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2020.02.16.08.37

『ベスト・オブ・BB (BEST OF BB)』 by ブリジット・バルドー (BRIGITTE BARDOT)

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正直に告白すると、ぼく自身が思っている程には、彼女の出演作品は体験していないのだった。
きっと、片掌で数える程だろう。

にも拘らずに、ブリジット・バルドー (Brigitte Bardot) と謂う名前と彼女の顔、そしてその肢体には、何故か、特別な感情が寄せられている。
何故だろうか。

例えば、ある歌詞のこんな一部を幾つかここに綴るのはどうだろう。

この頃はやりの 女の子 / おしりの小さな 女の子
今どき人気の 女の子 / プクッとボインの 女の子
この頃はやりの 女の子 / 子猫の肌した 女の子

勿論、これはTVアニメ番組『キューティー・ハニー (Cutie Honey)』 [原作: 永井豪 (Go Nagai) 19731974NET系列放映] の主題歌『キューティー・ハニー (Cutie Honey)』 [作詞:クロード・Q (Claude Q) 作曲:渡辺岳夫 (Takeo Watanabe) 歌唱:前川陽子 (Yoko Maekawa)] の歌詞からの引用であって、ブリジット・バルドー (Brigitte Bardot) とは一切、関係ない。だけれども、この歌を聴くと時折、主人公である如月ハニー (Honey Kisaragi) の姿態ではなくて、彼女の裸体が思い浮かぶのだ。
それは同時季に放映されていた、もうひとつのアニメ番組『魔女っ子メグちゃん (Majokko Megu-chan)』 [19741975NET系列放映] でも、同様だ。その作品に登場するふたりの少女、主人公である神崎メグ (Megu Kanzaki) とその敵役である郷ノン (Non Gou) は、彼女の個性をそれぞれ別の局面からの視点で描いた様に思えるのだ。

無論、峰不二子 (Fujiko Mine) [アニメ番組『ルパン三世 (Lupin The Third)』 [原作:モンキー・パンチ (Monkey Punch 19711972よみうりテレビ系列放映] に登場] も、だ。彼女が黒革 (Black Leather) のジャンプスーツ (Jumpsuit) を身に纏い、ハーレーダビッドソンジャパン (Harley-Davidson) を疾駆させるその姿は、映画『あの胸にもういちど (La Motocyclette)』 [ジャック・カーディフ (Jack Cardiff) 1968年制作] でのマリアンヌ・フェイスフル (Marianne Faithfull) 演じる主人公レベッカ (Rebecca) からの引用だ。だけれども、その映像のどこかに、TV番組『B.B.スペシャル~今宵バルドーとともに (Brigitte Bardot Show)』 [エディ・マタロン (Eddy Matalon)、フランソワ・レシャンバック (Francois Reichenbach) 監督作品 1967年制作] で、セルジュ・ゲンスブール (Serge Gainsbourg) 提供の楽曲『ハーレイ・ダヴィッドソン (Harley Davidson)』を歌唱する彼女の肢体が投影されていないだろうか。何故ならば、その映画でのレベッカ (Rebecca) は、ひとりの恋人、ダニエル (Daniel) [演:アラン・ドロン (Alain Delon)] を追い求める一途なおんななのだから。そのアニメ作品に於いて、主人公であるルパン三世 (Lupin The Third) を翻弄し続ける峰不二子 (Fujiko Mine) とはすこし違う。

きっと、ぼく達の少年時代に顕れた女性達のいくつかのイメージの源流を辿っていくと、彼女と彼女が演じた女性達に到達するのであろう。
ある時代のある女性達、彼女達の美くしさや彼女達の情感の、集合知 (Collective Intelligence) ならぬ集合美 (Collective Beautifulness)、それがブリジット・バルドー (Brigitte Bardot) なのである。

女優としての彼女がその様な存在ならば、果たして、歌手としての彼女は如何なる存在なのだろうか。
本作を聴けばその一端が判明すると謂うのならば、頼もしい作品ではあるが、隔靴掻痒たる想いがしないでもない。
本作に収録された20曲を漫然と聴いているよりも、セルジュ・ゲンスブール (Serge Gainsbourg) が提供し、デュエットを試みた楽曲『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ (Je t'aime moi non plus)』だけを聴いている方が、遥かに解るのかもしれない。

