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2015.01.02.12.30

Zig Zag Wanderer

酩酊した人間はだれしも歩行があやうくなる。
ぞくにいう千鳥足というやつだ。

あっちにふらふら、こっちにふらふら。まっすぐあるくこともおぼつかない。

だが、そんなものにかぎって、橋のうえにかけた一本の丸木橋は平気でわたってしまう。
おちるものはいない。
たとえ、そこがどんなに危険な峡谷であろうと平気の平左だ。

では、といって、そいつらを素面のさいに、わたらせようとすると、あしがすくんでわたれないという。
べつにそこが峡谷だから、とはかぎらない。公園のすみにある平均台ですら、かんべんだという。ちいさなこどもたちがあそんでいるあれでもだ。

まるで、おおむかしの無声映画のコメディのワン・シーンみたいなはなしだが、実際のはなしだからしようがない。

無理やりわたらせると、実際にあしをすべらせてしまうのだ。
安全網などあると、かえってあぶない。
むしろ、なにもない危険な状態のほうが、わたりきる可能性はたかい。たとえおちてもたかがしれている。
ああ、これは素面のはなしだ。
よっぱらいは、おちることなんかないからな。

よっぱらっていて、じゃまな理性や知性がはじけとんでいるからだろうか。
動物に本来そなわっている本能とやらがうごくからだろうか。
それとも、平衡感覚とやらのおかげだろうか。

まぁ、それがなんなのかはこのさい、なんでもいい。

要は、ひとをうごかすとはそういうことさ。
まつりごと、といってもいいのかもしれないがね。

[the text inspired from the song "Zig Zag Wanderer" from the album "Safe As Milk" by Captain Beefheart And His Magic Band]


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