2016.05.31.11.16
と名乗る、集団と謂うか一団と謂うか連中と謂うか、グループはふたつあるから、一家 (Family) と謂うよりも実は二家 (Families) だ。しかもこの二家 (Families) は類縁関係にはない。
それだけではない。
それぞれの一家 (Family) に所属ないしは分類されるモノモノ同士が、血縁関係にあるのでもない。
いや、これはよく考えてみれば、この世の中、一家 (Famiiy) を自称もしくは他称にかかわらず、家族 (Family) と看做し得る条件を備えているモノは却って少ないのではないか。この世にある一家 (Family) の殆どが擬制のそれであって、なおかつ、組織とか機関と呼べる程の、構築された関係性をその内部に有していないのだろう。
と謂う様な他し事に拘っていると、組織論、しかも日本独自のそれを考察してみたくもなるが、そおゆう話題に舵はきらない。
件名に掲げたドボチョン一家 (Dobochon Families) について、書き綴るのだ。
文頭に示した様に、ドボチョン一家 (Dobochon Families) はふたつある。どちらも米国制作のアニメ番組の我が国に於ける題名だ。
ひとつは『幽霊城のドボチョン一家 (Groovie Goolies)』 [フィルメーション・スタジオ (Filmation) 制作 1970~1971年 CBS系列放映]。
ひとつは『ドボチョン一家の幽霊旅行 (The Funky Phantom)』 [ハンナ・バーベラ・プロダクション (Hanna-Barbera Productions, Inc.) 1971~1972年 ABC系列放映]。
それぞれの邦題を無視してそれ以外、原題や制作会社や放映年や放送局をみくらべれば、全然別の作品だと謂うのが解る。
これが何故、同じ固有名詞であるドボチョン一家 (Dobochon Families) が冠せられているかと謂うと、我が国内での放送局が共通だからだ。
前者が1970年から1971年に、後者が1972に、現テレビ朝日の当時日本教育テレビことNET (TV Asahi Corporation now [Nihon Educational Television Co., Ltd. then]) で放送された。
ぼくはいずれもリアルタイムで経験している筈だ。
そして、いつもこのふたつのドボチョン一家 (Dobochon Families) を混同してしまう。
物語自体は全く異なる。
それぞれの邦題にある様に、前者は幽霊城を舞台にした物語で、後者は幽霊が旅をする物語だ。しかし、これではただのトートロジー (Tautology) に過ぎない。もう少し詳しく綴ろう。
前者が妖怪達を主役にしたスラップステイック・コメディーであるのに対し、後者は幽霊と共に放浪する若者達がいく先々で出逢う怪現象を解決するコメディータッチの作品だ。
これだけ違えば、混同する方がおかしい。
喩えて謂えば、同じ放送時間帯で同じ時代劇だからと謂うそれだけの理由で『大岡越前 (Ooka Echizen)』[シー・エー・エル (C.A.L) 制作 1970~1999年 TBS系列放映] と『水戸黄門 (Mito Komon)』 [シー・エー・エル (C.A.L) 制作 1969~2003年 TBS系列放映] を混同する様なモノだ。
だけれども、ぼくが混乱を来す要因はそれだけではない。
それは主題歌だ。
前者のオープニング主題歌は『幽霊城のドボチョン一家 (The Dobochon Family At The Ghosts Castle)』 [作詞:島村葉二 (Yoji Shimmura) 作曲:橋場清 (Kiyoshi Hashiba) 歌唱:グリーン・ブライト (Green Bright)] であり、後者のオープニング主題歌は『ドボチョン一家の幽霊旅行 (The Dobochon Family Traveling With The Ghosts)』 [作詞:島村葉二 (Yoji Shimmura) 作曲:橋場清 (Kiyoshi Hashiba) 歌唱:ザ・ラニアルズ (The Ranials)] で、歌唱者こそ異なるモノの、作家チームは共通だ。しかも、それだけではない。実は歌詞こそ違えるが同一楽曲なのである。
後者の歌詞の一節ではないが♪ああややこしい (How Complicated)♪事、この上ない。
