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2017.05.21.08.51

"CLEAN AS A BROKE-DICK DOG" by THE MONKEYWRENCH

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ドイツ (Deutschland) が産んだ3大Bと謂えば、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (Johann Sebastian Bach)、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (Ludwig Van Beethoven)、そしてヨハネス・ブラームス (Johannes Brahms)。
では、グランジ (Grunge) を産んだ3大Bと謂えば、それは何か?

みっつのうちのふたつはすぐに解る。ブラック・サバス (Black Sabbath) とブラック・フラッグ (Black Flag) だ。しかし遺るひとつが思い浮かばない。
ザ・ビートルズ (The Beatles) と謂う逃げ道がない訳ではないが、これでは何も語っていない事と一緒だ。例えばそれは婚活 (Searching For A Marriage Partner) や就活 (Job Hunting) の趣味の欄に音楽鑑賞 (Music Appreciation) と綴る事と一緒で、無芸大食 (Good For Nothing But Feeding) の証にもならない。
ぼく個人としては、スティーヴ・アルビニ (Steve Albini) が率いていたビッグ・ブラッグ (Big Black) を挙げたいところだが、これには恐らく異論もあるだろう。そのシーンに於けるプロデューサーとしてのスティーヴ・アルビニ (Steve Albini) の存在は決して小さくはないが、彼のそのバンドが実際的に果たした影響力と謂うのはそのジャンルに対して、どれだけのモノなのだろうか。
それを考える事はきっと、グランジ (Grunge) とはなんだったのかと謂う大命題にぶち当たるだろう。
[いまおもうに、のこるそのひとつとはブルー・チアー (Blue Cheer) ぢゃあないかなぁ? [2020.05.10 記] ]

少なくとも本作品のジャケットは、遺るひとつのBは、ブルー・ノート (Blue Note Records) であると主張している様にみえる。
そこでの配色、タイポグラフィ、画面構成、そしてレーベル・ロゴ。総てがブルー・ノート (Blue Note Records) と謂うレーベルのパロディとなっている。
それは、フロント・カヴァーに着目するよりも、それをひっくり返したバック・カヴァーの方に実はより色濃く溢れかえっている。そこに印字されている楽曲名を始めとするクレジットのレイアウトがまんま、再発されたブルー・ノート (Blue Note Records) の、名盤復刻CDでのそれとそっくり同じなのだ。

そこだけに注目すると、本作品の発売元である、当時のサブ・ポップ (Sub Pop Recrods) の勢いと謂うのが溢れるばかりなのだ。

そして、ジャンルこそ違えど、改めて、商品パッケージとしてのブルー・ノート (Blue Note Records) の凄みと謂うモノを理解させられる。その作品に参加するアーティストのちから、存在感に頼る事なく、商品としての音楽をいかにみせ、そして如何に魅了させるか、その方法論のひとつの粋がそのレーベルにあるのだ。
[敢えて作品に向かう必要はないけれども、試しにそのレーベルのジャケット・デザインを検索してみると良い。配色や配置や構図や構成だけで、あるモードが見事に表象されている事が立ち所に理解出来る筈だ。]

参加メンバーはマーク・アーム (Mark Arm : vo, key, hrp)、スティーヴ・ターナー (Steve Turner : b, vo)、トム・プライス (Tom Price : g)、ティム・カー (Tim Kerr : g, vo, hrp) そしてマーティン・ブランド (Martin Bland : dr, vo, per) の5人。マーク・アーム (Mark Arm) とスティーヴ・ターナー (Steve Turner) は、サブ・ポップ (Sub Pop Recrods) 出身のバンド、マッドハニー (Mudhoney) の中心人物だ。
こうやって綴っていくと、あたかもレーベル主導でこの人材が集められ、この作品が制作された様に思えてしまうが、決してそうではない。

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第一に、画面構成こそブルー・ノート (Blue Note Records) だけれども、その画面構成の中に収まるこの5人は、まるで映画『ブルース・ブラザース (The Blues Brothers)』 [ジョン・ランディス (John Landis) 監督作品 1980年制作] や映画『レザボア・ドッグス (Reservoir Dogs)』 [クエンティン・タランティーノ (Quentin Tarantino) 監督作品 1992年制作] だ。
ブルー・ノート (Blue Note Records) と謂うよりもスタックス (Stax Records) の方が彼等のファッション・センスに近い。ブック・カヴァーに掲載されたライヴ写真をみる限り、この服装で演奏している様だ。

彼等の演奏自体も、先に挙げた3大Bならぬ2大B、ブラック・サバス (Black Sabbath) やブラック・フラッグ (Black Flag) よりも、もっと保守本流の音楽の影響下にある様だ。
つまり、とても小気味の良いロックンロール (Rock And Roll) が聴けるのである。
もしかしたら、マッドハニー (Mudhoney) よりも好きかもしれない。

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猶、本作こっきりのスペシャルなプロジェクトとばかり思っていたら、2000年に『エレクトリック・チルドレン (Electric Children)』、2008年に『ガブリエルズ・ホーン (Gabriel's Horn)』が発表されている。

ものづくし(click in the world!)175. :"CLEAN AS A BROKE-DICK DOG" by THE MONKEYWRENCH


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"CLEAN AS A BROKE-DICK DOG" by THE MONKEYWRENCH

1. CALL MY BODY HOME
2. ANGELHEAD
3. COLD COLD WORLD (with organ)
4. CODINE
5. FROM YOU
6. DOUBLED OVER AGAIN
7. GREAT DOWN HERE
8. Intermission
9. LOOK BACK
10. BOTTLE UP & GO
11. THE STORY AS I WAS TOLD
12. NOTETS & CHORDS MEAN NOTHING TO ME
13. STOP THIS WORLD
14. I'M BLOWN

MARK ARM, vocals, keyboards, harmonica ;
STEVE TURNER, bass, vocals ;
TOM PRICE, guitar ;
TIM KERR, guitar, vocals, blue harp on "Codine" ;
MARTIN BLAND, drums, vocals, percussion

liner notes by DELBERT WIEDENFELDT 1991

Users of Wide Range equipment should adjust their controls for RIAA curve.

Recorded by UNO
Photos by CHUCK
Design by ART

with love and respect to Mike Carrol.

(P) 1992, SUB POP
(C) 1992, Conspiracy of Wrench
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