1967年に収録されたその曲は当時は発表されず、しかも、その曲は1969年に、ジェーン・バーキン (Jane Birkin) とセルジュ・ゲンスブール (Serge Gainsbourg) とのデュエット曲『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ (Je t'aime moi non plus)』 [アルバム『ジェーン & セルジュ (Jane Birkin/Serge Gainsbourg)』 [1969年発表] 収録] として発表される。
ブリジット・バルドー (Brigitte Bardot) 版とジェーン・バーキン (Jane Birkin) 版を交互に聴き比べ、前者にあって後者にないモノ、後者にあって前者にないモノに想いを馳せれば良いのだ。

もしかしたら、それはゴシップめいたスキャンダラスなモノを追い求めてしまう結果になってしまうのかもしれない。だからと謂って、一線で踏みとどまる必要もないのかもしれない。虚虚実実の、ひとりのおんなとひとりのおとこの駆け引き、その物語としてみればいいのだ。

何故ならば、ブリジット・バルドー (Brigitte Bardot) もジェーン・バーキン (Jane Birkin) もおんなであるのと同様に、女優であり歌手であるからなのだ。そこにある際どい差異に翻弄されていればいい。そして、その翻弄を最も期待し、その結果、最初にして最大の被害者となったのが、作者であるセルジュ・ゲンスブール (Serge Gainsbourg) なのである。それを承知の上でぼく達は、彼が負ったきずのおおきさ、ふかさ、そして傷みを味わえば良いのだ。

そおゆう聴き方をしてみれば、少なくとも、セルジュ・ゲンスブール (Serge Gainsbourg) よりも彼女の方が遥かに上手なのである。

彼からみれば、楽曲『アニーとボンボン (Les Sucettes)』 [アルバム『ギャル + 2 (Gall)』収録 1966年発表] を提供したフランス・ギャル (France Gall) は玩具だったのかもしれない。
しかし、ブリジット・バルドー (Brigitte Bardot) は玩具たりえなかった。もしかしたら、彼の方が彼女にとっての玩具だったのかもしれない。そんな印象さえ抱いてしまう。
そして、彼女によって手酷い火傷を負ってしまった彼が辿り着いたのが、ジェーン・バーキン (Jane Birkin) なのだった。と、謂う様な物語は簡単に紡げてしまう。

ブリジット・バルドー (Brigitte Bardot) と謂う歌手は、ぼくにとってはその様な存在なのだ。
だから、彼が提供し、彼女が唄う楽曲はどれもスリリングでしかも、多様な解読を可能としてくれる。

そして、本作を聴く度に、いつも思う。
なぜ、この作品には楽曲『イニシャル B.B. (Initials B.B.)』 [アルバム『イニシャルB.B. (Initials B.B.)』  [1968年発表] 収録] が収録されていないのだろうか、と。
尤も、収録されていないのも当然なのだ。楽曲の内容自体は、セルジュ・ゲンスブール (Serge Gainsbourg) からブリジット・バルドー (Brigitte Bardot) へのラヴ・レターでありながら、彼女はそこでは歌唱していない。純然たる彼のソロ・ナンバーなのである。
にも拘らずに、ぼくは、この楽曲が彼女の作品として、ここにあって欲しいと思っているのだ。

ところで、拙稿を綴るにあたり、下に掲載してあるクレジット関係の資料を蒐集してある際の事である。
本作での彼女の撮影者、サム・レヴィン (Sam Levin) の名前で検索すると、彼女の写真ばかりが登場してくる。本作には、表裏のジャケットに起用されたモノも含め計5点の、彼女を撮影した彼の作品が掲載されているが、ネット上に顕れるのは、それだけではない。
あれもこれもどれも、と謂う具合に、何度となく此処彼処で観てきた彼女の写真なのだ。
もしかすると、ヴィジュアル・イメージに於けるブリジット・バルドー (Brigitte Bardot) と謂う存在を形成したのは、撮影者である彼なのかもしれない。

ものづくし (click in the world!) 208. :『ベスト・オブ・BB (BEST OF BB)』 by ブリジット・バルドー (BRIGITTE BARDOT)


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ベスト・オブ・BB (BEST OF BB)』 by ブリジット・バルドー (BRIGITTE BARDOT)

彼女の歌は官能的で誠実だった ...

