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2009.01.13.20.34

にきーた

リュック・ベッソン(Luc Besson)監督の初期のヒット作、映画『二キータ(Nikita)』のタイトル・ロール。
アンヌ・パリロー(Anne Parillaud)がその役を演じた。
映画もヒットして、その後ハリウッド資本によって『アサシン 暗・殺・者(Point Of No Return)』[ジョン・バダム(John Badham)監督作品]としてリメイクされて、さらにTVシリーズ『ニキータ(La Femme Nikita)』となったようだ。
リメイク作品はおろか、その後のスピン・オフ(Media Spin-off)のシリーズを未見の僕にとっての、ニキータ(Nikita)とは、実は映画ですらない。

images
実は、上に掲載するスチールなのである。映画本編の中では、暗殺者(Assassin)としての教育を終えたばかりの彼女の最初のミッション実行中での、ワンショットである[その本編シーンはこちらで観る事が出来る]。

拳銃を抱え、闇に蹲る彼女の肢体と、なかでもとりわけ、彼女が履くピンヒールに、眼を奪われたのだ。
この映画が公開された1991年当時のファッション感覚で言うと、ちょっとアウト・オヴ・デイト、というよりもレトロに近い印象があった。
と、いうのも当時はバブル(Japanese Asset Price Bubble)崩壊直前、勿論そのバブル(Japanese Asset Price Bubble)が崩壊するなんて全く持って予想だにしていなかった頃。
僕の周囲の女性陣は、ヒールの低い、それこそ時が時ならばスニーカー(Air Jordan)で、そこら中を駆けずり回っていた印象があるからなのだ。
勿論、そんな彼女達も、いざと言うときは、そんな出で立ちをしていたのかもしれないが、少なくとも、僕に対しては、いざという状況ではなかったらしい。
もっぱら、僕がピンヒールの女性に逢うのは、先年末になくなったベティ・ペイジ(Bettie Page)に代表される、アーヴィング・クロウ(Irving Klaw)による、1950年代(1950's)に制作されたボンテージ(Bontage Fashion)なグラフィック作品においてだった。

つまり、その『二キータ(Nikita)』のポスターに現れるアンヌ・パリロー(Anne Parillaud)の肢体は、ベティ・ペイジ(Bettie Page)らが活躍したピンナップ・ガール(Pin-up Girl)の時代を想起させるものだったのである。
無骨で殺伐とした殺人機械である拳銃と、暗闇の中に蹲る彼女が身につけているもの一切が、あまりに乖離している。
そしてその象徴が、ピンヒールなのだ。

その暗殺者としては相応しからぬ(筈の)ピンヒール的な要素を、むしろその要素をこそ最大限に活用すべきであると教授するのが、アマンド(Armande, une instructrice du centre)。それを演じたジャンヌ・モロー(Jeanne Moreau)の瞳は、この作品でもとても印象的だ。

ところで、この映画が公開された後に日本では、もう一人、暗殺者(Assassin)として育てられた女性の過酷な生き様を描いた作品が発表される。
小山ゆうの漫画『あずみ』である。主人公の向かうベクトルは,『二キータ(Nikita)』とは別の方向を指していた様だが、ニキータ(Nikita)にとってのピンヒールに代替されるものが、やっぱりあずみにもある。
それは、彼女の眩しいばかりの大腿なのではないだろうか?

次回は「」。
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