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2020.09.20.08.42

『それから (Sorekara : And Then)』 by じゃがたら (Jagatara)

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初めて入手して聴いた彼等の作品は、EP『家族百景 (Kazoku Hyakkei : One Hundred Vies Of Families)』 [1983年発表] である。本作よりも6年も前の作品である。

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その作品を初めて聴いた時は、混乱した。そして、聴くたびに混乱する。だから、めったやたらに聴く作品ではない。第一に、8インチと謂う形式がそれを疎外する。その混乱に没入する以前に、その作品は終わってしまうのである。
だけれども、その混乱はけっして嫌いなモノではない。寧ろ、それを全身全霊で堪能したいのだ。
にも関わらずに、それが作品全体の短さであるが故に、追い出されてしまうのである。

当時も [そして今も]、その作品を産み出したモノがなんなのか解らない。その作品のゲスト陣のなかに町田町蔵 (Machizo Machida) がいる。人民オリンピックショウ (Jinmin Olympic Show) を率いていた頃だと思う。一度だけ観た。その時の感触にその作品はなんだか似ている様な気もする。
EP『家族百景 (Kazoku Hyakkei : One Hundred Vies Of Families)』と謂う作品は、じゃがたら (Jagatara) と謂うバンドと本作のゲスト陣、例えば町田町蔵 (Machizo Machida) との観応の成果なのだろうか。それとも、当時の音楽シーンそのものがそんな熱波を発していたのだろうか。もしかしたら、その熱波の中心として、じゃがたら (Jagatara) が機能していたのではないだろうか。

だから、その作品を起点として、それを継承する様に、ひたすら混乱を巻き込んだかの様な作品を彼等が生成していってくれれば、ぼくは彼等の作品を追い、そして聴き続けていたのだろうと思う。

つまり、そうではなかった。
寧ろ、その逆。ひとつの音楽集団、バンドとしての結束をより強調する方向へと舵をきった様に思える。彼等の初期を語る幾つもの逸話の様な風評、あらたな逸話も聴こえてこなくなる。

そして、もうひとつの理由が、ヴォーカリストである江戸アケミ (Akemi Edo) の発病と、その結果によるバンドの活動停止である。
個人的には、それがとても予想外のモノであった。そのバンドに於ける江戸アケミ (Akemi Edo) の存在の大きさを知ると同時に、じゃがたら (Jagatara) はぼくの想像していた様なバンドではなかったからである。
江戸アケミ (Akemi Edo) の不在にも関わらずに、彼等は活動出来た様に思っていたのだ。そして、思う。EP『家族百景 (Kazoku Hyakkei : One Hundred Vies Of Families)』も、江戸アケミ (Akemi Edo) と謂う人物がいるからこそ、あの様な作品になったのだろうか、と。

だから、江戸アケミ (Akemi Edo) が復帰し、幾つもの作品が発表されていっても、ぼくが彼等の作品を入手する事はなかった [念の為に綴っておけば、そのうちの数作品は、幾つかの経路から聴く事は出来ていた]。

本作『それから (Sorekara : And Then)』がぼくの手許にあるのは、彼等がメジャー・デヴューしたからである。その初作が本作なのである。
バンドの力量や知名度から考えれば、メジャーに属する必然性もあまり感じられないなかで、何故、メジャーと謂う場所を選んだのか。と、同時に、メジャー・レコード会社たるBMGビクター (BMG Victor, Inc.) が何故、彼等をも手中にしようとしたのか。そんな興味が先行したのだ。
敢えて謂えば、バブル景気 (Japanese Asset Price Bubble) と呼ばれる当時の最中、それに乗っかって踊っているのは誰なのか、踊らされているのは誰なのか、と謂う興味だけが、ぼくにあったのである。そして、そんな興味だけで音楽作品を購入してしまえるだけの余剰がぼくにもあったのだ。直前にある文章で掲げられた疑問はそのまま、ぼく自身にも、向ける事が出来るのだ。

そして当時、この作品を聴く。
こんな駄文を綴る綴る為に、久しぶりにこの作品を聴く。
音楽は気持ち良い。それに乗せられて踊るのも快いだろう。だが、それを疎外するモノがある。妙なひっかかり、居心地の悪いモノが横溢している様にも思える。その大概はことばにある様に思える。
曲ではなくて詞なのである。
しかもその詞は、もっと巧妙にぼくの耳に侵入しても良さそうなモノなのに、敢えてそんな手法を放棄している様に思える。つまり、素朴なモノでも不器用さの表出でもない。常套句はそこかしこに顕れる。だから、それに騙される事も可能だ。逆に謂えば、教科書的な物謂いの向こうに、本心ないし本音があって、それをまさぐりださねばならない。そんな気持ちに陥るのである。

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それは今だけの事ではなくて、当時も恐らくそう思ったのだ。
何故ならば、次作『ごくつぶし (GokuTsubushi : An Idler)』 [1989年発表] も入手して、彼等の音楽を聴き続けようとしたからである。
江戸アケミ (Akemi Edo) の訃報が飛び込んでくるのは、そのほんのすこし後である。

