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2018.07.15.08.38

『ビッチ・イン・ザイオン (Bitch In Zion)』 by エリ (ellie)

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ジャケットに顕れている彼女の表情がきになってしかたがない。
と、綴るとそこに嘘がある。
ただしくはこうだ。
中途半端 [中途半端なのか?] な肌の露出、その演出、それらをどう処理していいのか解らない。
ひらたく謂えば、この作品を眺めるたびにいつも、悶々とする。そして、それを解消するすべが一個だにない。

彼女がかつて在籍していたバンド、ラヴ・タンバリンズ (Love Tambourines) は一度だけ観た事がある。彼女 [達] が所属するレーベル、クルーエル・レコーズ (Crue-L Records) 主催のライヴ・イヴェントだ。

本編での演奏ではとくに感じるモノはなかったが、印象に遺るのはアンコールの際だ。
リード・ヴォーカルの彼女だけがステージに上り、アカペラで歌唱したんだと思う。それを聴いてその結果、本編での印象をあらたにした。

ふと思ったのは、バンドのこころざしとは違う場所にいるべきではないのだろうか、と謂う事だ。つまり、バンドの視点からみれば、彼女と謂う存在を活かしきれていない。
仮に、バンドの方が、余計な贅肉を削ぎ落としたり必須な筋力を手にれる為の、切磋琢磨な時間と行為に勤しめば異なる展開もあるのかもしれない。
でも、それまで待つ事は出来るのかなぁ、このぼくは。
そんな事だ。

それは純粋な意味での音楽ファンが考える事とはすこし違う視点だ。もうちょっと無粋で、もうちょっといやらしい魂胆がそこにある。
逆に謂えば、ひとりの音楽ファンとしてならば、さっさと切り捨てて、他の音楽にかかずらうべきところを、そこばかりに拘ってしまっている様だ。

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そんな視点にとらわれたまま、その後には、ぼくは彼等のファースト・アルバム『アライヴ (Alive)』 [1995年発表] をも聴いていた [その作品に関してはここでは綴らない]。

だから、彼女のソロ・デヴュー・アルバムである本作『ビッチ・イン・ザイオン (Bitch In Zion)』 [1996年発表] が発表されて出た言葉は、あぁやっぱりね、の一言なのだった。
もしかしたら、バンド活動と並行して行われるべき活動と謂う選択肢はあったのかもしれないが、ラヴ・タンバリンズ (Love Tambourines) は、数枚のシングルとファースト・アルバムを遺して、あっさりと解散してしまった。
その結果としての本作があるのだ。

そして、その作品を購入してぼくは聴く。
アルバムを手にした際の嘆息、あぁやっぱりねが、実際に作品に向かった際にどう印象が変わるのか。
ほぅらやっぱりね、となれば、あの時のライヴ・イヴェントでのぼくの認識が正しかった事になる。
では実際にはどうだったのか。

困惑した。
もしも仮に、本作がリミックス・アルバムであるのならばぼくはとても納得した筈だ。つまり、既に彼女のソロ・アルバムが既に存在していて、その音源を基に、彼女を含めた幾人ものアーティスト達が再解釈 / 再構成 / 再編集したモノであれば、良かったのである。
端的に謂えば、彼女のヴォーカルをもっと全面に押し出した楽曲群を聴きたかった様なのだ、ぼくは。

ところがこの作品は、彼女の声や彼女の歌唱さえも、一個の音源のひとつとして構築されている様に思える。
勿論、そんな作品は幾つもあり、そんなアプローチをするヴォーカリストも幾人もある。だから、彼女がそんな方向性を打ち出したとしても不思議ではない筈なのに、何故かこのぼくは納得出来ていないのである。
しかも、それは作品としての巧拙とかとはすこし別の次元にある様にも思える。

その理由を、彼女のヴォーカルをもっと聴きたかったから、とするのはとても簡単だ。
しかし、果たしてそう謂う次元におとしこんでいて、いいのだろうか、と謂う疑問も捨てきれない。
ただただ、わだかまるばかりなのだ。

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ジャケット写真を観て、想い出すのは、サザンオールスターズ (Southern All Stars) の『ボディ・スペシャルII (Body Special)』 [1983年発表 アルバム『原由子・ウィズ・サザンオールスターズ (Yuko Hara With Southern All Stars)』収録] でのそれだ。
しかし、そこにある屈託のないエロス、あけっぴろげな助平根性は、本作品にはみられない。
とても内向的なのだ。
しかもこちらがつけいれられる隙も一切にない。
内にこもっているくせ、妙な攻撃性がそこにたたえられているのである。

ものづくし (click in the world!) 189. :
『ビッチ・イン・ザイオン (Bitch In Zion)』 by エリ (ellie)


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ビッチ・イン・ザイオン (Bitch In Zion)』 by エリ (ellie)

ソロ・デヴュー・アルバム 音と官能と魂の楽園 [ザイオン]

1. Doggie Me (Ellie - Breez / Ellie - Ohmachi) 6"24
2. U Were My Joy (Ellie / Ellie - Ohmachi) 5"40
3. 24hours (Ellie - Clyde / Ellie - Ohmachi) 5"14
4. Melt In My Body (Ellie / Ellie - Ohmachi) 5"46
5. E.L.L.I.E (Ellie - Breeze / Ellie - Ohmachi) 6"11
6. ~interlude~ 0"24
7. Bitches In Babylon (Ellie / Rap lyric byPJ / Ellie - Ohmachi) 5"14
8. ~interlude~ 0"22
9. Groove 4 Lovers (Ellie / Ellie - Ohmachi) 5"30
10. Kiss U (Ellie / Ellie - Ohmachi) 3"31
11. I'll Be Anything (Ellie / Ellie - Ohmachi) 5"38
12. ~interlude~ 0"31
13. Merry Go Round (Ellie / Ellie - Ohmachi) 8"15
14. Sugar Coated Love (Ellie / Ellie - Ohmachi) 5"17
Total Time 64"10

Produced by Ellie and Hiromichi Ohmachi

Ellie : vocals, background vocals
Hiromichi Ohmachi : all instruments
PJ : vocal. rap (track 7)
Breez : backgraound vocals (track 3, 5, 9, 11, 13), rap (track 1, 5)
Clyde W. Williams Jr. : vocal (track 3), background vocals (track 3, 5, 13)
Paula Johnson : background vocals (track 3, 5, 9, 11, 13)
Tsutchie : drum programming (track 2, 4, 5, 9, 10, 11)
Kei Horiguchi : drum programming (track 1, 7), guitar (track 2)
Tomoyo Atsumi : piano (track 3, 5, 7, 10)
Moriyoshi Shibuya : woodbass (track 5)
Noriko Kojima : flute (track 5)
Hiderou Nishioka : trumpet (track 1, 3)

engineered by Kohji Okada
mastering engineered by Keiko Ueda at Tokyu Fun
recorded at Una Studio / Eggs and Shep Studio / Studio Vincent / Studio Somewhere / Sol Studio

photography : Kazunari Tajima for Tajjiemax Productions NYC
hair and make up : Toshi
art direction : Ellie
design : Mayumi Hirooka

executive produced by Kenji Takimi

Tsutchie appears by the courtesy of Cutting Edge

(P)&(C) 1996 CRUE-L RECORDS
Original Sound Recording Made By CRUE-L RECORDS (TOKYO)
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