2019.09.01.09.40
こんな夢をみた。

the poster for the movie "Repulsion" 1965 directed by Roman Polanski
ベッドでYは微睡んでいる。彼女にもうすこしつきあいたいが、でかける時間だ。身支度を整えて、出勤する。
階段を降りると、大家の妻に出逢う。彼女達の2階をぼくが間借りしているのだ。
あさの挨拶をすると、彼女がこうきりだす。
「今日なんです」
ある日のことだ。大家に呼び出される。開口一番、彼はこう謂う。
「近々、自殺する事にしました。わたしだけじゃない。妻も息子もです」
どうこたえていいのかわからない。
「とめても無駄ですよ。もう決まった事なんです」
同席しているひとり息子がにこやかにつけたす。
すると、ぼくが最初の発見者になるのか。面倒なことだな。
いや、それよりも、ぼくの生活はどうなる。
家主とその家族が全員死んでしまったら、2階の貸間はどうなるのだろう。ここをでなければならないのだろうか。
それが数日前のことだ。
あれ以来、一向に沙汰なしで、ぼくはかつがれたのだろうと思っている。
一家の生活にはまったくかわりはないし、ぼくの賃貸生活にもなんら言及がない。
彼女はふたたび謂う。
「今日なんです。駅までご一緒していいですか」
ぼくはなんとこたえるべきなのだろう。
縷々とここにいたる家族の内情を、彼女がかたったのかどうかわからない。
彼女の内心、本音が吐露されたのかもわからない。
ただ、ぼくは彼女を抱いている。
でかけたはずのぼく達はいつのまにか、帰宅していて1階にいる。一家心中を告げられたその部屋だ。
彼女のもとめにおうじているぼくは視線を感じる。きっとYだ。
<暗転>
バス停でぱらぱらとしていた空が、いつのまにか本降りとなっている。豪雨とよんでもいいくらいだ。傘も雨具もない。
終点ではきだされたYとぼくは大慌てで、駅ビルへとかけこむ。

the poster for the movie "Der Siebente Kontinent" 1989 directed by Michael Haneke
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