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2019.10.01.08.46

なーす

拙稿で取り上げるのは、TV番組『ウルトラセブン (Ultra Seven)』 [19671968TBS系列放映] 第11話『魔の山へ飛べ (Fly To Devil's Mountain)』 [脚本:金城哲夫 監督:満田かずほ 特殊技術:的場徹] に登場するロボット (Robot) である、残念ながら。
なにをもって残念であるのかはここでは詳らかにはしないけれども、残念なモノは残念なのである。致し方ない事このうえない。

その挿話の主人公は宇宙野人 ワイルド星人 (Alien Wild, The Space Yeti) であり、宇宙竜ナース (Nurse, Space Dragon) は、彼の宇宙船 (Space Ship) であると同時に、彼の走狗である。前者である場合は、蛇 (Serpent) が塒を巻く (Coiling Itself) 様に円盤 (Flying Saucer) 形態となり、後者である場合はその名にある様に、 (Dragon) 形態となって顕れる。
(Dragon) と謂う架空生物の形態を模した人工物を、その様な2形態でもって描写した発想は極めて秀れたモノである。

それではその発想の根源はどこにあるのか、と問うてみると、その解答は既に上に綴ってしまった様に思われる。つまり、「蛇が塒を巻く (Coiling Itself) 様に」と謂う文言である。即ち、その形態を機械として表現するにはどうしたら良いのか、と謂うその解答のひとつが宇宙竜ナース (Nurse, Space Dragon) なのである。
[もしかしたら、蚊取線香 (Mosquito Coil) とそれが商品として梱包されている際の形態が、大元にあるのかもしれない。幼いときのある夏、円盤花火 (Saxon) に着火して、宇宙竜ナース (Nurse, Space Dragon) だとはしゃいだ夜がかつてあった事も否定出来ない]。

上の段落は、読み返してみると、同じ様な文言をただひたすらこねくり回し、あたかもウロボロス (Ouroboros) の様な、始まりもなければ終わりもない様な字面が並んでいる様な気がする。
そして、何故、そうなってしまうのかと自問すれば、宇宙竜ナース (Nurse, Space Dragon) がその様な2形態を取りうるのは、至極当然の現象の様に、ぼくが感じているからなのだ。
この点に関して、ぼくがあらたに謂うべき事はなにもないからなのである。
だから、「極めて秀れたモノである」と断定して、そこで論を封じても良かったかもしれない。

ところが、どこのだれもが指摘する宇宙竜ナース (Nurse, Space Dragon) の2形態云々とは別のところに、ぼくの関心があり、そこが最も不思議に感じられるところなのである。
それは、宇宙竜ナース (Nurse, Space Dragon) の頭部なのだ。

円谷プロ (Tsuburaya Productions Co., Ltd.) が制作した幾つもの映像作品には、 (Dragon) の系譜がある様に思える。
架空生物としての (Dragon)、もしくは、それを模して怪獣 (kaiju) 化させた生物のどれにもある共通項を見出せるのだ。
つまり、どれもこれも似た様な造形をしているのである。
旧くは映画『日本誕生 (The Three Treasures)』 [稲垣浩 (Hiroshi Inagaki) 監督作品 1959年制作] に登場した八岐大蛇 (Yamata no Orochi) から始まって、 [ぼくの思いつく限り最新のモノでは] 映画『ヤマトタケル (Orochi, The Eight-Headed Dragon)』 [大河原孝夫 (Takao Okawara)、川北紘一 (Koichi Kawakita) 監督作品 1994年制作] に登場する八岐大蛇 (Yamata no Orochi) までに、みうけられる。勿論、そのなかには映画『海底軍艦 (Atragon)』 [本多猪四郎 (Ishiro Honda) 監督作品 1963年制作] で初登場した怪竜マンダ (Manda, The Sea Dragon) も、映画『三大怪獣 地球最大の決戦 (Ghidorah, The Three-Headed Monster)』 [本多猪四郎 (Ishiro Honda) 監督作品 1964年制作] で初登場した宇宙超怪獣キングギドラ (King Ghidorah, The Invasive Species) も、その系譜に属する。それらも、その系譜に準じた、ある統一した造形美に従って産み出されている様に思える。

