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2019.02.17.09.06

『ヴィジタ (VISITA)』 by リトル・クリーチャーズ (LITTLE CREATURES)

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本作品が発表された当時、囁かれていた事、つまり、ネガティブな印象は、そこに若さが感じられないと謂う事だった。そんな記憶がある。
それとも、それはその当時のぼく個人の印象を、さも外部の人間達がそう語っている様に、増幅させた結果だったのだろうか。

その言葉の真意はこうである。
様々な音楽を咀嚼し、それをもって、作品制作に向かっている。
学習のあととその成果は本作品に充実し丁寧な作品となっている。その代わりに、当時の彼等とおなじ年齢の青年達特有のモノの発露が感じられない。

彼等はTV番組『三宅裕司のいかすバンド天国 (Yuji MIyake's Heaven For The Cool Bands)』 [1989年~1989TBS系列放映] に出場し、そこでグランドイカ天キング (Grand Champion Wins Five Weeks) に輝いた実績がある。無名のバンド達が大挙して出演と演奏を行う、勝ち抜き形式のその番組で、5週にわたって勝ち抜いてきたのだ。

ぼくは偶然にも、彼等がその番組に初登場した回をみている。
憶えているのは審査員達が絶賛した事と、その割には披露された楽曲の中間部が弱いなぁと謂う、ぼくの個人的な感想だ。
そしてもうひとつ、彼等が事前に提出したバンド・プロフィールに書かれてある音楽性と、実際の演奏内容に乖離がみられる、そんな趣旨の指摘を審査員のひとりがした事だ。
それに対しては、メンバーのひとりが次の様な反駁をしたと思う。次回をみてくれればいい、今回の曲は、番組の傾向にあわせたモノだ [もしかしたら5週間といったのかもしれない、それならばグランドイカ天キング (Grand Champion Wins Five Weeks) になると謂う宣言だ]。

その発言から汲む事が出来るのは、絶対の自信とそれに裏付けられた不遜な態度だ。だが、それだけではない。
自身の音楽性とこの番組が求めている音楽性とはあわない。大袈裟に考えれば、シーンの中で独自の存在感があると告げていると同時に、そのシーンの中で孤立している、と謂う表白なのである。

もしも、ぼくが翌週以降もこの番組を見続けていれば、その発言の実際をみる事が出来たかもしれない。
しかし、実際にはその番組での彼等の演奏は初登場時の1回きりだ。先の発言を立証する様な、彼等の演奏は、未体験のままで終わってしまう。
ただ、グランドイカ天キング (Grand Champion Wins Five Weeks) になったと謂うその事実に加え、初登場時の演奏と印象とが、妙なかたちでぼくの中に遺っているのだ。

いまから想えば不思議なのは、決して彼等が渋谷系 (Shibuya-kei) と同列に語られなかった事だ。音楽性は共通している。音楽への態度も、だ。
しかし、バンドが注目を浴びる契機がTV番組『三宅裕司のいかすバンド天国 (Yuji MIyake's Heaven For The Cool Bands)』だっただけなのだ。
彼等の名前が渋谷系 (Shibuya-kei) が基盤となったシーン、渋谷系 (Shibuya-kei) が土壌となった場所で囁かれる様になるのは、もう少し後の事である様な印象がある。

いま、あらためて、この作品を聴くと、拙稿冒頭に掲げた印象とは異なるモノを感じる。
ぼくの脳裏にあるのは、おさなさとよわさだ。
それは、本作品と同種の音楽性を発揮する幾つもの海外バンドに通底するモノであって、それをもって、当時の彼等の先進性や学習能力と理解する事も出来るかもしれない。
でも、そのジャンルに属するとされるバンド達のなかで秀でたモノは、そんな感性がいちどひっくりかえって攻撃的な側面をもっている筈なのだ。さもなければその逆で、自身の本性であるそんな荒々しさを包み隠す為に脆弱性を強調しているのである。
そこまでのモノが果たして、当時のこのバンドにも備わっていたのだろうかと、ぼくはおもう。二重性、二面性と謂うモノは感じられない。少なくとも、あの番組で殊更に強調されていたきらいのある態度は、ここでみる事は出来ないのだ。
それが、トリオ編成と謂う楽器の少なさに起因しているのならば、それでもいいのだが、と想えてしまう。アンサンブルに多様性がみられれば、もっと異なる側面をみいだせるかもしれない様に想うのだ。