しかも、おそらく、そのややこしさはこのふたつのドボチョン一家 (Dobochon Families) の責にだけあるのではないのだと思う。
それは『アダムス・ファミリー (The Addams Family)』[原作:チャールズ・アダムズ (Charles Addams) 1937~1988年 ザ・ニューヨーカー (The New Yorker)] と謂う存在だ。
設定だけを考慮すれば、それは前者のドボチョン一家 (Dobochon Families) に似ていなくもない。
この作品、様々なメディアで展開されているが、アニメ作品と謂う点に着目すれば『アダムスのお化け一家 (The Addams Family)』 [ハンナ・バーベラ・プロダクション (Hanna-Barbera Productions, Inc.) 1973~1975年 ABC系列放映] がある。
しかしながら、これは観た記憶がない。
寧ろ、その後に実写映画化されたふたつの作品、映画『アダムス・ファミリー
(The Addams Family)』 [バリー・ソネンフェルド (Barry Sonnenfeld) 監督作品 1991年制作] と映画『アダムス・ファミリー 2
(Addams Family Values)』 [バリー・ソネンフェルド (Barry Sonnenfeld) 監督作品 1993年制作] からフィード・バック (Feed Back) されてドボチョン一家 (Dobochon Families) の記憶が刺激された結果なのかもしれない。

なにせ、その作品のヒロインであるモーティシア・アダムス (Morticia Addams) [演:アンジェリカ・ヒューストン (Anjelica Huston)] と映画『プラン9・フロム・アウタースペース
(Plan 9 From Outer Space)』[エド・ウッド (Ed Wood) 監督作品 1959年制作] の登場人物のひとり、ヴァンパイラ (Vampire Girl) [演:マリア・ナルミ (Maila Nurmi)] と実在する歌手のシェール (Cher) は、ぼくの中ではひと続きだからなのだ。
勿論、その一線には映画『エド・ウッド
(Ed Wood)』 [ティム・バートン (Tim Burton) 監督作品 1994年制作] でマリア・ナルミ (Maila Nurmi) 役を演じたリサ・マリー (Lisa Marie) や映画『ファスター・プシィキャット! キル! キル! (Faster, Pussycat! Kill! Kill!)』 [ラス・メイヤー (Russ Meyer) 監督作品 1965年制作] でのヴァーラ (Varla) [演:トゥラ・サターナ (Tura Satana) :上掲画像はこちらから] を加えてもいい。
次回は「か」。
附記:
ぼくの手許には2枚組CD『ハンナ・バーベラ日本語版主題歌集
(Hanna-Barbera Cartoon Theme Songs For Japanese)』 [1994年発表] と謂う作品があって、そこにはTV放映編とレコード編、ふたつのヴァージョンの楽曲『ドボチョン一家の幽霊旅行 (The Dobochon Family Traveling With The Ghosts)』と、それをオープニング主題歌とするアニメ番組の挿入曲『猫ふんじゃったブルふんじゃった (I Stepped On The Cat, I Stepped On The Bulldog)』 [作詞:島村葉二 (Yoji Shimmura) 作曲:橋場清 (Kiyoshi Hashiba) 歌唱:相模太郎 (Taro Sagami Jr.)] が収録されている [こちらも2ヴァージョンある]。
改めて断っておくけれども『ハンナ・バーベラ日本語版主題歌集
(Hanna-Barbera Cartoon Theme Songs For Japanese)』だから当然のごとく、フィルメーション・スタジオ (Filmation) 制作のアニメ番組『幽霊城のドボチョン一家 (Groovie Goolies)』に関連する楽曲は収録されていない。
そこに添付されている解説では『ペーソスと反骨の人、高桑慎一郎』と題された、ハンナ・バーベラ・プロダクション (Hanna-Barbera Productions, Inc.) 作品の日本語版演出を担当した高桑慎一郎 (Shinichiro Takakuwa) のインタヴューが掲載されている。
