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2021.01.17.08.30

『イントロスペツィオーネ (INTROSPEZIONE) 』 by オパス・アヴァントラ (OPUS AVANTRA)

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「きっときみはきにいるだろう」
そういってそのひとから頂戴したのが2枚のCD、このバンドの2作品である。

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1作品は件名とし掲げた第1作『イントロスペツィオーネ (Introspezione)』 [1974年発表] であり、もう1作品は彼等の第2作『ロード・クロムウェル - クロムウェル卿の奏する7つの大罪の為の組曲 (Lord Cromwell Plays Suite For Seven Vices)』 [1975年発表] である。そして、そのバンド、オパス・アヴァントラ (Opus Avantra) はこの2作品を遺して活動を停止していた。その結果、オリジナル作品はファンからみれば垂涎の作、入手困難なモノであり、それが今回、初めてCD化されたのだと謂う。
もう数十年も前の事だ。

頂戴したぼくは困惑した。どうしてこれを? と。勿論、当時のぼくは音楽に飢えていた時季でもあり、頂いたモノは有り難く拝聴する。そして、さらに困惑したのだった。

「ファンからみれば」と謂う語句を上で起用したが、果たしてぼくはそこで謂うファンに与するモノではない。このバンドをイタリア (Repubblica Italiana) 出身のプログレッシヴ・ロック・バンド (Progressive Rock) として分類してしまえば、ぼくが聴き馴染んでいるその分類に属するバンドはアレア (Area) しかない。しかし、アレア (Area) は、そこでは異端であると思う。視点を変えれば、その分類のバンドの多くは、ぼくの苦手とするモノなのである。

ぢゃあ、拙稿の主人公であるオパス・アヴァントラ (Opus Avantra) はその中でどの様な地位を占めているのだろうか。
記事の指向としては、そちらへと論を進めるべきなのかも知れないが、もう少し個人的な体験を綴っていく事にする。

聴いた当時のぼくが困惑したのは、2作品が全く異なる方向性を呈示していた点にある。果たしておなじバンドの作品なのだろうか。それぐらい異なっている。勿論、第1作と第2作の間隙で、作風や主義主調を方向転換するバンド乃至アーティストがない訳でもない。寧ろ、そんなバンドの方が多いのかも知れない。初めての作品が発表出来るまでの活動とその結果としての創作物が、実際に世の中に顕れて、そしてその荒波に揉まれる事によって [つまり世評や販売実績と謂う成果をみる事によって]、バンド乃至アーティストが否応もなくその針路を変えざるを得ない、と謂う事はよくみられる現象である。実質的には、参加メンバーの流動、マネージメントの変動といったモノによるだろう。

それと同じ様な事情があったのか否か、ぼくには解らない。但し少なくとも、聴いた限りに於いては、第2作はコンセプト・アルバムとして堅固な様相 [七つの大罪 (Seven Deadly Sins) を題材としているそうだ] を堅持している一方で、第1作はその残滓の様に思えるのだ。発表された順番が逆であるのにも関わらず、に。

上の文章で「残滓」と謂う一見、ネガティヴな印象を与える語句を起用してしまったが、ぼくのなかにある位置付けでは寧ろ逆である。様々な音楽の要素、様々なアイデアが混沌として混濁している様にも聴こえる第1作、すなわち本作の方がぼくにとっては好ましい。

それは、危うい緊張関係のなかにあると謂うよりも、その微妙なバランスが崩壊して崩れ落ちていく瞬間の様に思えるからだ。
また、こんな事も思える。
異郷の地を訪れたある旅人が、その街にある様々な音を採取して歩く、そして、その成果、編集する前の状況で聴かされている様な心持ちにもなるのだ。

だから、数十年前に困惑したぼくが久しぶりに本作を聴いてやっぱり困惑してしまう。
そして、その困惑を堪能するが為に、繰り返して聴いている。
そうやってほんの少し理解出来たことは、このバンドの女性ヴォーカル、ドネッラ・デル・モナコ (Donella Del Monaco) の存在感だ。だからと謂って、彼女の声と彼女の旋律が、本作品をひとつの作品へと粘着せしめているとは謂いきれない。彼女の存在によって、この混淆がさらに強調されている様にも聴こえるのだ。つまり、伸びやかな彼女の歌唱のうらで鳴り響いている幾つかの音と旋律へと意識が向けられるのである。

本来ならば、この2作品を提供した人物に当時の真意を問い糾すべきなのかもしれないが、風の便りでは数年前に彼は物故したと謂う。

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一方、バンドは活動を1989年に再開し、本作に続いて3作品を発表している。ネット上では幾作品か試聴出来るので、そこで年代順に聴いてみた。彼等の呈示する世界は次第に理解しやすいかたちへと収斂していく様だ。個人的にはアルバム『リリックス (Lyrics)』 [1995年発表] が、最も聴きやすい。