アルバム・デザインはある種のモードに徹していて、これを観るだけで、ある種の演奏、ある種の音楽を期待させられてしまう。
しかし、実際のそれらはヴィジュアルとは少し違う。
その結果、それに施された意匠がデコラティヴな印象を与え、それが実際のそれらによからぬモノをもたらせてしまう様に思える。
本当は、もっとそっけない、自然体の、否、それよりももっと純粋で、無理もないモノなのだ。

ものづくし (click in the world!) 196. : 『ヴィジタ (VISITA)』 by リトル・クリーチャーズ (LITTLE CREATURES)


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ヴィジタ (VISITA)』 by リトル・クリーチャーズ (LITTLE CREATURES)

僕は19才、これは僕が感じていること
リトル・クリーチャーズ2ndアルバム

アイ・キャント・ウエイト (I CAN WAIT) 3:16
[作曲:青柳 拓次/作詞:青柳 拓次、ジョン・クルーリー]
MUSIC BY TAKUJI AOYAGI
LYRICS BY TAKUJI AOYAGI & JOHN CLEWLEY
VOCALS & GUITARS : TAKUJI
BASS : MASATO
DRUMS & BACKING VOCALS : TSUTOMU
[MIXED BY YOSHIFUJI ITO]

サドゥンリー [アイム・ホーム] (SUDDENLY [I'M HOME] ) 2:41
[作曲:青柳 拓次/作詞:青柳 拓次、ジョン・クルーリー、リチャード・ジェフリー]
MUSIC BY TAKUJI AOYAGI
LYRICS BY TAKUJI AOYAGI, JOHN CLEWLEY, RICHARD JEFFERY
VOCALS, GITARS & MANDOLIN : TAKUJI
BASS : MASATO
DRUMS : TSUTOM
FLUTE : TAKAO CONDO
[MIXED BY YOSHIKAZU SASAHARA]

アイ・ウォント・セイ・ティル・アイ・ノー (I WON'T SAY 'TIL I KNOW) 2:31
[作曲:青柳 拓次/作詞:青柳 拓次、ジョン・クルーリー、リチャード・ジェフリー]
MUSIC BY TAKUJI AOYAGI
LYRICS BY TAKUJI AOYAGI, JOHN CLEWLEY & RICHARD JEFFERY
VOCALS & GUITARS : TAKUJI
PIANO, HAMMOND B-3 & XYLOPHONE : MASATO
DRUMS : TSUTOM
[MIXED BY YOSHIKAZU SASAHARA]

マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ (MY LIFE AS A DOG) 4:47
[作曲:青柳 拓次/作詞:青柳 拓次、ジョン・クルーリー]
MUSIC BY TAKUJI AOYAGI
LYRICS BY TAKUJI AOYAGI & JOHN CLEWLEY
VOCALS, GUITARS & MANDOLIN : TAKUJI
BASS & BACKGROUND VOCALS : MASATO
DRUMS & BACKGROUND VOCALS : TSUTOM
[MIXED BY YOSHIKAZU SASAHARA]

ナッシング・ボザーズ・ミー (NOTHING BOTHERS ME) 3:26
[作曲:青柳 拓次/作詞:青柳 拓次、ジョン・クルーリー、リチャード・ジェフリー]
MUSIC BY TAKUJI AOYAGI
LYRICS BY TAKUJI AOYAGI, JOHN CLEWLEY & RICHARD JEFFERY
VOCALS & GUITARS : TAKUJI
BASS, ACCORDION, VIBRAPHONE & BACKGROUND VOCALS : MASATO
DRUMS, KETTLE DRUM & BACKGROUND VOCALS : TSUTOM
[MIXED BY YOSHIKAZU SASAHARA]

アンブレラ (UMBRELLA) 4:09
[作曲:青柳 拓次/作詞:青柳 拓次、キャロル・メイエド]
MUSIC BY TAKUJI AOYAGI
LYRICS BY TAKUJI AOYAGI & CAROL MAYEDO
VOCALS & GUITARS : TAKUJI
BASS & BACKGROUND VOCALS : MASATO
DRUMS & BACKGROUND VOCALS : TSUTOM
FINGER SNAPS : SHIGERU TAKISE
[MIXED BY YOSHIKAZU SASAHARA]

