2008.10.21.20.52
と、いってもダチョウ倶楽部のお話ではなくて、恐らくその彼らのネタ元となったある米国製アニメのお話。
原題を『The Fantastic Four』とするそれは、実写映画化もされました[2005年公開の映画『ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]
(Fantastic Four)』と2007年公開のその続編『ファンタスティック・フォー : 銀河の危機
(Fantastic Four: Rise Of The Silver Surfer』]。
宇宙旅行中に起こった不慮の事故によって、特殊能力を得た4人の男女がスーパー戦隊を結成し、諸悪と対決するという物語です。
ゴムゴムの実を喰べてしまった麦ワラ海賊団の船長モンキー・D・ルフィの様な、伸縮自在の肉体をもつミスター・ファンタスティック(Mr.Fantastic)。
スケスケの実を喰べてしまったエロサロムこと墓場のアブサロムの様な、透明化能力を得た紅一点インヴィジブル・ウーマン(The Invisible Woman)。
メラメラの実を喰べてしまった白ひげ海賊団2番隊隊長ポートガス・D・エースの様な、炎を自在に操り自らの肉体を火焔化させるヒューマン・トーチ(The Human Torch)。
そして、B・Wオフィサーエージェント、Mr.5のパートナーであり自らの体重を自由に操る事の出来るキロキロの実を喰べてしまったミス・バレンタインの様に、岩石化した肉体によって巨大な体力と破壊力を得たザ・シング(The Thing)。
彼ら四人をファンタスティック・フォー(The Fantastic Four)と呼ぶ。
マーベル・コミック(Marvel Comic)の人気作品であリ、1961年に連載が開始されました。
そして、この作品は1967年には本国アメリカでTVアニメとして放映されて、その作品はここ日本でも1969年から放映される事になります。
なったのはいいが、ここでぐにゃりと次元(Dimension)も位相(Topology)も異ならさせるバイアス(Cognitive Bias)がかかってしまうのです。
主人公四人の名前が、まず変わる。
ミスター・ファンタスティック(Mr.Fantastic)はゴームズ。
インヴィジブル・ウーマン(The Invisible Woman)はスージー。
ヒューマン・トーチ(The Human Torch)はファイヤーボーイ。
ザ・シング(The Thing)はガンロック。
そして、それを受けて番組名も『The Fantastic Four』から『宇宙忍者ゴームズ』となる。
まぁ、『鉄腕アトム』が『Astro Boy』という名称で輸出された時代だから、その逆のルートを辿ったと考えれば、納得がいく様な、いかない様な...。
しかし、この番組が日本で紹介されるにあたって、最も強力な"日本化"されたものが、「ムッシュムラムラ」なのだ。
実はこれ、ザ・シング(The Thing)ことガンロックが怪力を発する際の掛声なのである。
巨大なビルを破壊するとき、眼前の悪人を殴るとき、危機一髪の女性を救うとき、彼は叫ぶ。
_Heads.jpg)
「ムッシュムラムラ! ムッシュムラムラ!」と。
そしてこの「ムッシュムラムラ」の創造主が、このアニメの日本語版制作を担当した高桑慎一郎であると書けば、知っているヒトはここから先は読む必要がないかもしれないし、知らないヒトは、ただ只管、煙にまかれるだけかもしれない[とはいうものの氏が白猟のスモーカーの様にモクモクの実を喰べたわけぢゃあないんだけれどもね]。
彼こそ、ハンナ・バーベラ(Hanna-Barbera Productions)の傑作アニメ『Wacky Races』を『チキチキマシン猛レース』と命名し、そこに登場する11台のマシンに奇妙奇天烈な命名を施した人物なのである。
『ハンナ・バーベラ日本語版主題歌集
』という二枚組CDに収められたブックレットに掲載された「ペーソスと反骨の人、高桑慎一郎」(1994. 6.1.の日付記載あり)というインタヴュー記事の一部をここに抜粋します。
ドボチョンや今また流行っているようですがムッシュムラムラなんかもみんなカードの時にその場の雰囲気で言った言葉なんです。そう、"ハンナ・バーベラ"の言葉は全て遊び感覚で作ったものだなぁ。日本人の体で受ける感覚ですべて作った。アメリカからきたものをそのまま流す、これも今では一つの方法だけど、それでは日本人のリアリティに訴えない。私たちは絵はむこうのものだけど、日本人が見るのだから日本人に受ける感覚でないと駄目だという意識で作っていました。邦題のことや言葉の問題に限らず、制作の全てがこの姿勢の下に行われていました。
さてここで、その11台のマシンの奇妙奇天烈な名称の紹介をしたいけれども彼が手がけた有像無像のアニメ・キャラクターや番組タイトルの紹介もしたいのだけれども、そこから始って、青島幸男~クレイジー・キャッツの言語感覚[例:ハラホロヒレハレ。ガチョーン。]や、赤塚不二夫漫画に登場するキャラクター達の言語感覚[例:ハァーポックン、ポックン。レレレのレー。]や中村誠一がつき坂田明がこねて小山彰太が座りしままに喰らいそこなったハナモゲラ語あたりの探求を始めたい誘惑にかられるのだけれども、そうしてそれらの奇妙な言語感覚の辿り着いた行先の涯にいるのがタモリの様な気がするのだけれども、ここではあまりに時間がない。
だから、クレームをひとつだけ書く事にします。
宇宙忍者なる呼称は、(V)o¥o(V)の方が先ではないでしょうか?
