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2015.03.27.12.23

Lost In The Echo

とびおきれば、自宅のベッドだった。この寒さでもあぶらあせ。息はあらく、動悸も激しい。そして、耳にのこるのはあの音だ。

あの日にあったこと。あの夜におれがしでかしたことはいまでもおぼえている。けっしてわすれられるはずはない。たったいまも夢のなかで再現されたばかりだ。

くらいあお、はげしくかがやくもの、そしてあか。

当事者でいきのこっているのはおれだけだ。みんな死んだ。おそれるものはなにもないはずだ。一切の証拠はすべてが闇だ。けっしてこの世にあらわれることはない。

一体、なにをおそれているのだろう。なににおびえているのだろう。すべては夢のなかだ。そこだけだ。いや、だからおそろしいのか。それゆえにおびえるのか。

あの音だ。あの音がなければいい。あの音をきかなければいい。

あれはどこにある。音のでどころさ、そいつを始末すればいいのさ。

ははは。それはあの日、あの夜、おれがしたことじゃあないか。
もとをただせば、すべてがあの音だ。

一切合切、もとをたったはずなのに、いまだにおびえているんだ、あの元凶に。
きこえないはずの音に、日夜、来る日も来る日も、おれはおそれ、おびえているのだ。

[the text inspired from the song "Lost In The Echo" from the album "Living Things" by Linkin Park]


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