そこには次の様な発言がある。
「ドボチョンや今また流行っているようですがムッシュムラムラなんかもみんなカードの時にその場の雰囲気で言った言葉なんです」
ここで謂う「カード」とは、「トランプ遊び」の事である。
こういう説明を聴くと、同じハンナ・バーベラ作品の『チキチキマシン猛レース (Wacky Races)』[1968~1969年 CBS系列放映] に登場するヒュードロクーペ (The Creepy Coupe) のヒュードロでも良かったのになぁとも思う。『幽霊城のヒュードロ一家 (Groovie Goolies)』とか『ヒュードロ一家の幽霊旅行 (The Funky Phantom)』とか。
しかし、これではあまりに語るに堕ちてしまうのか、極めて想像力が働く余地が少ないのかもしれない。
だがいずれにしろヒュードロクーペ (The Creepy Coupe) こそ、『幽霊城のドボチョン一家 (Groovie Goolies)』の登場人物達が駆動させていても不思議ではない。
ああ、そうか。『ドボチョン一家の幽霊旅行 (The Funky Phantom)』の主要登場人物達が乗車するのが、ヒュードロクーペ (The Creepy Coupe) であっても別段、不都合はないんだな。
それだけではない。
それぞれの一家 (Family) に所属ないしは分類されるモノモノ同士が、血縁関係にあるのでもない。
いや、これはよく考えてみれば、この世の中、一家 (Famiiy) を自称もしくは他称にかかわらず、家族 (Family) と看做し得る条件を備えているモノは却って少ないのではないか。この世にある一家 (Family) の殆どが擬制のそれであって、なおかつ、組織とか機関と呼べる程の、構築された関係性をその内部に有していないのだろう。
と謂う様な他し事に拘っていると、組織論、しかも日本独自のそれを考察してみたくもなるが、そおゆう話題に舵はきらない。
件名に掲げたドボチョン一家 (Dobochon Families) について、書き綴るのだ。
文頭に示した様に、ドボチョン一家 (Dobochon Families) はふたつある。どちらも米国制作のアニメ番組の我が国に於ける題名だ。
ひとつは『幽霊城のドボチョン一家 (Groovie Goolies)』 [フィルメーション・スタジオ (Filmation) 制作 1970~1971年 CBS系列放映]。
ひとつは『ドボチョン一家の幽霊旅行 (The Funky Phantom)』 [ハンナ・バーベラ・プロダクション (Hanna-Barbera Productions, Inc.) 1971~1972年 ABC系列放映]。
それぞれの邦題を無視してそれ以外、原題や制作会社や放映年や放送局をみくらべれば、全然別の作品だと謂うのが解る。
これが何故、同じ固有名詞であるドボチョン一家 (Dobochon Families) が冠せられているかと謂うと、我が国内での放送局が共通だからだ。
前者が1970年から1971年に、後者が1972に、現テレビ朝日の当時日本教育テレビことNET (TV Asahi Corporation now [Nihon Educational Television Co., Ltd. then]) で放送された。
ぼくはいずれもリアルタイムで経験している筈だ。
そして、いつもこのふたつのドボチョン一家 (Dobochon Families) を混同してしまう。
物語自体は全く異なる。
それぞれの邦題にある様に、前者は幽霊城を舞台にした物語で、後者は幽霊が旅をする物語だ。しかし、これではただのトートロジー (Tautology) に過ぎない。もう少し詳しく綴ろう。
前者が妖怪達を主役にしたスラップステイック・コメディーであるのに対し、後者は幽霊と共に放浪する若者達がいく先々で出逢う怪現象を解決するコメディータッチの作品だ。
これだけ違えば、混同する方がおかしい。
喩えて謂えば、同じ放送時間帯で同じ時代劇だからと謂うそれだけの理由で『大岡越前 (Ooka Echizen)』[シー・エー・エル (C.A.L) 制作 1970~1999年 TBS系列放映] と『水戸黄門 (Mito Komon)』 [シー・エー・エル (C.A.L) 制作 1969~2003年 TBS系列放映] を混同する様なモノだ。