次回は「ら」。
原題を『The Fantastic Four』とするそれは、実写映画化もされました[2005年公開の映画『ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]
宇宙旅行中に起こった不慮の事故によって、特殊能力を得た4人の男女がスーパー戦隊を結成し、諸悪と対決するという物語です。
ゴムゴムの実を喰べてしまった麦ワラ海賊団の船長モンキー・D・ルフィの様な、伸縮自在の肉体をもつミスター・ファンタスティック(Mr.Fantastic)。
スケスケの実を喰べてしまったエロサロムこと墓場のアブサロムの様な、透明化能力を得た紅一点インヴィジブル・ウーマン(The Invisible Woman)。
メラメラの実を喰べてしまった白ひげ海賊団2番隊隊長ポートガス・D・エースの様な、炎を自在に操り自らの肉体を火焔化させるヒューマン・トーチ(The Human Torch)。
そして、B・Wオフィサーエージェント、Mr.5のパートナーであり自らの体重を自由に操る事の出来るキロキロの実を喰べてしまったミス・バレンタインの様に、岩石化した肉体によって巨大な体力と破壊力を得たザ・シング(The Thing)。
彼ら四人をファンタスティック・フォー(The Fantastic Four)と呼ぶ。
マーベル・コミック(Marvel Comic)の人気作品であリ、1961年に連載が開始されました。
そして、この作品は1967年には本国アメリカでTVアニメとして放映されて、その作品はここ日本でも1969年から放映される事になります。
なったのはいいが、ここでぐにゃりと次元(Dimension)も位相(Topology)も異ならさせるバイアス(Cognitive Bias)がかかってしまうのです。
主人公四人の名前が、まず変わる。
ミスター・ファンタスティック(Mr.Fantastic)はゴームズ。
インヴィジブル・ウーマン(The Invisible Woman)はスージー。
ヒューマン・トーチ(The Human Torch)はファイヤーボーイ。
ザ・シング(The Thing)はガンロック。
そして、それを受けて番組名も『The Fantastic Four』から『宇宙忍者ゴームズ』となる。
まぁ、『鉄腕アトム』が『Astro Boy』という名称で輸出された時代だから、その逆のルートを辿ったと考えれば、納得がいく様な、いかない様な...。
しかし、この番組が日本で紹介されるにあたって、最も強力な"日本化"されたものが、「ムッシュムラムラ」なのだ。
実はこれ、ザ・シング(The Thing)ことガンロックが怪力を発する際の掛声なのである。
巨大なビルを破壊するとき、眼前の悪人を殴るとき、危機一髪の女性を救うとき、彼は叫ぶ。
_Heads.jpg)
「ムッシュムラムラ! ムッシュムラムラ!」と。
そしてこの「ムッシュムラムラ」の創造主が、このアニメの日本語版制作を担当した高桑慎一郎であると書けば、知っているヒトはここから先は読む必要がないかもしれないし、知らないヒトは、ただ只管、煙にまかれるだけかもしれない[とはいうものの氏が白猟のスモーカーの様にモクモクの実を喰べたわけぢゃあないんだけれどもね]。
彼こそ、ハンナ・バーベラ(Hanna-Barbera Productions)の傑作アニメ『Wacky Races』を『チキチキマシン猛レース』と命名し、そこに登場する11台のマシンに奇妙奇天烈な命名を施した人物なのである。
『ハンナ・バーベラ日本語版主題歌集
ドボチョンや今また流行っているようですがムッシュムラムラなんかもみんなカードの時にその場の雰囲気で言った言葉なんです。そう、"ハンナ・バーベラ"の言葉は全て遊び感覚で作ったものだなぁ。日本人の体で受ける感覚ですべて作った。アメリカからきたものをそのまま流す、これも今では一つの方法だけど、それでは日本人のリアリティに訴えない。私たちは絵はむこうのものだけど、日本人が見るのだから日本人に受ける感覚でないと駄目だという意識で作っていました。邦題のことや言葉の問題に限らず、制作の全てがこの姿勢の下に行われていました。
さてここで、その11台のマシンの奇妙奇天烈な名称の紹介をしたいけれども彼が手がけた有像無像のアニメ・キャラクターや番組タイトルの紹介もしたいのだけれども、そこから始って、青島幸男~クレイジー・キャッツの言語感覚[例:ハラホロヒレハレ。ガチョーン。]や、赤塚不二夫漫画に登場するキャラクター達の言語感覚[例:ハァーポックン、ポックン。レレレのレー。]や中村誠一がつき坂田明がこねて小山彰太が座りしままに喰らいそこなったハナモゲラ語あたりの探求を始めたい誘惑にかられるのだけれども、そうしてそれらの奇妙な言語感覚の辿り着いた行先の涯にいるのがタモリの様な気がするのだけれども、ここではあまりに時間がない。
だから、クレームをひとつだけ書く事にします。
宇宙忍者なる呼称は、(V)o¥o(V)の方が先ではないでしょうか?
次回は「ら」。
- 関連記事
-
- すおうのないし (2008/11/04)
- らーめんらいす (2008/10/28)
- むっしゅむらむら (2008/10/21)
- るしふぁーさむ (2008/10/14)
- あぽりねーる (2008/10/07)