2019.08.11.09.55
こんな夢をみた。

the movie poster for the movie "The Founder
" 2016 directed by John Lee Hancock
時間がないから、このへんでさくっと喰っていこう」
Yが謂う。
彼の運転する車内での発言だ。移動から移動、打ち合わせから打ち合わせのはざまである。
既に昼食どきをとっくにすぎた時間だ。
「この辺にバーガーショップがあったよね、イートインができる」
もうひとりの同乗者、Sが謂う。
だが、そこはさっきすどおりしたばかりだ。しかも、改装中の閉店期間である。
ぼく達3人はすこし遠回りをして、あるデパートに向かう。そこのB1は食事ができる筈なのだ。
まさしくそこはデパ地下であって、フロア全体が食品売り場だ。どこにでもあるファストフード店がいくつも並び、その一方で著名な飲食店も軒をつらね、様々な地方からのアンテナショップも出店している。
しかも、会計はそれぞれの店舗ごとに行うのではなく、フロア全体のレジで統一されているから、好きな食品や喰いたい食材を各自、ピックアップすれば良い。精算をすませばイートインも可能だ。そこはかなり広く、ちょっとしたカフェといった趣きすらある。
また、飲食店でオーダーをすませて支払いさえ終えれば、そこの店員がイートインにある席まで運んでくれるのだ。
だから、くるまからおりた3人は各々、おもいのままにそのフロアを散策する事となった。
こういうとき、Sは素早い。めざとく割烹料理で有名な店を発見し、そこへの入店をまつ最後尾に居並ぶ。単純なやつなのだ。
Yはワインショップにむかう。運転手なのに、どうするのだろう。ぼくには免許はないし、Sの運転は荒っぽいからぼく達ふたりはこりごりだ。
で、ぼくはと謂えば、とにかく一周してみる事にする。思わぬ美味しいメニューをみつけ、他の2人の鼻を明かしたいのだ。
考えるべきことはいくつもある。旬の食品は少なくとも1品は欲しいし、栄養のバランスも考えたい。それ以前に和食がいいのか中華がいいのかも考えなければならないし、珍しいエスニックもすて難い。
なんの事はない。普段の食事で悩んでいる事をここでもまた熟慮しているのに過ぎない。
脳裏にうかぶのは、1メートル近くもあるおおきな穴子の天麩羅なのだが、今の時間、それだけで満腹となってしまう。しかも店内にあるのかどうかさえ覚束ない。
いや、それ以前に困った事がひとつある。店内でのショッピングに供すべき、専用のトレイがないのだ。これがなければ、1品さえも買う事が出来ない。
めにつくのは、使用後のトレイばかりだ。そのどれもその証拠が強く主張されているから、これをぼくが使う訳にもいかない。
しかも、最後尾のSは最前列にいるだろうし、Yだってもう酒の肴を買い終えた時分なのだ。

the book cover for the comic "Depachika! : AT Basement First Floor Of The Department
" 2011 written by Shirou Azuma and illustrated by Mikio Fuji

the movie poster for the movie "The Founder
時間がないから、このへんでさくっと喰っていこう」
Yが謂う。
彼の運転する車内での発言だ。移動から移動、打ち合わせから打ち合わせのはざまである。
既に昼食どきをとっくにすぎた時間だ。
「この辺にバーガーショップがあったよね、イートインができる」
もうひとりの同乗者、Sが謂う。
だが、そこはさっきすどおりしたばかりだ。しかも、改装中の閉店期間である。
ぼく達3人はすこし遠回りをして、あるデパートに向かう。そこのB1は食事ができる筈なのだ。
まさしくそこはデパ地下であって、フロア全体が食品売り場だ。どこにでもあるファストフード店がいくつも並び、その一方で著名な飲食店も軒をつらね、様々な地方からのアンテナショップも出店している。
しかも、会計はそれぞれの店舗ごとに行うのではなく、フロア全体のレジで統一されているから、好きな食品や喰いたい食材を各自、ピックアップすれば良い。精算をすませばイートインも可能だ。そこはかなり広く、ちょっとしたカフェといった趣きすらある。
また、飲食店でオーダーをすませて支払いさえ終えれば、そこの店員がイートインにある席まで運んでくれるのだ。
だから、くるまからおりた3人は各々、おもいのままにそのフロアを散策する事となった。
こういうとき、Sは素早い。めざとく割烹料理で有名な店を発見し、そこへの入店をまつ最後尾に居並ぶ。単純なやつなのだ。
Yはワインショップにむかう。運転手なのに、どうするのだろう。ぼくには免許はないし、Sの運転は荒っぽいからぼく達ふたりはこりごりだ。
で、ぼくはと謂えば、とにかく一周してみる事にする。思わぬ美味しいメニューをみつけ、他の2人の鼻を明かしたいのだ。
考えるべきことはいくつもある。旬の食品は少なくとも1品は欲しいし、栄養のバランスも考えたい。それ以前に和食がいいのか中華がいいのかも考えなければならないし、珍しいエスニックもすて難い。
なんの事はない。普段の食事で悩んでいる事をここでもまた熟慮しているのに過ぎない。
脳裏にうかぶのは、1メートル近くもあるおおきな穴子の天麩羅なのだが、今の時間、それだけで満腹となってしまう。しかも店内にあるのかどうかさえ覚束ない。
いや、それ以前に困った事がひとつある。店内でのショッピングに供すべき、専用のトレイがないのだ。これがなければ、1品さえも買う事が出来ない。
めにつくのは、使用後のトレイばかりだ。そのどれもその証拠が強く主張されているから、これをぼくが使う訳にもいかない。
しかも、最後尾のSは最前列にいるだろうし、Yだってもう酒の肴を買い終えた時分なのだ。

the book cover for the comic "Depachika! : AT Basement First Floor Of The Department
- 関連記事
-
- これもまた悪い夢の続き 111. (2020/01/12)
- これもまた悪い夢の続き 110. (2019/09/01)
- これもまた悪い夢の続き 109. (2019/08/11)
- これもまた悪い夢の続き 108. (2019/01/06)
- これもまた悪い夢の続き 107. (2018/12/02)