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最期にジャケット・デザインについて。
少女の眼ばかりが印象的なのだ。そして、その鋭く問い詰める様な視線があるからこそ、ぼくの中では忘れられない作品となっている。もしも第2作の様なヴィジュアルならばとっくの昔に忘却されていただろう [上掲2画像は、その2作品を見開きにしたモノである]。だけれども、その彼女の視線がそこにある情景がよく解らない。皮張りの椅子にもたれている様にも思えるのだが、その椅子を含めて調度の配置が妙なのだ。そして、さらにバックカヴァーに映り込む、彼女より年下の、彼女の弟の様な佇まいの少年は果たしてなにをそこでしようとしているのか、全く謎なのである。
猶、画面右上にはバンド名がクレジットされており、その下に綴られてあるのは、その作品名ではなくてドネッラ・デル・モナコ (Donella Del Monaco) の名前である。
その下に引っ掻き傷の様な紋様があるのだが、これは復刻の原本としたオリジナル・アルバムにあった瑕疵なのであろうか。ネット上に顕れる本作にはどれもおなじ紋様があり、デザインとして当初から意図的に配置されたモノの様でもある。だとしたら、これの意味するモノはなんなのだろう [フィーチャーされたヴォーカリストのサインなのだろうか]。

ものづくし (click in the world!) 219. :『イントロスペツィオーネ (INTROSPEZIONE) 』 by オパス・アヴァントラ (OPUS AVANTRA)


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イントロスペツィオーネ (Introspezione)』 by オパス・アヴァントラ (OPUS AVANTRA)

「70年代イタリアン・プログレッシヴ・ムーヴメントの生んだ至宝。CDのみ、LPでは聴けなかった長大なイントロを完全収録! 解説:鈴木伸一」

1. INTROSPEZIONE 2'04"
2. LES PLAISIRS SONT DOUX 3'36"
3. LA MARMELLATA 2'33"
4. L' ALTALENA 5'35"
5. MONOLOGO 2'37"
6. IL PAVONE 4'52"
7. AH, DOULEUR 4'15"
8. DELIEE 5'00"
9. ORO 3'30"
10. RITUALE 5' 45"
11. INTROSPEZIONE (INTEGRALE) 6'12" Extra Tracks

Soggeto e idea musicale di Donella Del Monaco, Giorgio Bisotto e Alfredo Tisocco ... da una discussione sulla situazione della musica oggi, un anno e mezzo fa tra Monaco e Dortmund in auto, in mezzo a una bufera di neve fra Donella Del Monaco, Giorgio Bisotto e Renato Marengo.

PRODUZIONE : Artis Records
DIREZIONE ARTISTICA : Giorgio Bisotto
ORCHESTRAZIONE E DIREZIONE ENSEMBLE : Alfredo Tisocco
ASSISTENZA TECNO-MUSICALE CREAZIONE EFFETTI SONORI : Mireno Tisato

OPUS AVANTRA : Ensemble musicale
DONELLA DEL MONACO : canto, voce
ALFREDO TISOCCO : pianoforte, tastiere
LUCIANO TAVELLA : flauto
ENRICO PROFESSIONE : violino
PIEREGIDIO SPILLER : violino
RICCARDO PERRARO : violoncello
PIERDINO TISATO : batteria
TONY ESPOSITO : percussioni, strumenti, effetti.

INTROSPEZIONE?
Composizione elettronica e concreta di Giorgio Bisotto, Collaborazione tecnica agli effetti elettronici Mireno Tisato ; piano : Giorgio Bisotto ; synth : Alfredo Tisocco ; percussioni : Tony Esposito ; suoni concreti e sintetici : Bisotto, Tony Esposito e Tisato.

Testi Donella Del Monaco
Musciche di Alfredo Tisocco
NEL PICCOLO GIARDINO
poesia di Marcello Del Monaco
inserita in "Les plaisirs sont doux"
Copertina : Umberto Telesco

ぼくが所有している盤は、ミュージック・ヴィジョンズ (Music Visions) 傘下時のマーキー・レコード (Marquee Records) が輸入販売していたモノで、帯に鈴木伸一 (Shinichi Suzuki) による解説が掲載されている。
猶、CDブックレットには、長文のテキストと図解が掲載されてあるが、イタリア語 (Italiano) である為にぼくには解読出来ない。上に掲載したのは、そこにある作品クレジットと思われる部分である。だから、もしかすると、より重要な情報が抜け落ちている可能性もある。
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