this night wounds time, これもまた悪い夢の続き 91.

2017.01.29.19.34

これもまた悪い夢の続き 91.

こんな夢をみた。

video package for the movie "Thursday Afternoon" by Brian Eno

例えばこんな光景だった。

陽射しと樹々の彩りから、おそらく初夏なのだろう。
ぼくの視線を遮る様に、土壁がたちふさがり、陽にやけている。
右端には山門がある筈なのだが、今のぼくには確認する事が出来ない。
その反対側には常緑樹が茂り、そのしたにあおい自動車が1台、停まっている。

その光景をみているぼく自身はそこにはいない。

くらい一室に座り込んで、スクリーンに映し出されているそれをじっと、みまもっているのか。それとも、そんな光景ばかりを撮影した写真集の1頁でもひらいているのか。
それすらも判断がつかない。

今のぼくは視線だけの存在と化して、その光景をみまもるだけなのだ。

かつてみた光景なのか、かつて体験した光景なのか、それは解らない。
それとも、これからはじまる物語の舞台なのか、それとも、既に終幕を迎えた物語のそれなのか、それも解らない。

ただ、なんの変哲もない光景が、ゆっくりと顕れては消えてゆく。
そこには誰も登場せず、しかも一切のうごきも停まっている。