2018.01.14.20.12
こんな夢をみた。

"the poster" for the movie "The Eiger Sanction
" directed by Clint Eastwood
Fと一緒に歩いている。
Fとは数年前、些細な揉め事 [とぼくが思っている] で喧嘩別れして以来だ。
それが、ぼくの最寄駅へ向かう途中、久し振りに道の真ん中で出逢ってしまい、こうして歩いている。その時の経緯も含め、あった事やありえなかった事などをさっきからずっと話している。
Fの向かう先は、もうひとつ向こうの駅だ。それにぼくが付き合う格好になる。駅についてしまえば、別々の路線に向かう。わずか数10分のランデブー。かつてのわだかまりを総て解消するには短すぎ、だからと謂って、おためごかしでやり過ごすには長すぎる。
歩いている速度にあわせるかの様に、ことばは紡がれていく。
歩いていった距離にあわせるかの様に、ことばは忘れられていく。
彼のすすむがままに従っていくと、ふいにその道は行き止まりになってしまう。ぼく達の目の前におおきな壁が立ちすくんでいる。普通のビルにして、2階乃至3階くらいだろうか。
これが近道なのだと謂う。
この道のもっと手前で左にまがり、大きく迂回すれば上り坂にでる。そののぼりつめた先に駅がある。ところが、この壁を這い上がれば、その駅の正面に出るのだと謂う。
そんな説明もそこそこに彼はその壁をよじ登り始める。
行きがかり上、ぼくも彼のあとを追うしかない。
壁をのぼる物好きはなにも彼だけではない様だ。その証拠に、脚をかけるところや腕をのばすところが、いくつもある。
それらがうながす要求に従えば、否応もなく、身体は上へうえへと向かうしかない。
彼に遅れる事、数分、もしかすると数10分、ようやく最上部に掌が届く。
だがそこで、にっちもさっちもいかなくなる。
思い切って身体を伸ばすだけ伸ばし、そしてその勢いそのままに向こう側に倒れ伏せばいいのだ。
そうわかっているのだが、それがとても恐ろしい。
ぼくを待っているFは、自身の右腕をゆっくりとぼくの目の前までおろす。
だが、その腕にはちっともちからがはいっておらず、おざなりなモノにしかぼくには思えない。
さもなければ、ぼくが全体重をその右腕にあずけた途端、ふたりはまっさかさまに墜ちてしまいそうなのだ。
<断章>
ある女性に誘われてオペラを観劇する事になる。彼女とは随分ひさしぶりにあって、もう2度と出逢えないかもしれないとおもっていた、そんな女性である。
チケットは彼女が手配し、あとで精算する事になっている。会場入口で待ち合わせ、ふたり揃って窓口へ向かう。
会場はまだ閉ざされたままで、窓口での手続きを終えた先客達が、扉の手前で群れをなしている。
もぎりの女性はこう謂う。
数百円払えば、もう少しいいお席を用意出来ますよ、と。
彼女の甘言にそのまま従おうとふたりは合意したが、なかなかぼくの財布のありかがみつからない。
ようやくふたり分の追加料金、千数百円をだしたところ、そのお金は既にお連れ様から頂いていると謂われてしまう。
まごついているぼくにあきれた顔をして、彼女は扉の前で待っている。
会場最後尾から入れば、見知った顔がいくつも座席についている。
そのどれもが学生時代の同級生達で、みためもその当時のままだ。しかも、立ち居振る舞いすらも、そのまま、つまり、つまらない冗談かなにかを大声で謂い合っているのだ。
いつまでたっても子供だなぁ、と思いながら、しかもこちらは女性同伴である事を誇らしく思う。
その点だけに着目すれば、彼等とぼく、あたまの中身は大差ない様だ。
幕間にでもなったら声をかけよう、そう思い、彼等の蛮行をみてみぬぬりをして、自席に向かう。
席は、ふたりで1組の席で、席の高さを調節出来る仕組みだ。座席の高さをあげれば自然、前の席のあたまに舞台が隠れる事もない。
うしろからみれば、おおきなきのこがニョキニョキはえている様にもみえる。
しかし、ぼく達ふたり、席に座り、席をたかくたかくあげてはみたものの、それでも居心地はとても悪い。窮屈なのだ。
思い余って、近場を通った案内嬢に席の交換を申し出る。
彼女は謂う。
今回はお席にまだ余裕がありますから、あたらしいお席をご用意しましょう。
ご用意済み次第、お声をおかけ致します。
そうしてそれっきりだ。
開幕のベルがなり、あたりは次第に暗くなっていく。