イズ・ゼア・モア (IS THERE MORE?) 4:15
[作曲:青柳 拓次/作詞:青柳 拓次、リチャード・ジェフリー]
MUSIC BY TAKUJI AOYAGI
LYRICS BY TAKUJI AOYAGI & RICHARD JEFFERY
VOCALS & GUITARS : TAKUJI
FENDER ROHDES, B-3 & VIBRAPHONE : MASATO
DRUMS : TSUTOM
CONGAS : MASATO KAWASE
HAND CLAPS : MIDI GANGS & EDITORS
[MIXED BY YOSHIKAZU SASAHARA]

ブルー・スモーク (BLUE SMOKE) 4:36
MUSIC BY TAKUJI AOYAGI
GUITAR : TAKUJI
HAMMOND B-3 : MASATO
DRUMS : TSUTOM
[MIXED BY YOSHIKAZU SASAHARA]

ワイルド・アメリカ (WILD AMERiCA) 3:40
[作曲:青柳 拓次/作詞:青柳 拓次、ジョン・クルーリー]
MUSIC BY TAKUJI AOYAGI
LYRICS BY TAKUJI AOYAGI & JOHN CLEWLEY
VOCALS, GUTARS & PERCUSSION : TAKUJI
CONGAS & PERCUSSIONS : MASATO
GUITARS, PERCUSSIONS & BACKGROUND VOCALS : TSUTOM
[MIXED BY YOSHIKAZU SASAHARA]

レット・イット・ゴー [ハウ・キャン・ウィー・サヴァイヴ?] (LET IT GO [HOW CAN WE SURVIVE?] ) 3:17
[作詞:鈴木 正人/作詞:鈴木 正人、ジョン・クルーリー]
MUSIC BY MASATO SYZUKI
LYRICS BY MASATO SYZUKI & JOHN CLEWLEY
VOCALS & BASS : TAKUJI
PIANO & BACKGROUND VOCALS : MASATO
DRUMS : TSUTOM
VIOLIN : SAGAKO SUZUKI
[MIXED BY YOSHIKAZU SASAHARA]

ニード・ユア・ラブ (NEED YOUR LOVE) 3:17
[作曲:青柳 拓次/作詞:青柳 拓次、ジョン・クルーリー]
MUSIC BY TAKUJI AOYAGI
LYRICS BY TAKUJI AOYAGI & JOHN CLEWLEY
VOCALS & GUITARS : TAKUJI
BASS,PIANO & BACKGROUND VOCALS : MASATO
DRUMS & BACKGROUND VOCALS : TSUTOM
[MIXED BY YOSHIKAZU SASAHARA]

グランド・ファーザー (GRAND FATHER) 0:46
MUSIC BY TAKUJI AOYAGI
GUITAR & TAMBOURINE : TAKUJI
BASS & ACCORDION : MASATO
TABOUR : TSUTOM
[MIXED BY YOSHIFUMI IIO]

LITTLE CREATURES ARE TAKUJI AOYAGI MASATO SYZUKI TSUTOM KURIHARA

ENGINEERED BY YOSHIFUMI ITO YOSHIKAZU SASAHARA MASAHIRO MATSUDA
ASSISTED BY MASAKI TAKAMURA ISAO SATO TERUHIKO HIROKANE AKIO YASUHARA RYOUICHI MATSUDA
RECORDED & MIXED AT ONKIO HAUS (DEC. 1-27, 1990 / JAN. 7-20, 1991) CAROL (JAN. 5-6, 1991)
MASTERED AT ONKIO HAUS BY YUKA KOIZUMI
A & R : TAKAO CONDO (MIDI INC)
MANAGEMENT : RIE TOTSUKAWA (MIDI INC)
VISUAL COODINATION : HIROYUKI SHINOHARA
ART DIRECTION & DESIGN : NORIHIRO UEHARA
PHOTOS : HIROYUKI SHINOHARA

EXECUTIVE PRODUCER : HIROSHI OHKURA

SPECIAL THANKS TO MARIKO ARAKAWA YASUO SUGIBAYASHI TADAHIKO YOKOKAWA MASARU MINAGAWA YAMAHA R & D ROKKOMAN TARO OHIWA AKIHIKO "HOWlING-PAPA" YAMAZOE NORIAKI KOBAYASHI TAKAAKI KOBAYASHI HIROYUKI BESSHO MR. MITA & SHINO-CHAN ESPECIALLY TO OUR FAMILIES AND FRIENDS

(P) & (C) 1991 MIDI INC.
MANUFACTURED BY MIDI INC.
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