2007.07.16.16.01

死者である髑髏は何を想って生者である少女の裸体を凝視め、その反対に、生と性を謳歌している少女は、その骸に何を見い出すのであろうか?
しかし、もしかすると、この死者と生者は同一人物のビフォーアフター。己自身の過去と未来を一望したものかもしれない。
『Memento mori / メメント・モリ / 死を想え』とは、中世ヨーロッパで誕生した概念で、己が"死すべき存在(=mortal)"である事を忘れるなという一種の死生観である。疫病や異教徒の侵略や戦争など、常に生の隣に死の存在を意識しなければならなかったその時代に誕生した『Memento mori / メメント・モリ / 死を想え』という概念は、宗教的喜悦や芸術的な衝動を産み出した。
では、今、この時代、この瞬間の『Memento mori / メメント・モリ / 死を想え』とは、何だろうか?
上記掲載のYouTube画像は、映画『ファイナル・デスティネーション
すべからく、死は、殆どの死はこの様にして、不意打ちする。だが、しかし、この映画の中では、登場人物の死は、あらかじめ予定されたものである。
否、むしろ、"死すべき存在(=mortal)"であるからこそ、その死は総べてあらかじめ予定されているものなのだ。
『Memento mori / メメント・モリ / 死を想え』と言われて最初に想い描くのが、先に掲げたアントワーヌ・ヴィールツ(Antoine - Joseph Wiertz)による『美しきロジーヌ(La Belle Rosine』[アントワーヌ・ヴィールツ美術館(Les Musee Wiertz):ブリュッセル(Bruxelles)収蔵]。
しかし、澁澤龍彦の『幻想の肖像
それでは再び問うてみる。今、この時代、この瞬間の『Memento mori / メメント・モリ / 死を想え』を解釈する事は、どういう事だろうか?
ps.幼い頃は、いろいろないきものの屍骸をみた。
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