だけれども、ぼくが混乱を来す要因はそれだけではない。
それは主題歌だ。
前者のオープニング主題歌は『幽霊城のドボチョン一家 (The Dobochon Family At The Ghosts Castle)』 [作詞:島村葉二 (Yoji Shimmura) 作曲:橋場清 (Kiyoshi Hashiba) 歌唱:グリーン・ブライト (Green Bright)] であり、後者のオープニング主題歌は『ドボチョン一家の幽霊旅行 (The Dobochon Family Traveling With The Ghosts)』 [作詞:島村葉二 (Yoji Shimmura) 作曲:橋場清 (Kiyoshi Hashiba) 歌唱:ザ・ラニアルズ (The Ranials)] で、歌唱者こそ異なるモノの、作家チームは共通だ。しかも、それだけではない。実は歌詞こそ違えるが同一楽曲なのである。
後者の歌詞の一節ではないが♪ああややこしい (How Complicated)♪事、この上ない。
しかも、おそらく、そのややこしさはこのふたつのドボチョン一家 (Dobochon Families) の責にだけあるのではないのだと思う。
それは『アダムス・ファミリー (The Addams Family)』[原作:チャールズ・アダムズ (Charles Addams) 1937~1988年 ザ・ニューヨーカー (The New Yorker)] と謂う存在だ。
設定だけを考慮すれば、それは前者のドボチョン一家 (Dobochon Families) に似ていなくもない。
この作品、様々なメディアで展開されているが、アニメ作品と謂う点に着目すれば『アダムスのお化け一家 (The Addams Family)』 [ハンナ・バーベラ・プロダクション (Hanna-Barbera Productions, Inc.) 1973~1975年 ABC系列放映] がある。
しかしながら、これは観た記憶がない。
寧ろ、その後に実写映画化されたふたつの作品、映画『アダムス・ファミリー

なにせ、その作品のヒロインであるモーティシア・アダムス (Morticia Addams) [演:アンジェリカ・ヒューストン (Anjelica Huston)] と映画『プラン9・フロム・アウタースペース
勿論、その一線には映画『エド・ウッド
次回は「か」。
附記:
ぼくの手許には2枚組CD『ハンナ・バーベラ日本語版主題歌集
改めて断っておくけれども『ハンナ・バーベラ日本語版主題歌集
そこに添付されている解説では『ペーソスと反骨の人、高桑慎一郎』と題された、ハンナ・バーベラ・プロダクション (Hanna-Barbera Productions, Inc.) 作品の日本語版演出を担当した高桑慎一郎 (Shinichiro Takakuwa) のインタヴューが掲載されている。
そこには次の様な発言がある。
「ドボチョンや今また流行っているようですがムッシュムラムラなんかもみんなカードの時にその場の雰囲気で言った言葉なんです」
ここで謂う「カード」とは、「トランプ遊び」の事である。
こういう説明を聴くと、同じハンナ・バーベラ作品の『チキチキマシン猛レース (Wacky Races)』[1968~1969年 CBS系列放映] に登場するヒュードロクーペ (The Creepy Coupe) のヒュードロでも良かったのになぁとも思う。『幽霊城のヒュードロ一家 (Groovie Goolies)』とか『ヒュードロ一家の幽霊旅行 (The Funky Phantom)』とか。
しかし、これではあまりに語るに堕ちてしまうのか、極めて想像力が働く余地が少ないのかもしれない。
だがいずれにしろヒュードロクーペ (The Creepy Coupe) こそ、『幽霊城のドボチョン一家 (Groovie Goolies)』の登場人物達が駆動させていても不思議ではない。
ああ、そうか。『ドボチョン一家の幽霊旅行 (The Funky Phantom)』の主要登場人物達が乗車するのが、ヒュードロクーペ (The Creepy Coupe) であっても別段、不都合はないんだな。
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