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2008.09.30.20.56

にゅーまんふぉとばいほっぱー

東宝の、円谷映画ばかりを追いかけていた未就学児童だった僕が、次第次第に洋画の世界に脚を踏み入れ始めた時期はちょうど、(先頃亡くなったばかりの)ポール・ニューマン(Paul Newman)の何度目かの全盛期だった。

主役もしくは主役に次ぐ地位を占めるキャスティングでありながら、どこか一歩引いた佇まい。当時の僕が抱いた、当時のポール・ニューマン(Paul Newman)の印象は、その様なものだった。

つまり。
スティーブ・マックイーン(Steve McQueen)との『タワーリング・インフェルノ(The Towering Inferno)』しかり、ロバート・レッドフォード(Robert Redford)との『明日に向って撃て!(Butch Cassidy And The Sundance Kid)』や『スティング(The Sting)』しかり、ちょっと時代を下ってトム・クルーズ(Tom Cruise)との『ハスラー 2(The Color Of Money)』しかり。
自身と対等もしくは己に匹敵する人気と演技力を持った俳優と渡り合いながらも、そこには対立する図式はない。彼ら共演者を補完して、相互に補助し擁護しあう関係性が形成されている様に、僕には観えた。

逆に言えば、当時の最新作ではない、ポール・ニューマン(Paul Newman)主演映画、例えば『動く標的(Harper)』や『引き裂かれたカーテン(Torn Curtain)』は、ちょっと僕の中では印象が薄いものである。まぁ、その殆どは、荻昌弘高島忠雄小森のおばちゃまの解説付きで、ブラウン管(Cathode Ray Tube)の向こうで上映されたものだったけれども[ちなみに、サヨナラおじさんは僕が住んでいた地域では未放映です]。
彼独りにピンがあたった映画は、彼だけにピンが当たっているのにも関わらず、彼の存在感が弱いのだ。

images
"Paul Newman by Dennis Hopper, 1964"

ところで、ここに一枚の写真がある。
撮影者はデニス・ホッパー(Dennis Hopper)で、被写体は若き日のポール・ニューマン(Paul Newman)。

モノクロ撮影された上半身裸の、その被写体は、真夏のふり注ぐ陽光とその暑さに耐えかねているのか、それとも、全く異なる事情によるのか、沈鬱な表情をたたえている。まるで、己の身体に映った編目様の影(恐らくフェンスか何かだろう)に、囚われているかの様な、そんな印象すら与えている。

撮影された時期は、作品クレジットにある様に、1964年。
当時、ポール・ニューマン(Paul Newman)はデヴュー直後の不遇時代を駆け抜けて、スターダムにのし上がったばかり。一方の、デニス・ホッパー(Dennis Hopper)といえば、映画『イージー★ライダー(Easy Rider)』でセンセーショナルに表舞台に登場する前の、まだまだ暗いトンネルを疾走している時代である。ちなみに、『地獄の黙示録(Apocalypse Now)』で、マッドなカメラマン役(Photojournalist)としてデニス・ホッパー(Dennis Hopper)が登場するのは、この頃の彼を知っているフランシス・フォード・コッポラ(Francis Ford Coppola)の悪いジョークかどうか?は、解らない。

まぁ、それはともかく。
撮影者の心象をそこに見出す事は可能だけれども、それだからと言って、一方の被写体には、その身体にまとわりつく様な暗い影が出現する謂れはない。

敢て言えば、撮影者も被写体も、彼らよりもより早くそしてより大きく成功し、しかしながら、とっくの昔に死んでしまったひとりの俳優に囚われていたのかもしれない。
その俳優とは、ジェームス・ディーン(James Dean)。
撮影者は映画『理由なき反抗(Rebel Without A Cause)』と映画『ジャイアンツ(Giant)』で共演しその演技力と人物としての魅力に感化される。被写体は映画『エデンの東(East Of Eden)』でジェームス・ディーン(James Dean)と共演するチャンスの直前にそれを逃してしまい、その一方でジェームス・ディーン(James Dean)の急逝によって映画『傷だらけの栄光(Somebody Up There Likes Me)』での主役の座を得る。

単なるこじつけとも言えるが、本稿冒頭で紹介した僕にとってのポール・ニューマン(Paul Newman)観は、このこじつけに沿う様な形で形成されているのかもしれない。
つまり、ポール・ニューマン(Paul Newman)という俳優のポートレイトでありながらも、その俳優を捉えたファインダーの向こうにいる撮影者に想いを馳せさせ、さらには、被写体と撮影者を結ぶ因果律を想起させる様な...。

次回は「」。
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>丸義さん
>佐藤浩市が尖がってた頃に勧めてた「暴力脱獄」
ポール・ニューマン自身も尖っていた頃ですね~。
てか、佐藤浩市も彼に似たタイプの俳優の様な?

個人的には、三の線狙いの『明日に向かって撃て!』でしょうか?
相棒のレッドフォードの寝ている間に、早朝、彼の恋人のキャサリン・ロスと一緒に自転車を乗り回すシーンとか、曲の雰囲気とあいまっていいシーンです。
http://jp.youtube.com/watch?v=VILWkqlQLWk

2008.10.01.00.49. |from たいとしはる feat.=OyO=| URL


ポール・ニューマン、鬼籍に入っちゃいましたね・・・
あまり彼の作品を観て無いのですが、
佐藤浩市が尖がってた頃に勧めてた「暴力脱獄」が
個人的に一番好きです。

ロレックスのCMも凄く印象深いですね。

2008.09.30.23.30. |from 丸義| URL [edit]

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