"the poster" for the movie "Les enfants du Paradis
" directed by Marcel Carne

"the poster" for the movie "The Eiger Sanction
Fと一緒に歩いている。
Fとは数年前、些細な揉め事 [とぼくが思っている] で喧嘩別れして以来だ。
それが、ぼくの最寄駅へ向かう途中、久し振りに道の真ん中で出逢ってしまい、こうして歩いている。その時の経緯も含め、あった事やありえなかった事などをさっきからずっと話している。
Fの向かう先は、もうひとつ向こうの駅だ。それにぼくが付き合う格好になる。駅についてしまえば、別々の路線に向かう。わずか数10分のランデブー。かつてのわだかまりを総て解消するには短すぎ、だからと謂って、おためごかしでやり過ごすには長すぎる。
歩いている速度にあわせるかの様に、ことばは紡がれていく。
歩いていった距離にあわせるかの様に、ことばは忘れられていく。
彼のすすむがままに従っていくと、ふいにその道は行き止まりになってしまう。ぼく達の目の前におおきな壁が立ちすくんでいる。普通のビルにして、2階乃至3階くらいだろうか。
これが近道なのだと謂う。
この道のもっと手前で左にまがり、大きく迂回すれば上り坂にでる。そののぼりつめた先に駅がある。ところが、この壁を這い上がれば、その駅の正面に出るのだと謂う。
そんな説明もそこそこに彼はその壁をよじ登り始める。
行きがかり上、ぼくも彼のあとを追うしかない。
壁をのぼる物好きはなにも彼だけではない様だ。その証拠に、脚をかけるところや腕をのばすところが、いくつもある。
それらがうながす要求に従えば、否応もなく、身体は上へうえへと向かうしかない。
彼に遅れる事、数分、もしかすると数10分、ようやく最上部に掌が届く。
だがそこで、にっちもさっちもいかなくなる。
思い切って身体を伸ばすだけ伸ばし、そしてその勢いそのままに向こう側に倒れ伏せばいいのだ。
そうわかっているのだが、それがとても恐ろしい。
ぼくを待っているFは、自身の右腕をゆっくりとぼくの目の前までおろす。
だが、その腕にはちっともちからがはいっておらず、おざなりなモノにしかぼくには思えない。
さもなければ、ぼくが全体重をその右腕にあずけた途端、ふたりはまっさかさまに墜ちてしまいそうなのだ。
<断章>
ある女性に誘われてオペラを観劇する事になる。彼女とは随分ひさしぶりにあって、もう2度と出逢えないかもしれないとおもっていた、そんな女性である。
チケットは彼女が手配し、あとで精算する事になっている。会場入口で待ち合わせ、ふたり揃って窓口へ向かう。
会場はまだ閉ざされたままで、窓口での手続きを終えた先客達が、扉の手前で群れをなしている。
もぎりの女性はこう謂う。
数百円払えば、もう少しいいお席を用意出来ますよ、と。
彼女の甘言にそのまま従おうとふたりは合意したが、なかなかぼくの財布のありかがみつからない。
ようやくふたり分の追加料金、千数百円をだしたところ、そのお金は既にお連れ様から頂いていると謂われてしまう。
まごついているぼくにあきれた顔をして、彼女は扉の前で待っている。
会場最後尾から入れば、見知った顔がいくつも座席についている。
そのどれもが学生時代の同級生達で、みためもその当時のままだ。しかも、立ち居振る舞いすらも、そのまま、つまり、つまらない冗談かなにかを大声で謂い合っているのだ。
いつまでたっても子供だなぁ、と思いながら、しかもこちらは女性同伴である事を誇らしく思う。
その点だけに着目すれば、彼等とぼく、あたまの中身は大差ない様だ。
幕間にでもなったら声をかけよう、そう思い、彼等の蛮行をみてみぬぬりをして、自席に向かう。
席は、ふたりで1組の席で、席の高さを調節出来る仕組みだ。座席の高さをあげれば自然、前の席のあたまに舞台が隠れる事もない。
うしろからみれば、おおきなきのこがニョキニョキはえている様にもみえる。
しかし、ぼく達ふたり、席に座り、席をたかくたかくあげてはみたものの、それでも居心地はとても悪い。窮屈なのだ。
思い余って、近場を通った案内嬢に席の交換を申し出る。
彼女は謂う。
今回はお席にまだ余裕がありますから、あたらしいお席をご用意しましょう。
ご用意済み次第、お声をおかけ致します。
そうしてそれっきりだ。
開幕のベルがなり、あたりは次第に暗くなっていく。

"the poster" for the movie "Les enfants du Paradis
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