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2008.11.25.20.09

ちきゅうのながいごご

地球の長い午後(Hothouse)』は、人類の文明が崩壊した後の世界を描いた、ブライアン・W・オールディス(Brian Wilson Aldiss)によるSF小説。1962年のヒューゴー賞(The Hugo Awards)を受賞している。

所謂ノストラダムス世代(Nostradamus)だし、それを助長する様な世相、冷戦構造(Cold War)と公害(Pollution)[いまでいうところの環境問題]に挟まれる様に生活してきた僕らだから、人類滅亡の危機や、その後の崩壊した地球を描いた作品は、文学にしろ映像作品にしろ、嫌になるくらい体験してきた。

そんな中で、出逢った小説がこれ。

地球上に棲息していた動物の大多数が死滅し、かつて動物達が支配していた領域を植物が支配する。そこに棲む数少ない動物の中の一種、人類は知識も智慧も後退し、あたかも寄生生物の様に惨めに暮していた。

という物語の舞台設定を理解するのが、実はハードルがちょっと高い。あまりに放埒に飛翔する作者の想像力に、追いつく事が出来ない事もある。数々のオリジナリティのある植物群(その固有名詞とそこに描写されている生態系を把握していかなければならない)から始って、過酷な自然条件下で種としての生存競争を強いられ、それを護る為に独特の風習に従って生きていかなければならない人類達。

植物達が覇を制する世界には、目眩もするし眩惑もされる。
退化した、己らの末裔の無様な生き様には、戸惑いもするし幻滅もする。

通常の物語世界では、ここに彼らを救うヒーローが出現すべきところなのだろうけれども、いつまでたっても彼もしくは彼女は現れない。異世界や、過去ないしは未来から、送り込まれる筈の人物と、そのモノどもによって導かれる筈の、華々しい物語は始らない。

だが、ここで諦めてはいけない。
それぞれの理由で、集団から放逐された男女がそれぞれの別の途を歩み始めたところから、物語は俄然におもしろくなってくる。
男は、これまでに人類が辿ったであろう途を追体験する。それはイヴ(Eve)が禁断の果実に手にしたのと同種の行いかもしれない。
女は、いまこの世界を支えている大きな系を実体験する。それは、ボーマン船長(Dr. Dave Bowman)が辿った途かもしれない。

と、今でこそ冷静に文章化させる事は出来るのだけれども、当時の僕は如何に途方にくれた事か。

images
だから、吾妻ひでおの『不条理日記』にこの小説のパロディ(Parody)が出ているのを発見して、やっと得心がいったのです。
掲載図版は、その吾妻ひでおに「俺じゃない、俺じゃない、こいつがやったんだ!」と言わしめた、アミガサタケ(The Morel)。勿論『地球の長い午後(Hothouse)』にも重要な役割で登場します。

次回は「」。
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