2016.02.23.12.59
すこんとぬける様な青空の下、見渡す限りのきいろいつちくれがひろがっている。なにかひろいおおきな建設現場なのだろう。とおくにはそれをうらづける様な、おおきな作業機械がいくつもみえる。
そして、そこににょっきりと銀色の巨大な円錐がたちはだかっている。
これまでみたこともないそれに惹かれてぼく達は、そばまでかけよってみる。
たたくと硬い。
すると突然、その円錐はおおきな音をたてて、回転を始める。
グビラだった。
そんな夢を随分昔、ぼくは観た。
その夢の中の出来事から類推するに、ぼくにとってのグビラ (Gubira) とは地底怪獣 (Subterranean Monster) であるらしい。
彼が登場する、TV番組『ウルトラマン
(Ultraman)』 [1966~1967年 TBS系列放映] の第24話『海底科学基地
(The Undersea Science Center)』 [監督:飯島敏宏 (Toshihiro Iijima) 脚本:藤川桂介 (Keisuke Fujikawa) 特技監督:高野宏一 (Koichi Takano)] は、何度も繰り返し観た筈であるのに。
深海怪獣 (Deep Sea Monster) グビラ (Gubira) をぼくが地底怪獣 (Subterranean Monster) と認識してしまう理由は幾つもあるのだけれども、それに触れる以前に、彼が登場するエピソード第24話『海底科学基地
(The Undersea Science Center)』 [監督:飯島敏宏 (Toshihiro Iijima) 脚本:藤川桂介 (Keisuke Fujikawa) 特技監督:高野宏一 (Koichi Takano)] を簡単におさらいしておこう。
物語の構造は非常にシンプルで、深海深く幽閉された人々の、危機脱出の物語だ。
閉ざされた人物達からみれば、海底と謂う環境自体が、そこからの自力脱出を困難にしている点、その上で彼等の脱出を妨げる怪獣と謂う存在、そしてさらに、彼等の貴重でかつ最重要であるライフラインのひとつ、酸素 (Oxygen) に限りがあると謂う点、それ等が幾重にも重なって物語に緊張を強いる事になる。
と、綴っていくと、こういう構造の物語はこれまでにも幾つも幾つも、何度も何度も語られていた [そしてこのエピソードが放送された後も何度も何度も語られ続ける事になる]。
例えば、同じTV番組『ウルトラマン
(Ultraman)』 [1966~1967年 TBS系列] の第29話『地底への挑戦
(The Challenge Into Subterra)』 [監督:野長瀬三摩地 (Samaji Nonagase) 脚本:南川竜 (Ryu Minamikawa)、金城哲夫 (Tetsuo Kinjo) 特技監督:高野宏一 (Koichi Takano)] は、その物語の舞台を海底から地中へと転化した様な構造なのだ。
但し、異なるのはその幽閉された場所であって、脱出の物語の主軸を担う人物が異なるのだ。
第24話と第29話、そのいずれでもムラマツ・トシオ隊長 (Captain Toshio "Cap" Muramatsu) [演:小林昭二 (Akiji Kobayashi)] は幽閉者のひとりであり、後者に於いては正にヒーロー然たる活躍をみせるのだが、前者に於いてはその役割はフジ・アキコ隊員 (Akiko Fuji) [演:桜井浩子 (Hiroko Sakurai)] の任だ。
彼女がここまで果敢な活躍をみせるエピソードは、これまでにあったかなぁと思いだそうとしても、なかなか、このエピソードに匹敵する活躍をみせる物語はそうざらにはない。
寧ろ、同じ女優が演じた江戸川由利子 (http://ultraman-series.wikia.com/wiki/Yuriko_Edogawa) [演:桜井浩子 (Hiroko Sakurai)] が、TV番組『ウルトラQ
(Ultra Q)』 [1966年 TBS系列放映] の第1話『ゴメスを倒せ!
