2016.01.22.11.57
ここで、あしがもつれるのか。
おれは冷静だった。冷静すぎるほどに。
そしてここで、たおれた。
ゆっくりと、まるで何万年も何億年ものときがすぎるようにかんじた。
それほど、おれは冷静だったのだ。ちかってもいい。この間、うまれてからここまでのおれの一生をふりかえるのには充分すぎるほどの時間があった。
おれの生死にかかわること、もしかしたらおれはここでこのまま破滅なのかもしれない。にもかかわらずに、おれがかんがえたのは、全然べつのことだった。
スポーツ選手の連続写真、それともアニメのコマおくり。
もつれたあしがどうゆがみ、どうたわんで、おれの身体のバランスがくずれていったのか、そして、その結果、おれの身体がどうたおれてゆくのか、それを逐一、検証していたのだ。
加速度やら慣性、摩擦熱やら仕事量、大昔にならったことばがあふれかえってきて、その解説をひとつひとつおもいだしてゆく。大方はきっと、まちがっているだろう。
だが、走馬灯がかけめぐるよりはよっぽどましだってことさ。
きづいてみたら、あえぎにあえいでいるおれがいる。背よりもたかいくさむらのなか、みどりの剣先がいくつも青空をつきさしている。
もう夏もおわりだ。
これが限界なのだろう。
ここで限界なのだろう。
犬のなきごえ。おってのさけび。
さっきまで高熱のようにたかぶっていたおれの身体は、次第にひえてゆく。
片腹だけがやけにあつい。
おそらく、それが致命傷だ。
[the text inspired from the song "Cool Change" from the album "First Under The Wire
" by Little River Band]
おれは冷静だった。冷静すぎるほどに。
そしてここで、たおれた。
ゆっくりと、まるで何万年も何億年ものときがすぎるようにかんじた。
それほど、おれは冷静だったのだ。ちかってもいい。この間、うまれてからここまでのおれの一生をふりかえるのには充分すぎるほどの時間があった。
おれの生死にかかわること、もしかしたらおれはここでこのまま破滅なのかもしれない。にもかかわらずに、おれがかんがえたのは、全然べつのことだった。
スポーツ選手の連続写真、それともアニメのコマおくり。
もつれたあしがどうゆがみ、どうたわんで、おれの身体のバランスがくずれていったのか、そして、その結果、おれの身体がどうたおれてゆくのか、それを逐一、検証していたのだ。
加速度やら慣性、摩擦熱やら仕事量、大昔にならったことばがあふれかえってきて、その解説をひとつひとつおもいだしてゆく。大方はきっと、まちがっているだろう。
だが、走馬灯がかけめぐるよりはよっぽどましだってことさ。
きづいてみたら、あえぎにあえいでいるおれがいる。背よりもたかいくさむらのなか、みどりの剣先がいくつも青空をつきさしている。
もう夏もおわりだ。
これが限界なのだろう。
ここで限界なのだろう。
犬のなきごえ。おってのさけび。
さっきまで高熱のようにたかぶっていたおれの身体は、次第にひえてゆく。
片腹だけがやけにあつい。
おそらく、それが致命傷だ。
[the text inspired from the song "Cool Change" from the album "First Under The Wire
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