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2018.09.04.08.42

きゅうけつきえりーと

彼はみずからをこう語っている。
「午後三時に銀座のいちばん高級な喫茶店で日本一のコーヒーをすすりながらその横に世界一のギターをおいている日本一の男前」

上の文言は、吸血鬼エリート (Vampire Elite) が「求む秘書!」と題してうった求人広告ならぬ求妖怪広告の一節にある。
この言葉にそそのかされて、窮乏にあるねずみ男 (Nezumi-Otoko) が「午後三時に銀座のいちばん高級な喫茶店」に出向くのだ。
マンガ『ゲゲゲの鬼太郎 (Gegege no Kitarou)』 [作:水木しげる (Shigeru Mizuki) 19651969週刊少年マガジン連載] の1挿話『吸血鬼エリート (Vampire Elite)』 [1967年発表] は、その様なかたちで始まる。

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「午後三時に銀座のいちばん高級な喫茶店」で出逢った「日本一の男前」である吸血鬼エリート (Vampire Elite) とねずみ男 (Nezumi-Otoko) はそこで双方を認め、吸血鬼エリート (Vampire Elite) の構想下にある『千人吸血プラン』の実現に向けて動き出す事になる。
[上掲画像は吸血鬼エリート (Vampire Elite) とねずみ男 (Nezumi-Otoko) の初対面シーン。こちらから]

が、その前にひとつ気がかりな事がある。

吸血鬼エリート (Vampire Elite) のこの顔、どこか別の場所でみた記憶があるのだ。

そこで、「吸血鬼エリート モデル」と検索してしまえば、すぐに解答は出てくる。
しかも「吸血鬼エリート」と入力するだけで、予測検索の文字として「モデル」と謂う語句がそこに併記されるのだ。こんな疑問を抱くのは、ぼくだけの事ではない様に思える。

さて、その検索によって得たその解答をここに綴ってしまえば、ここでこの駄文はおしまいだ。
だから、もう少し視点を変えながら、遠回りをしてみようと思う。ていのいい時間稼ぎと文字数稼ぎだと笑ってもらってもそれでいい。

吸血鬼エリート (Vampire Elite) のこの顔を連想させるモノは、つげ義春 (Yoshiharu Tsuge) の作品に登場する。短編マンガ『会津の釣り宿 (Aizu no Tsuriyado)』 [1980カスタムコミック掲載] である。
作者自身を思わせる主人公の青年の同行者であり、その物語は彼の些細な行動の殆どが笑いを誘うモノとなっている。この短い物語を動かしているのは、主人公ではなくて、その同行者である彼なのである。

そして、マンガ『会津の釣り宿 (Aizu no Tsuriyado)』の同行者と吸血鬼エリート (Vampire Elite) とを結びつけられてしまうと、もう少し有名な人物を思い出す事が出来る。
マンガ『あしたのジョー (Ashita No Joe)』 [原作:高森朝雄 (Asao Takamori) 作画:ちばてつや (Tetsuya Chiba) 19681973週刊少年マガジン連載] の力石徹 (Rikiishi Toru) である。そして、彼を思い起こしてしまうと、そのTVアニメ番組『あしたのジョー (Ashita No Joe)』 [19701971フジテレビ系列放映] を基に劇場版として制作された映画『あしたのジョー (Ashita No Joe)』 [福田陽一郎 (Yoichiro Fukuda)、出崎統 (Osamu Dezaki) 監督作品 1980年制作] で力石徹 (Rikiishi Toru) に声を充てていた細川俊之 (Toshiyuki Hosokawa) も、似ている様に思えてしまう。

時系列だけを眺めれば解る様に、単なる他人の空似でしかない様にも思える。
少なくとも、細川俊之 (Toshiyuki Hosokawa) をモデルとして、吸血鬼エリート (Vampire Elite) やマンガ『会津の釣り宿 (Aizu no Tsuriyado)』の同行者や力石徹 (Rikiishi Toru) が誕生したとは思えない。細川俊之 (Toshiyuki Hosokawa) の容貌を、異なる3人の漫画家それぞれが独自の筆致で彼を描くとさもありなんな気がしないでもないが、それがそのままそれぞれの作品に於いて主要な役割を果たさせようと謂う気配はとてもではありそうもない。

とは謂っても、マンガ『ゲゲゲの鬼太郎 (Gegege no Kitarou)』の作者である水木しげる (Shigeru Mizuki) とマンガ『会津の釣り宿 (Aizu no Tsuriyado)』の作者であるつげ義春 (Yoshiharu Tsuge) がかつて師弟関係であった事を思えば、もしかしたら同一人物がそれぞれの作品に於ける登場人物のモデルである可能性の存在はある様にも思える。
勿論、水木しげる (Shigeru Mizuki) とマンガ『あしたのジョー (Ashita No Joe)』の作者であるちばてつや (Tetsuya Chiba) に交流があれば、そこに共通のある知人が、それぞれの作品に於ける登場人物のモデルである可能性もまた存在しない訳ではない。

尤も、力石徹 (Rikiishi Toru) のモデルは山崎照朝 (Terutomo Yamazaki) であるとされているから、ここまで綴った文章を一蹴するのは簡単だ。
[但し、山崎照朝 (Terutomo Yamazaki) が力石徹 (Rikiishi Toru) のモデルであるとする説は、原作担当の高森朝雄 (Asao Takamori) がその執筆の際に行った行為であろう筈だから、それがそのまま作画担当のちばてつや (Tetsuya Chiba) に波及したとは一概には謂えない。高森朝雄 (Asao Takamori) の綴る原作を読み、それに相応しかろう人物をちばてつや (Tetsuya Chiba) 独自に創造したのだと謂えなくもない。つまり、作画上のモデルは山崎照朝 (Terutomo Yamazaki) ではなくて、別の人物の可能性がないとは謂えない。]

と、ここまで綴った様に、ぼくの中には吸血鬼エリート (Vampire Elite) と、マンガ『会津の釣り宿 (Aizu no Tsuriyado)』に登場する同行者と、力石徹 (Rikiishi Toru) を、一線に結ぶ事の出来るある人物像がある事は否定出来ない。
果たして、それは何故、その様な妄想まがいの空想を誕生せしめたのであろうか。
そちらの方に興味が向かう。
つまり、なぜ「吸血鬼エリート モデル」と謂う予測検索の文字列が浮かぶのか、と謂う問題である。
吸血鬼エリート (Vampire Elite) に、否、厳密に謂えば、吸血鬼エリート (Vampire Elite) の容貌に何故、ぼく達は実在の人物の存在の可能性を求めるのか。
そんな問題である。

猶、インターネット上での情報によれば、吸血鬼エリート (Vampire Elite) のモデルはつゆき・サブロー (Saburo Tsuyuki) であると謂う。

しかし、つゆき・サブロー (Saburo Tsuyuki) がマンガ『会津の釣り宿 (Aizu no Tsuriyado)』の同行者や力石徹 (Rikiishi Toru) のモデルや否や、についての情報は発見出来ていない。

次回は「と」。
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