(Defeat Gomess!)』[監督:円谷一 (Hajime Tsuburaya) 脚本:千束北男 (Kitao Senzoku) 特技監督:小泉一 (Hajime Koizumi)] での様に、火中に栗を拾いにいって (Pull Someone's Chestnuts Out Of The Fire)、散々な恐怖体験をする、と謂う様な役回りの方が多いのではないだろうか。
その、これまでになく勇敢に活躍するフジ・アキコ隊員 (Akiko Fuji) [演:桜井浩子 (Hiroko Sakurai)] ではあるが、しかも物語の中では、ウェットスーツ (Wet Suit) を着た姿を物語の中で披露してくれるのだが、この描写がとても残念なのだ [こちらを参照の事]。
どうみても、その姿、戦前〜戦中のもんぺ (Monpe) 姿を思わせる様な、ずんぐりむっくりな体型しか画面には顕れていない。
後に、実相寺昭雄 (Akio Jissoji) 監督作品 [映画『曼陀羅
(Mandara)』[1970年制作] と映画『哥
(Uta)』[1971 年制作]] で惜しげもない肢体を曝け出した女優と同一人物とは決して思えない。1979年公開の映画『サンバーン (Sunburn)』 [リチャード・C・サラフィアン (Richard C. Sarafian) 監督作品 1979年制作] でのファラ・フォーセット (Farrah Fawcett) の様なウェットスーツ (Wet Suit) 姿 [こちらを参照の事] を望むのは無謀としても、彼女本来に備わるモノをもっと的確に描写出来なかったのだろうか。
当時の、子供向けTV番組の [女性描写に於いての] 限界と謂うモノへ想いを走らせてしまうのだ。
[そおゆう点に於いても、TV番組『ウルトラセブン
(Ultra Seven)』 [1967~1968年 TBS系列] に於ける友里アンヌ隊員 (Anne Yuri) [演:ひし美ゆり子 (Yuriko Hishimi)] と謂う存在は画期的なのだった。]

さて、この記事の主題はグビラ (Gubira)、怪獣である。
[掲載画像はこちらから。]
この怪獣、深海怪獣 (Deep Sea Monster) の異名がある様に、身体的な側面からみれば、どうみても魚類 (Fish) のそれである。
流線的な体型に、四肢は総て鰭状の形態をしている。
しかし、それらを総て裏切るかの様に、頭部の先端には鋭いドリル (Drill) がある。
鋸鮫 (Sawshark) だろうか、それとも、一角 (Narwhal) だろうか。
前者ならばその体型が鮫 (Shark) のそれに相応しくないし、後者ならば魚類 (Fish) ですらない。
この頁ではそのモデルを紋殻皮剥 (Clown Triggerfish) としているのだが?
ぼくはただ、彼の体表にある模様から全く異なる妄想をしている。
黒と黄色の織りなすツートーンは、工事現場や建設現場のそれではないだろうか? そこで鑿岩機を駆動させている建設作業員こそが、グビラの肢体の発想の原点にあるのではないか、と。
例えば当時、TV番組『ウルトラQ
(Ultra Q)』 [1966年 TBS系列放映] の『カネゴンの繭
(Kanegon's Cocoon)』 [監督:中川晴之助 (Harunosuke Nakagawa) 脚本:山田正弘 (Masahiro Yamada) 特技監督:的場徹 (Tohru Matoba)] に登場した中松工事監督 [ヒゲおやじ] (Nakamatsu Inspector aka "Daddy Walrus") [演:渡辺文雄 (Fumio Watanabe)] とその助手 (His Assistant) [演:二瓶正也 (Masanari Nihei)] の様に、彼らは眼にも鮮やかな黒と黄色のツートーンの作業着を着用していたのではなかったか [こちらを参照の事]。
次回は「ら」。
そして、そこににょっきりと銀色の巨大な円錐がたちはだかっている。
これまでみたこともないそれに惹かれてぼく達は、そばまでかけよってみる。
たたくと硬い。
すると突然、その円錐はおおきな音をたてて、回転を始める。
グビラだった。