そして、その造形美を規範として、爬虫類 (Reptilia) ないし恐竜類 (Dinosaur) をその発想の原点にもつ怪獣 (Kaiju) が産み出されている様にも思えてしまう。
極論を謂えば、怪獣王ゴジラ (Godzilla, The King OF The Monsters) も暴竜アンギラス (Anguirus, The Boisterous Dragon) も地底怪獣バラゴン (Baragon, The Subterranean Reptile) も、 (Dragon) の系譜の末裔にある様に思えてしまうのだ。彼等でさえも、 (Dragon) のそれに属する、造形的な共通解を見出してしまえるのである。

だが、 (Dragon) の名を名乗りこそすれ、宇宙竜ナース (Nurse, Space Dragon) はその系譜からは外れてしまっている様に、ぼくには思える。

宇宙竜ナース (Nurse, Space Dragon) の様に、人工的に創造された (Dragon) 形態の怪獣 (Kaiju) に、映画『ゴジラ・ヴァーサス・キングギドラ (Godzilla Vs. King Ghidorah)』 [大森一樹 (Kazuki Ohmori)、川北紘一 (Koichi Kawakita) 監督作品 1991年制作] に登場するサイボーグ怪獣メカキングギドラ (Mecha-King Ghidorah, The Cyborg King Ghidorah) がある。しかし、宇宙竜ナース (Nurse, Space Dragon) はそれとも違う様に思える。尤も、サイボーグ怪獣メカキングギドラ (Mecha-King Ghidorah, The Cyborg King Ghidorah) は生命体である宇宙超怪獣キングギドラ (King Ghidorah, The Invasive Species) を忠実に模刻したモノだから、その造形美に忠実であり、そしてその結果、上に記した様な (Dragon) の系譜に忠実でもある。
それを前提にしても、作品上に於けるそれぞれの出自を考慮すれば、サイボーグ怪獣メカキングギドラ (Mecha-King Ghidorah, The Cyborg King Ghidorah) は、近しい筈の宇宙竜ナース (Nurse, Space Dragon) よりも怪竜マンダ (Manda, The Sea Dragon) の方に遥かに共通解が多いのである。

あらためて、宇宙竜ナース (Nurse, Space Dragon) の頭部をみてみよう。
金属製である事の主張そのものであるかの様な黄金色のそれは、下顎と、2対の突起物が可動する。
それらの突起物は恐らく、架空生物であるところの (Dragon) の、鼻腔の上にある1対の触手 [髭か?] と耳殻の上にある1対の角を模刻したモノであろう。その3種5点が稼働する事により、宇宙竜ナース (Nurse, Space Dragon) は多様な表情を織り成す事が可能となっている。
だが、それ故に、それらのありかたによっては、とても生物を模刻したモノとは思えない様な、思いがけない造形となって顕れる場合がある [勿論、それは鑑賞者であるぼくに与えられた視点そのモノによる場合もあるだろう]。
そして、それこそが、ぼくの宇宙竜ナース (Nurse, Space Dragon) への最大の疑問なのである。

鋭角的な突起物が不規則に配置され、それを維持している本体となるべきモノは緩やかな曲線で構築されて、そこに不思議な美を見出す事も出来る。
宇宙竜ナース (Nurse, Space Dragon) の頭部とは、ぼくにとって、その様な造形なのだ。

images
"Forme uniche della continuità nello spazio" by Umberto Boccioni

上掲の、未来派 (Futurismo) に属するウンベルト・ボッチョーニ (Umberto Boccioni) の、ブロンズ作品『空間における連続性の唯一の形態 (Forme uniche della continuità nello spazio)』 [1913年制作 ニューヨーク近代美術館 (The Museum Of Modern Art, New York) 所蔵] を、時計の反対周りに90度回転させたその上に、その人体頭部をある生物の頸部として観る事が出来るのならば、その右脚がその生物の下顎に、その左脚がその生物の上顎にみえないだろうか。
そして、そうみえてしまうとその結果、ぼくには、この作品が宇宙竜ナース (Nurse, Space Dragon) の祖型であるかの様に、感じられてしまうのである。

次回は「」。
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