母夫妻も、僕が飛び出してきた小さな二階建てのアパートの別の一隅に棲んでいた。
そして、僕は店番と称して、その狭い店内のスペースに居座って、商品を包む筈の包装紙に悪戯描きをしたり、グリコのおまけを奔んでいたり、商品のビューラー(Eyelash Curler)をおもちゃにしてみたり、伯母が同じ店舗内にあるケーキ屋から買ってきたばかりのシュークリーム(chou a la creme)をムシャムシャと食べていたりしたのだった。

さて、こんな駄文のどこが「どぬーゔ [「う」に濁点]」なのかというと、その店内には、処狭しと海外の美女のポスター[多分、化粧品メーカーの提供なのだろう]が貼り巡らされていたのだけれども、なかでも幼い僕の視線を釘付けにしたのがカトリーヌ・ドヌーヴ(Catherine Deneuve)のポスターだったのである。
掲載した画像は、当時の彼女の代表作『昼顔
(Belle de jour)』[ルイス・ブニュエル(Luis Bunuel)監督作品]からのスチール写真です。
次回は「ゔ」[「う」に濁点]。
父が勤めていた、小さな建設会社の本社の近くには、これまた小さな駐車場があって、そこはその建設会社専用のものだった。駐車場といっても、コンクリート(Concrete)で固めてあるだけの空地であって、僕の記憶が正しければ、僕が産まれたばかりの頃は単に砂利を敷き詰めてあるばかりだった。
それでもいつのまにやら、コンクリート(Concrete)で塗り固められたのは、その駐車場のちっぽけな所有者にも、僅かながらの利益がもたらし始めたのか、それとも、敷き詰められた砂利の駐車場では、業態柄、不具合だったのか、それとも、単にそうゆう時代(Japanese Post-war Economic Miracle)だったのか。
いずれにしても、幼い当時の僕にとっては、あまり関係のない理由だったと想う。
ところで、その駐車場とは名ばかりの空地の脇に、木造モルタル造りの、これまた小さな二階建てのアパートが建っていた。僕達親子は、その一隅に棲んでいたのである。
己の"家"を飛び出して、その二階建てのアパートと駐車場が面している、細い路を辿ってしばらく行くと、右手に飲食店が数軒、軒を並べている。一杯呑み屋に串揚げ屋におでん屋...。父達が屯し、くだを巻くところであると同時に、「お父さんを迎えに来た」という口実で僕が、ご相伴に預かる場所でもある。
そして、その向かいにはマーケットがある。そのマーケットを駆け抜けると広い大通りに出るのだけれども、今日はそこから先へと行けないだろう。
今、家から細い路を辿って呑み屋さんに背を向けて、マーケットに向かうと、右手手前から順に、八百屋、乾物屋、洋服屋があってケーキ屋がある。その反対側の左手前から順に、肉屋、魚屋、化粧品雑貨屋、そして反対側と同じ洋服屋がある。洋服屋はマーケットの通りを跨ぐ様に一店舗が占めているのだけれども、そこにはあまり用はない。その手前にある、小さな化粧品雑貨屋が、僕が目指す場所だ。
何故ならば、その小さな店は伯母が任されているからなのである。ちなみに、その伯母夫妻も、僕が飛び出してきた小さな二階建てのアパートの別の一隅に棲んでいた。
そして、僕は店番と称して、その狭い店内のスペースに居座って、商品を包む筈の包装紙に悪戯描きをしたり、グリコのおまけを奔んでいたり、商品のビューラー(Eyelash Curler)をおもちゃにしてみたり、伯母が同じ店舗内にあるケーキ屋から買ってきたばかりのシュークリーム(chou a la creme)をムシャムシャと食べていたりしたのだった。

さて、こんな駄文のどこが「どぬーゔ [「う」に濁点]」なのかというと、その店内には、処狭しと海外の美女のポスター[多分、化粧品メーカーの提供なのだろう]が貼り巡らされていたのだけれども、なかでも幼い僕の視線を釘付けにしたのがカトリーヌ・ドヌーヴ(Catherine Deneuve)のポスターだったのである。
掲載した画像は、当時の彼女の代表作『昼顔
次回は「ゔ」[「う」に濁点]。
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