そんな夢を随分昔、ぼくは観た。
その夢の中の出来事から類推するに、ぼくにとってのグビラ (Gubira) とは地底怪獣 (Subterranean Monster) であるらしい。
彼が登場する、TV番組『ウルトラマン
深海怪獣 (Deep Sea Monster) グビラ (Gubira) をぼくが地底怪獣 (Subterranean Monster) と認識してしまう理由は幾つもあるのだけれども、それに触れる以前に、彼が登場するエピソード第24話『海底科学基地
物語の構造は非常にシンプルで、深海深く幽閉された人々の、危機脱出の物語だ。
閉ざされた人物達からみれば、海底と謂う環境自体が、そこからの自力脱出を困難にしている点、その上で彼等の脱出を妨げる怪獣と謂う存在、そしてさらに、彼等の貴重でかつ最重要であるライフラインのひとつ、酸素 (Oxygen) に限りがあると謂う点、それ等が幾重にも重なって物語に緊張を強いる事になる。
と、綴っていくと、こういう構造の物語はこれまでにも幾つも幾つも、何度も何度も語られていた [そしてこのエピソードが放送された後も何度も何度も語られ続ける事になる]。
例えば、同じTV番組『ウルトラマン
但し、異なるのはその幽閉された場所であって、脱出の物語の主軸を担う人物が異なるのだ。
第24話と第29話、そのいずれでもムラマツ・トシオ隊長 (Captain Toshio "Cap" Muramatsu) [演:小林昭二 (Akiji Kobayashi)] は幽閉者のひとりであり、後者に於いては正にヒーロー然たる活躍をみせるのだが、前者に於いてはその役割はフジ・アキコ隊員 (Akiko Fuji) [演:桜井浩子 (Hiroko Sakurai)] の任だ。
彼女がここまで果敢な活躍をみせるエピソードは、これまでにあったかなぁと思いだそうとしても、なかなか、このエピソードに匹敵する活躍をみせる物語はそうざらにはない。
寧ろ、同じ女優が演じた江戸川由利子 (http://ultraman-series.wikia.com/wiki/Yuriko_Edogawa) [演:桜井浩子 (Hiroko Sakurai)] が、TV番組『ウルトラQ
その、これまでになく勇敢に活躍するフジ・アキコ隊員 (Akiko Fuji) [演:桜井浩子 (Hiroko Sakurai)] ではあるが、しかも物語の中では、ウェットスーツ (Wet Suit) を着た姿を物語の中で披露してくれるのだが、この描写がとても残念なのだ [こちらを参照の事]。
どうみても、その姿、戦前〜戦中のもんぺ (Monpe) 姿を思わせる様な、ずんぐりむっくりな体型しか画面には顕れていない。
後に、実相寺昭雄 (Akio Jissoji) 監督作品 [映画『曼陀羅
当時の、子供向けTV番組の [女性描写に於いての] 限界と謂うモノへ想いを走らせてしまうのだ。
[そおゆう点に於いても、TV番組『ウルトラセブン

さて、この記事の主題はグビラ (Gubira)、怪獣である。
[掲載画像はこちらから。]
この怪獣、深海怪獣 (Deep Sea Monster) の異名がある様に、身体的な側面からみれば、どうみても魚類 (Fish) のそれである。
流線的な体型に、四肢は総て鰭状の形態をしている。
しかし、それらを総て裏切るかの様に、頭部の先端には鋭いドリル (Drill) がある。
鋸鮫 (Sawshark) だろうか、それとも、一角 (Narwhal) だろうか。
前者ならばその体型が鮫 (Shark) のそれに相応しくないし、後者ならば魚類 (Fish) ですらない。
この頁ではそのモデルを紋殻皮剥 (Clown Triggerfish) としているのだが?
ぼくはただ、彼の体表にある模様から全く異なる妄想をしている。
黒と黄色の織りなすツートーンは、工事現場や建設現場のそれではないだろうか? そこで鑿岩機を駆動させている建設作業員こそが、グビラの肢体の発想の原点にあるのではないか、と。
例えば当時、TV番組『ウルトラQ
次回は「ら」。
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