2017.11.05.16.03
こんな夢をみた。

the poster for the movie "Midnight Cowboy
" directed by John Schlesinger
せまい部屋に白いベッドがふたつ。シーツや毛布はまくりあげられて、だれの目にもさっき起きたばかりだとわかる。しかも、その上には乱雑にそれぞれの私物がひろげられているのだ。
Oはさっきからぼくに話しかけ、しかもその話題の主はみんなぼくであって、もう聴くのもうんざりだ。でも、Oにしては精一杯の親切身の表明であって、ぼくの今後を案じての説諭のつもりだから、こちらとしては、背筋だけでも伸ばしていなければならない。
時折、携帯が鳴り、そのたびに話の腰は折られる。対応するOの話ぶりからは、今夜の彼の仕事の打ち合わせだと解り、そこでまた、ぼくはうんざりする。何故ならば、そこにぼくも今夜、出向かなければならないからだ [しかもOはその事を知らない]。
Oが握った携帯に向かってどやしつけたり、愛想笑いをしている最中、暇を持て余したぼくは、付けっ放しのTVをみる。
その局の人気アナ、Iがにこやかに登場し、番組名をコールした後に名を名乗る。朝の情報番組の中のひとつ、報道のコーナーだ。Iは自己紹介の後の、いつもの前説を語ろうとした矢先、女性アナによって提供企業が読み上げられて彼の声は消されてしまう。一気に不機嫌になったIは、あらかじめ用意してあったのだろう、その記事を丸めて放り投げてしまう。
そんな画面を漠然と眺めているぼくに向かってOは相変わらずの繰り言を繰り返すばかりだ。ぼくにとってはとっくの昔に片付いた昔話だが、Oにとっては未だ現在進行形なのだろう。
TVは渋谷からの中継に変わる。酷い土砂降りだ。そこから目と鼻の先にあるここでは晴天が広がっていると謂うのに、これから一気にここの天気も荒れるのだろうか。レポーターもそこを強調したいのだろう。一切の雨具も持たず、ずぶ濡れになって週末の繁華街の模様を伝えている。
<断章>
O駅は騒然としている。週末の賑わいの他に、それとは何か別の異なる感興が渦巻いている。何台もワゴン車が止まり、中からお揃いの衣服を身につけた女性達が降りてくる。
渋谷に向かうにはまだ時間があるので、駅ビルに入る。あたりは不意に暗くなる。渋谷の土砂降りが到達したのだろうか。
いつもの様にウィンドウ・ショッピングをしているつもりが、知らないうちに駅構内にいるのに気づく。しかし、切符も定期もぼくは持っていない。
ぼくの脇を、白装束に包んだ青年がひとり、駆け抜けていく。
背中には大きく、赤々と、自身の名前が綴られている。
思案しながらホームを歩いていると、改札の前にいる。駅員は誰もおらず、誰もがノー・チェックで出入りしている。真っ正直に精算を試みようとしている老婦人2人組だけが途方にくれていて、誰もが失笑をこらえきれずにいる。
改札を出た先は晴天が広がり、そこに先程の女性達が横隊を組み、点呼をしている。
その先導をしているのは先程の、白装束の青年である。

the poster for the movie "Race With The Devil
" directed by Jack Starrett

the poster for the movie "Midnight Cowboy
せまい部屋に白いベッドがふたつ。シーツや毛布はまくりあげられて、だれの目にもさっき起きたばかりだとわかる。しかも、その上には乱雑にそれぞれの私物がひろげられているのだ。
Oはさっきからぼくに話しかけ、しかもその話題の主はみんなぼくであって、もう聴くのもうんざりだ。でも、Oにしては精一杯の親切身の表明であって、ぼくの今後を案じての説諭のつもりだから、こちらとしては、背筋だけでも伸ばしていなければならない。
時折、携帯が鳴り、そのたびに話の腰は折られる。対応するOの話ぶりからは、今夜の彼の仕事の打ち合わせだと解り、そこでまた、ぼくはうんざりする。何故ならば、そこにぼくも今夜、出向かなければならないからだ [しかもOはその事を知らない]。
Oが握った携帯に向かってどやしつけたり、愛想笑いをしている最中、暇を持て余したぼくは、付けっ放しのTVをみる。
その局の人気アナ、Iがにこやかに登場し、番組名をコールした後に名を名乗る。朝の情報番組の中のひとつ、報道のコーナーだ。Iは自己紹介の後の、いつもの前説を語ろうとした矢先、女性アナによって提供企業が読み上げられて彼の声は消されてしまう。一気に不機嫌になったIは、あらかじめ用意してあったのだろう、その記事を丸めて放り投げてしまう。
そんな画面を漠然と眺めているぼくに向かってOは相変わらずの繰り言を繰り返すばかりだ。ぼくにとってはとっくの昔に片付いた昔話だが、Oにとっては未だ現在進行形なのだろう。
TVは渋谷からの中継に変わる。酷い土砂降りだ。そこから目と鼻の先にあるここでは晴天が広がっていると謂うのに、これから一気にここの天気も荒れるのだろうか。レポーターもそこを強調したいのだろう。一切の雨具も持たず、ずぶ濡れになって週末の繁華街の模様を伝えている。
<断章>
O駅は騒然としている。週末の賑わいの他に、それとは何か別の異なる感興が渦巻いている。何台もワゴン車が止まり、中からお揃いの衣服を身につけた女性達が降りてくる。
渋谷に向かうにはまだ時間があるので、駅ビルに入る。あたりは不意に暗くなる。渋谷の土砂降りが到達したのだろうか。
いつもの様にウィンドウ・ショッピングをしているつもりが、知らないうちに駅構内にいるのに気づく。しかし、切符も定期もぼくは持っていない。
ぼくの脇を、白装束に包んだ青年がひとり、駆け抜けていく。
背中には大きく、赤々と、自身の名前が綴られている。
思案しながらホームを歩いていると、改札の前にいる。駅員は誰もおらず、誰もがノー・チェックで出入りしている。真っ正直に精算を試みようとしている老婦人2人組だけが途方にくれていて、誰もが失笑をこらえきれずにいる。
改札を出た先は晴天が広がり、そこに先程の女性達が横隊を組み、点呼をしている。
その先導をしているのは先程の、白装束の青年である。

the poster for the movie "Race With The Devil
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