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2019.05.07.12.45

ずるいひと

シャ乱Q (Sharam Q) の楽曲に『ズルい女 (Cunning Woman)』 [1995年発表 アルバム『勝負師 (Gambler)』収録] があるが、あまりそれとは関係はない。

その言葉が該当する女性は、実在もしくは非実在、歴史上さもなければ創作品上、ありとあらゆるところに見出す事が出来る。

ここでは、その代表として、ペネロペ (Penelope) を挙げよう。ギリシア神話 (Greek Mythology) に登場し、ホメロス (Homer) の叙事詩『オデュッセイアー (Odyssey)』 [紀元前8世紀頃成立] にも登場する。その物語の主人公であるオデッセウス (Odysseus) の妻、それが彼女である。
彼女はトロイア (Troy) 遠征に参加した夫の帰還を待つ間、次々と押し寄せる求婚者達を退けたのだ。と、綴るとそこに浮かぶのは貞淑な妻である。しかし、彼女はその為にある策略を用い、その策略をもって彼等の申し出を退け続けていたのである。
しかし、その策略が暴露する時が来る。求婚者達は黙っていない。この中からひとりを選べと彼女に詰め寄る。彼女はそこでも新たに策略を巡らし、その結果、ものの見事に、帰還した夫を文字通りにおのれのモノとするのである。
語られる逸話によっては、夫の留守中、彼女は不倫に耽っていたとも謂う。
しかし、そんな逸話があったとしてもなかったとしても、彼女のふたつの策略は、ずるいの一言で断罪出来る。
求婚者達からみれば、彼女の策略そのものを指してそう貶すだろう。
そして、もしかすると、夫であるオデッセウス (Odysseus) の視点からみても、それはずるいと謂う一語で持って褒められるのではないか。総てがお前の掌のうちであったのだろう、そんな意味でだ。

images
ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス (John William Waterhouse) 画『ペネロペと求婚者たち (Penelope And The Suitors)』 [1912年制作 アバディーン美術館 (Aberdeen Art Gallery) 収蔵]。
窓外から差し出された求婚者の花束には一切眼もくれずに、ペネロペ (Penelope) は自分が為すべき業に必死だ [この業こそ彼女の策略なのである]。

上に綴った様に、ずるいと謂う語句は、褒め言葉にも貶し言葉にもなりうる。
そしてそれを前提として、この語句に込められた感情を理解する事は難しい。試みに英語に該当するのはなんだろうと調べると、この頁では幾種類もの候補が挙げられている。

ちなみに、冒頭に登場した楽曲『ズルい女 (Cunning Woman)』の英訳は、そのバンドの英語版ウィキペディア (English Wikipedia) にあるディスコグラフィー (Discography) に準じたモノである。
それが正しいのか正しくないのか、それで妥協していいのかわるいのかは判断がつかねる。

ふと思いついたのは、TVドラマ『都合のいい女 (A Woman Like You)』 [脚本:内舘牧子 (Makiko Uchidate) 1993フジテレビ系列放映] だ。この楽曲が発表される2年前に放映された。その番組名を裏返すと、『ズルい女 (Cunning Woman)』と謂う語句は成立するのかもしれない [だからと謂ってその語句を素直に否定した"都合のわるい女"が『ズルい女 (Cunning Woman)』を換言したモノにはならないのだ。そこにはきっと、箸にも棒にもかからない (Being Good For Absolutely Nothing) 外道 (Bycatch) ばかりが登場するのに決まっている]。
猶、そのTVドラマの英語題名は、その番組の音楽を担当したサイレント・ポエツ (Silent Poets) のサウンドトラック盤『“都合のいい女”オリジナル・サントラ ( A Woman Like You (Original Soundtrack)』 [1993年発表] に登場する。

でも、その音楽作品の題名にある語句はそのまま『ズルい女 (Cunning Woman)』のあり得べき英題にもなり得ないだろうか?
つまり、おまえみたいなおんなは .... (A Woman Like You) と謂う意味で。

次回は「」。

附記:
真面目な話、訳語としてはファム・ファタル (Femme fatale) でもいいんぢゃないのかなぁと思うんだよね。ふたりの関係に、他者の介在 [この場合、第三者との恋愛行為の有無は無関係である] が許されない様な濃密なモノが熟成されていれば。
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