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2015.11.27.10.55

Undo

鶴をおる。
それがおれの仕事だ。

あさ、看守がおれにたずねる。何枚だ、と。
おれが枚数をつげると、それにおうじた紙をくれる。

よる、看守がおれにたずねる。何枚だ、と。
おれはだまって鶴をわたす。
そのばでかれはしなさだめをし、落第した鶴をつきかえす。

合格した鶴は換金もできるし、情状酌量のための加点にもなる。
ごくわずかだがな。
それでも、はぶりがいいやつもいるというし、何ヶ月もまえだおしで出所したやつもいるという。

落第した鶴は、おれの裁量次第だ。
なにもしなければ、材料費が請求される。合格よりも不合格のほうがおおければ、マイナスだ。
あたりまえのはなしだ。

鶴は紙だから、あらためておりなおすこともできる。
一生懸命、しわをのばし、もう一度、鶴にしたてあげ、看守に提出する。
無駄な努力だ。

鶴は紙だから、もう一度、すきなおすこともできる。
看守にもうしでれば、加工場へ案内される。
そこで、失敗した鶴をふたたび、まっさらな紙にするのだ。
それをみずからおこなわなければならない。

勿論、紙はできる。
しかし、最初にあたえられたものよりもはるかに品質はおちる。
それでつくった鶴も、評価はひくい。しかも、加工場の工賃がさっぴかれる。
なんのための努力だか。

だから、ほとんどのやつは、できそこないの鶴を房のなかにぶらさげる。
無様な千羽鶴だ。

時折あらわれる慈善事業家たちはそれをみて感動する。
看守長はかれらにこう説明するからだ。

かれらはみずからのあやまちをつぐなうために、こうやって毎日、鶴をおっているのです。

[the text inspired from the song "Undo" from the album "Seven" by Sanna Nielsen]

images
the single for the song "Undo" by Sanna Nielsen

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