BBの魅力がこの1枚に永遠に刻まれる ゲンスブールとのデュエット曲『ジュテーム』『ボニー & クライド』他全20曲のベスト・セレクション
<解説・歌詞・対訳付>

ブリジット・バルドー
パリ生まれ。'60~'70年代にかけてモデル、女優、歌手として大活躍、世界中からBB [ベベ] の愛称で親しまれ、セックス・シンボルとして爆発的な人気を集めた。セルジュ・ゲンスブールによって歌手としての境地を開き、'62年に『シドニー』でデヴュー。'82年のラスト・レコーディング『狩り』まで数々のヒット曲、名曲を残している。

01. ため息の装置 1'26
L'appareil a1 sous 1'26 S. Gainsbourg. Tutti. Brigitte Bardot is accompainied by Claude Bolling and his orchestra. A&R production : Claude Dejaques. (P) 1962 Phonogram (France). Taken from the album Brigitte Bardot (1963)

02. ふたりの夏にさよなら 2'35
La Madrague 2'35 J. M. Riviere / G. Bourgeoois. Warner Chappell Music France. Brigitte Bardot is accompanied by Claude Bolling and his orchestra. A&R production : Claude Dejaques. (P) 1962 Phonogram (France). taken from the album Brigitte Bardot (1963)

03. 私の身体は彼のもの 1'58
Je me donne a qui me plait 1'58 S. Gainsbourg. Tutti. Brigitte Bardot is accompanied by Claude Bolling and his orchestra. A&R production : Claude Dejaques. (P) 1962 Phonogram (France). Taken from the album Brigitte Bardot (1963)

04. モア・ジュ・ジュー 1'40
Moi je joue 1'40 J. M. Riviere / G. Bourgeoois. Odette Gras Publishing (Gerard Zeau). Brigitte Bardot is accompanied by Alain Goraguer and his orchestra. A&R Production : Claude Dejaques. (P) 1964 Phonogram (France). Taken from the album BB (1964)

05. 浜辺の物語 1'51
Une histoire de de plage 1'51 J. M. Riviere - Y. Spanos / G. Bourgeoois. BMG Music (Vendome). Arranged by : C. Bolling. Brigitte Bardot is accompanied by Alain Goraguer and his orchestra. A&R production : Claude Dejaques. (P) 1964 Phonogram (France). Taken from the album BB (1964)

06. 変わるかも 1'44
Ca pourrait changer 1'44 B Barratt. Marconi. Adapted by : G. Bourgeoois /J. M. Riviere. Brigitte Bardot is accompanied by Alain Goraguer and his orchestra. A&R production: Claude Dejaques. (P) 1964 Phonogram (France). Taken from the album BB (1964)

07. 彼をこのまま愛させないで 1'56
Ne me laissse pas I'aimer 1'56 J. M. Rivat / F. Fumiere. Meridian. Brigitte Bardot is accompanied by Alain Goraguer and his orchestra. A&R production : Claude Dejaques. (P) 1964 Phonogram (France). Taken from the album BB (1964)

08. マリア・ラムール 2'32
Maria Ninguen [Maria L'Amour] 2'32 Carlos Lyra Semi Publishing. Brigitte Bardot is accompanied by Alain Goraguer and his orchestra. A&R production : Claude Dejaques. (P) 1964 Phonogram (France). Taken from the album BB (1964)

09. 我踊る故に我あり 1'52
Je danse donc je suis 1'52 Massoulier / A. Popp Sidonie. Brigitte Bardot is accompanied by Alain Goraguer and his orchestra. A&R production : Claude Dejaques. (P) 1964 Phonogram (France). Taken from the album BB (1964)

10. ベッドの空 1'41
Ciel de lit 1'41 J. M. Riviere / G. Lasso - G. Bourgeoois. Chappell SA / Tutti. Brigitte Bardot is accompanied by Alain Goraguer and his orchestra. A&R production : Claude Dejaques. (P) 1964 Phonogram (France). Taken from the album BB (1964)

