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2016.05.27.12.03

Under The Boardwalk

その惑星はひからびるばかりであった。

原因は不明だ。
いや、もしかりに高度な文明をもつ知性が生息しているのならば、たちどころに解明し、なんらかの打開策をえられていたのかもしれない。しかし、実際にそこにすむ種族にはのぞみようもないものだった。

だからかれらは地上をみかぎった。地下へ地底へと退避したのだ。
しかし、それはかれらにかぎったはなしではない。その惑星にいきる生命、すべての生物が地下へ地底へと退避したのである。

地底ふかく都市が建設される。
いくつもいくつも坑道がほられ、それをかれらの技術でもって補強する。
だがそれにも限度がある。

その惑星の岩盤はきわめて脆弱であった。そして、その惑星からは水分がうばわれていくばかりだ。
だから、都市の一角はつねに崩壊の危機にさらされている。
かれらのつたない技術で補強しても、それをささえきるだけのちからがそこにはないのだ。
今日ほった坑道が明日にはうまる。そんな日々のくりかえしだ。

砂上の楼閣とは、この惑星をさししめすことばなのかもしれない。

いずれかれらの文明も終焉をむかえるだろう。知性は次第に退行する。一生涯を坑道の補強にあけくれについやすだけならば、おそらくそれで充分だろう。

永遠の暗闇。
地下にいきるものであるのならば、まず視力は不要だ。

[the text inspired from the song "Under The Boardwalk" from the album "Under The Boardwalk" by The Drifters]


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