附記:
本作バック・カヴァーを飾る少女の笑顔には、何故だか既視感 (Deja-vu) がある。しかし、その理由がいまだに解らない。どこで観たのだろう、と思う [そして当時もそう思った筈だ]。
ぼくが提出出来る唯一の解は、フランク・ザッパ (Frank Zappa) ・アンド・ザ・マザーズ・オブ・インヴェンション (The Mothers Of Invention) のアルバム『バーント・ウィーニー・サンドウィッチ (Burnt Weeny Sandwich)』 [1970年発表] のバック・カヴァーである。そこに写っているのが少女でないのは無論である。単純に、ふたつの写真の色調がそっくりなのだ [ちなみにフランク・ザッパ (Frank Zappa) と本作の符丁はこのふたつのヴィジュアルだけにあるのではない]。
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ものづくし (click in the world!) 215. :『それから (Sorekara : And Then)』 by じゃがたら (Jagatara)


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それから (Sorekara : And Then)』 by じゃがたら (Jagatara)

「あのJAGATARAメジャーデヴュー第一弾
ハルマゲドンをぶっ飛ばせ! [我関せず]」

1. TABOO SYNDROME
 いっちゃいけない症候群
 江戸アケミ作詞・作曲、JAGATARA編曲

2. GODFATHER
 黒幕
 江戸アケミ作詞、EBBYJAGATARA作曲、JAGATARA編曲

3. BLACK JOKE
 気の利いたセリフ
 江戸アケミ作詞、JAGATARA作曲・編曲

4. CASH CARD
 カード時代の幕開け
 江戸アケミ作詞・作曲、JAGATARA編曲

5. つながった世界
 FUCK OFF!! NOSRTADAMUS
 江戸アケミ作詞、EBBY作曲、JAGATARA編曲

6. ある平凡な男の一日
 A DAY IN THE LIFE OF A MAN
 江戸アケミ作詞・作曲、JAGATARA編曲

7. 中産階級ハーレム - 故ジョン・レノンと全フォーク・ミュージシャンに捧ぐ -
 MIDDLE CLASS HARLEM
 江戸アケミ作詞・作曲、JAGATARA編曲

おまけ
8. ヘイ・セイ! (元年のドッジボール)
 HEY SAY!
 江戸アケミ作詞・作曲、JAGATARA編曲

MEMBERS
AKEMI EDO ; VOCAL
NABE CHANG ; BASS, CHORUS
EBBY ; GUITAR, CHORUS
OTO ; GUITAR, MC500, CHORUS
TEIYU ; DRUMS
TOMOHIRO YAHIRO ; PERCUSSIONS
YOHICHI MURATA; TROMBINE
MASAMI SHINODA ; SAXOPHONES
KEN KITAMURA ; KEYBOARD
SASUGA MINAMI ; CHORUS
YUKARIN ; CHORUS
members photo by yasuo yagi

GUEST MUSICIANS
TETSUJI YOSHIDA (TRUMPET ON 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8.)
KAZUTOKI UMEZU (ALTO SAXPHONE & CHORUS ON 5.)
JOHN ZORN (ALTO SAXPHONE ON 7.)
TAKEROH SEKIJIMA (TUBA ON 6.)
HAMZA EL DIN (TAR ON 7.)
OH AKIOKA (CAVAQUINHO ON 6.)
YAN TOMITA (STEEL PAN ON 6.)
HARUO CHIKADA from VIBRASTONE (CHORUS ON 5.)
ECD (CHORUS ON 5.)
TAKAYOSHI MATSUNAGA from MUTE BEAT (WOODBASS ON 4)
TOMOHIRO KARINO (ACOUSTIC GUITAR ON 7.)
KUMI TOYOKAWA, HIROSHI KAWABE, MIKI KOJIMA, KYOKO OKAMOTO, TAKUYA HARADA, KOTOKO HARADA, CHIEKO BEAUTY, YASUO YAGI. (CHORUS ON 7. 8.)

SPECIAL THANKS TO
OVERHEAT MUSIC, SHIGERU SASAGO, IZM Inc., YASHA, KOICHI HANABUSA, I3 PROMOTION, TSUYOSHI NAKADA, YUUKO UCHIBORI, YOKOTA FAMILY

EXECUTIVE PRODUCED BY NORIYUKI MATSUI
PRODUCED BY JAGATARA
ALL SONGS ARRANGED BY JAGATARA, OTO
HORN ARRANGED BY YOHICHI MURATA (ON 2. 3. 6.) AKEMI EDO (ON 4. 5. 7. 7. 8.) OTO (ON 1.)

SOUND CO-PRODUCED BY MASAMI ENDOH
RECORRDED AT STUDIO "A" (TOKYO) L.D.K. STUDIO (TOKYO) MUSIC INN YAMANAKAKO STUDIO (YAMANASHI) STUDIO PLUS XXX (PARIS) STUDIO DAVOUT (PARIS)
RECORDING ENGINEERES MITSUO KOIKE YASUHIKO TERADA YOSHINORI KAJI
ASSISTANT ENGINEERES KIKOH UEHARA VALDES PHILIPPE (STUDIO PLUS XXX) CERBONESCHI PHILIPPE (STUDIO DAVOUT)
MIXED BY GODWIN LOGIE
DISK MASTERING ENGINEER ; YOSHINORI KAJI
RECORDING CO-ORDINATOR HIROSHI ASADA LAMBERT BOUDIER
A & R ; HIROMI YOSHIZAWA
ARTIST MANAGEMENT ; MITSURU MAEMORI (J. BRANCH)
ART DIRECTION & DESIGN ; YASUO YAGI for PICTOX65
SLEEVE PHOTOGRAPH BY HIDEKAZU MAIYAMA
HAIR & MAKE UP ART ; TETSUYA KAMEYAMA

解説:中村洋一、八木康夫

(P) 1989 BMG VICTOR, INC.. MADE IN JAPAN STEREO
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