11. ボニーとクライド 4'12
Brigitte Bardot and Serge Gainsbourg Bonnie and Clyde 4'12 S. Gainsbourg. Sidonie / Melody Nelson Publishing. Arranged and orchestra directed by Michel Colombier. A&R production : Claude Dejaques. (P) 1968 Phonogram (France). Taken from the original 45 tours Bonnie and Clyde

12. 恋は風船ガム 1'45
Bubble Gum 1'45 S. Gainsbourg. Sidonie. Orchestra directed by Michel Colombier. A&R production : Claude Dejaques. (P) 1966 Phonogram (France). Taken from the original 45 tours Bubble Gum (1965)

13. 太陽 3'14
Le Soleil 3'14 J. M. Riviere / G. Bourgeoois. Warner Chappell Music France. Orchestra directed by : Charles Blackwell. (P) 1966 AZ/Musidisc. Taken from the original 45 tours Lesoeil (1966). By courtesy of AZ Records

14. ハーレイ・ダヴィッドソン 2'20
Harley Davidson 2'20 S. Gainsbourg. Sidonie / Melody Nelson Publishing. Orchestra directed by : Michel Colombier. (P) 1967 AZ/Musidisc. Taken from the original 45 tours Harley Davidson (1967). By courtesy of AZ Records

15.コンタクト 2'20
Contact 2'20 S. Gainsbourg. Tutti. Orchestra directed by Michel Colombier. (P) 1967 AZ/Musidisc. Taken from the original 45 tours Harley Davidson (1967). By courtesy of AZ Records

16. ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ 4'29
Brigitte Bardot and Serge Gainsbourg Je t'aime moi non plus [1967 original version] 4'29 S. Gainsbourg. Melody Nelson Publishing. Orchestra directed by Michel Colombier. A&R production :Claude Dejaques. (P) 1986 Phonogram (France). Taken from the 3CD box set Initiales BB

17. あの人、なんていやな人 2'30
Oh! Qu'il Est Vilain 2'30 J. M. Riviere / G. Bourgeoois. Warner Chappell Music France / Tilt / SemiPublishing. Brigitte Bardot is accompanied by Paul Piot and his orchestra. (P)1968 AZ/Musidisc. Taken from the original 45 tours Brigitte Bardot (1968). By courtesy of AZ Records

18. はだかの太陽 2'20
Nue au soleil 2'20 J. Schmitt / J. Fredenucci. Nouvelles Editions Eddie Barclay. Musical direction: Herve Roy. (P) 1970 Barclay. Taken from the original 45 tours Nue au soleil (1970). By courtesy of Barclay Records

19. 欲しい、欲しくない 2'30
Tu veux ou tu veux pas [Nem Vem Que Nas Tem] 2'30 C. Imperial. IMG (Suisse) PECF. Adapted by P. Courr. Musical direction : Herve Roy. (P) 1970 Barclay. Taken from the original 45 tours Tu Veux ou veux pas (1970) By courtesy of Barclay Records

20. あなたは私の太陽 2'30
Brigitte Bardot and Sacha Distel le soleil de ma vie [You are the sunshine of my life] 2'30 S. Wonder. BMG Ariola France. Adapted by J. Broussolle. (P) 1973 Prosadis. Taken from the original 45t Le Soleil de ma vie (1973). By courtesy of Prosadis Records

Designed and produced by Jean-Yves BIllet.
Remasterized from original multi- 3-tracks.
Masters by Jean-Marie Guerin.
Aknowlodgements : Jean-Pierre Haie for his precious help.
Photographs by Sam Levin.
Art by Pascal Bejean, Blue Elastique (special thanks to Madame Levin and Herve Imbault).

original liner-notes by Jacques Leblanc, Juke Box Magazine

(P) & (C) 1996 Mercury (France) All rights reserved. Unauthorized copying, reproduction, hiring, lending, public performance and broadcasting prohibited Mercury Entertainment Co., Ltd.. Distributed by PolyGram K.K.

僕が所有している日本盤CDには、 雑誌『エフエムファン (FM Fan)』小林俊彦の解説と対訳 [1.7.9.20. by 鳥取絹子 (Kinuko Tottori)、8. by 国安真奈 (Mana Kuniyasu)] が封入されている。
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